イノベーションを起こすには何が必要なのか?

 最近ますますイノベーションという言葉を目にする機会が増えてきた気がします。テーマはイノベーションでも語り口は様々です。イノベーションとは?という定義もの、イノベーションを起こすには?という要件もの。イノベーションという言葉が氾濫する一方、その本質があまり考えられなくなっているとも感じます。
 言葉が広まる一方で、その言葉の本質が見えなくなってくるというのは、いろいろな言葉に対して繰り返されています。どんなに意味深い言葉でもお題目になってしまっては台無しです。ですから、よく耳にする様になって来た言葉に対して、その本質を考えてみる事はとても大切です。今回はイノベーションは何処から来るか?その原動力について考えてみます。
 
 イノベーションを起こすには何が必要なのでしょうか?
 企業における取り組みとして思い浮かぶのは、イノベーション開発室を設立する、社内ベンチャー制度を作る、ビジネスプランコンテストを開催するといったものでしょうか。他にもいろいろ考えられますが、これらは受け皿を用意するという意味では意義あると思うのですが、何か足りない気がします。
 
 また、企業における活動の常として、”将来の事業の柱とするため”という枕詞が付くことも多いのではないでしょうか。こうなってくるとイノベーションにより社会に新しい価値をもたらす事や、新市場を開拓する事よりも、既存の延長線上で手堅いビジネスをする事の方が優先されてしまいます。果てはイノベーションに取り組んでいるという事実をアピールするための宣伝活動の様になってしまっている事もあります。
 
 こういった事態に陥らないためには何が必要なのか?
 
 答えは”自分自身が本当に共感できるテーマに取り組む”ことです!
 企業であれば、なぜ自社が取り組むかを明確に示して、社内外の共感を得る事です。
 ですが、イノベーションは少数のイノベーターから始まる事を考えると、企業においてもやはり起爆剤となる個人の存在が重要です。
 「○○事業が成功したのは、○○さんが最後まで諦めずに引っ張ったからだ。」というのは良く聞く話です。
 では、○○さんをどうやって作っていくのか・・・
 というのが、組織としての取り組み課題になります。
 この辺りがイノベーションを考える際に人材育成を切り離せない所以です。
 人材育成と言っても知識やスキルの問題ではなくて、キャリア開発や組織風土への取り組みになります。
 イノベーションを起こせるかどうかは、結局、「自身が本気で取組めるテーマに出会えるか」どうかにかかっています。
 
 私自身もそうでしたが、日々の仕事に集中していると自身のテーマを考えている余裕はありません。
 
 一人一人が自身のテーマを持って日々の仕事に取り組むという事を促す環境を造り、 
 テーマを持った人を増やす事が組織の働きかけとして最も重要です。 
 2012年7月16日、スティーブン・R・コヴィー博士が永眠されました。
 多くの金言は改めて見返してみる価値のあるものばかりです。
 博士の書かれた「7つの習慣」を読まれた方は多いと思いますが、
 第一の習慣「主体性を発揮する」の中に “関心の輪、影響の輪” の話しは覚えてらっしゃいますでしょうか。
 二重の同心円で、外側が関心の輪、内側が影響の輪として表されていて、
 主体性を発揮し、関心の輪だけではなく、影響の輪も拡げるという主旨と理解しています。
 この考え方を引用させて頂くと、イノベーションの原動力を高めるポイントは以下の二つです。   
  ・関心の輪を拡げ、自身のテーマと出会うの待つ
 
  ・影響の輪を拡げられるよう、その時に備えて日々の研鑽に励む
 
 何事も日々の積み重ねです。

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