原体験、価値観、そして、ビジョン

 仲間と月に2回英語の勉強会をしている。自分が参加してもう1年ちょっとになるが、ほど良いゆるさで続いている。今日は3回目のEnglish Boot Campの場所決めプレゼン大会、もちろん英語でプレゼンだ。特に厳しい縛りも無いのに5人のプレゼンターが集まった。2つに候補が絞られたが、有機野菜の農業体験とその場で電話して確認した秋野菜リストというキラーコンテンツで勝者が決まった。そのまま自然と役割分担に移り、どんどん前に進んでいく。レベルも仕事もバラバラなメンバー、英語に対する到達目標もモチベーションもそれぞれだが、上手くチームとして回っている。これはきっと価値観が合う仲間という事なのだと思う。
 もう一つ、こちらは年に1回で続けている会がある。こちらはもう少し似通った背景を持つメンバーの集まりだが、同じメンターから指導を受けたという共通項がある。いわゆる同じ原体験を共有した仲間だ。個性が強く、ある意味価値観はバラバラだが、だからこそ刺激が得られる。
 どちらも自立した人が集まる自律した組織?!だ。
 価値観が合う仲間が自然と集まる。
 同じ原体験を共有する仲間が集う。
 組織で何かを成そうとする時、価値観、原体験は大事な要素になる。少し乱暴かもしれないが、「価値観を揃えるために共通の原体験を踏ませる」というのが組織で行われているマインドセット系の研修のセオリーだと思う。所がこれがなかなか難しい。一朝一夕には行かない。セオリーが掴めているのに、簡単には行かない。理由は簡単、それぞれが既に異なる原体験を積み重ね独自の価値観を持っているからだ。これを塗りつぶすだけの体験を後から積むのには無理がある。幼少の頃からやり直すか、強烈な体験をするかしかないだろう。
 だから、「価値観を合せるのではなく、お互いの価値観を認め合う」というセオリーが必要になってくる。これだけでも実際にやるのは大変だが、出来たとしても合わせるだけでは行き先が決まらない。ここで必要になってくるのがビジョン、行き先だ。
 仲間を募ってから行き先を決めるか?
 行き先を示して仲間を集めるか?
 という議論がある。
 いずれにせよ、人を巻込み何かを成そうとする人に必要なのはビジョンだ。
 価値観の重なりが少ない程、より具体的なビジョンが必要になる。これが人+ビジョンの式だ。足し算で示される以上、人(価値観の重なり度)だけでも意義あるビジョンだけでも効果はある。しかし、どちらも完璧にするのは難しい。だからこそ常に両方を意識する必要がある。
 そして、ビジョンともう一つ意識してコントロールできるのが、新たな原体験づくりだ。特に新しい組織でビジネスを起す時には効果的だ。何を今更と思うかもしれないが、原体験こそが暗黙知を生み、組織の土壌を耕す。
 原体験で耕し、ビジョンで行き先を示し、成果を積上げる事で共通の価値観が出来てくる。こうした原理原則を意識しながら進めば、組織は強くなる。
Written by Tatsuya Yamada on 2013-07-02