池井戸潤氏の七つの会議(ななつのかいぎ)がドラマ化された。ハゲタカのヒット以来、ビジネスの現場をテーマにしたドラマは増えて来ているが、”会議”という単語がタイトルになるまで来たことに驚いた。内容的には暗い閉塞感のあるもので好みは分かれるだろうが、タイトル通り様々な会議の場を俯瞰するという観点では興味深かった。部内会議、御前会議、監査対応、・・・、そして、屋上にパイプ椅子を並べての会議ではない会議、改めて拾い上げて見るのも面白いだろう。
 一般的に企業における会議は、退屈で眠気を誘うものとして取り上げられ、およそドラマティックなものは感じられない。しかし、実際には会議の場に至るまでの過程には生々しいドラマが隠れている。思った以上に企業の中にはドラマがある。けっして合理的なだけの世界では無い。論理が絡まり感情が交錯する会議の場をもう少し工夫で切れば、企業のパフォーマンスは大きく変わるだろう。
 という訳で、やや今更な感はあるが、今回は会議のコツをお伝えする。もちろん会議には様々なものがある。それこそ七つ以上の種類があり、万能という訳ではないが、いわゆるビジネスシーンにおいては適用しやすいものとして取りあげた。何よりシンプルで覚えやすく意識しやすいのが良いと思っている。
 そのコツというのはタイトルにあるように会・議・決・行だ。
出典は定かでは無いのだが、元にしたのは「会して議せず、議して決せず、決して行せず」だ。いわゆる会議の悪癖である。これらを予防するためのチェックリストとして「会→議→決→行」の順で活用して欲しい。
会議決行.png
 先ず「会う」というステップだが、これが想像以上に出来ていない。せっかく時間を取って顔を突き合わせるのだから、きちんと会わなければ始まらない。単純な話、ストレートな挨拶を一つ入れれば良い。流れで始まるのでは良い場にはならない。普段から顔を突き合わせている同僚と今更挨拶なんて~と思うかもしれない。初対面のお客さんとの場で、いきなりそんなにフランクになれない!と思うかもしれないが、
 「では、時間になりましたので始めましょうか、今日の議題は・・・」とスーッと入って行くのではなく。
 「では、時間になりましたので始めましょう!、おはようございます!(おはようございます!)今日の議題は、」と参加者全体での発生を促すプロセスを入れるだけで場が変わり、議論の始動が変わる。基本中の基本として是非徹底して欲しい。
 次に「議論する」だが、この部分は目的に応じて進め方は変わって来る。ただ押えておきたいのは、議論の”論”、論じるポイントを参加者で共有して進める事。何に付いて話すのかが曖昧なままでは、やはり成果は期待できない。それこそ決める事は出来ない。論点を共有した上で、「聴く、伝える、そして、問いかける。」という双方向の働きかけがあれば、自ずと議論は活性化する。
 そして「決める」だが、意思決定の方法に関してはいろいろなやり方がある。ここで押えておきたいのはこうした方法論では無く、もっと本質的な所だ。当り前と思われるかもしれないが、「決定事項は明確か?」という事である。例えば、「今日の会議では今後の進め方を決めます!」という場があった場合をちょっと考えて欲しい。
 「何が決まれば進め方が決まった事になるか?」、「何を決めれば明日から行動できるか?」という事に答えるには、どの位補足が必要だろうか?次の一手を決める事を目的にしているのに、次の方針しか決まらないという場面が多々ある。それは、議論の進め方にも原因があるかもしれないが、実は、そもそもどのレベルまで具体的に決めるかを描けてない場合が多い。「方針に留めずに決定事項まで落し込むにはどうしたら良いか?」、「誰が何をどうするかが明確に描けて共有・合意されているか?」改めて決定事項の表現を見直してみると抜けている部分が見えて来るだろう。
 最後に「行動につなげる・行動を約束する」だが、「きちんと会して、しっかり議論して、決め方に納得する」事が、行動につなげる上で一番大事な事だ。しかし、これらのステップをきっちり踏んでいても、いざやろうとすると腰が重くなる、二の足を踏んでしまうのは良くある事だ。だからこそ、このステップでは、行動の阻害要因が無いか検討し、プラス面を強くするのと同様なマイナス面を減らす配慮・工夫を検討する必要がある。その上で、実行をより確かなものにするために、マイルストンを決め、フォロー計画を立てる。ここまでやっておけば、仮に初動が遅れたとしても、キャッチアップさせる事ができるし、より良い実行につなげるための振返りにも繋がる。
 【会議のチェックリスト】
◆ 会う
|  これから話し合うための状態を作れているか?
|  そのための気遣い・働きかけをしているか?(挨拶、笑顔、目的共有)
◆ 議論する
|  議論するポイントは共有できているか?
|  聴く姿勢は出来ているか?
|  伝える工夫がされているか?
|  質問が工夫されているか?(確認、深堀、発想転換)
|  会って話すだけの拡がりがあるか?
|  (報告だけの場の時は効率的に出来ているか?)
◆ 決める
|  決定事項は明確か?具体的に描けているか?
|  行につながる決定がなされているか?
◆ 行動につなげる
|  行動を促すための配慮・工夫(促進、阻害要因排除)がなされているか?
|  マイルストン、フォローが明確か?
◆ 成果を得る
   行動の成果を摘み取り、果実と美酒を味わう!

キーワードから探す

過去の日付から探す

関連記事

Related Articles

イノベーション手法

PickUp Articles

ジョブ理論解説

イノベーションの特殊部隊 INDEE Japanによる ジョブ理論の書籍画像|innovator's Note

イノベーターDNA診断
イノベーション能力診断の世界標準

イノベーションの特殊部隊 INDEE Japanによる イノベーターDNA診断のイメージ画像|innovator's Note

動画コンテンツ
イノベーション大全

イノベーションの特殊部隊 INDEE Japanによる イノベーション大全のイメージ画像|innovator's Note

社内アクセラーション
プログラム

イノベーションの特殊部隊 INDEE Japanによる 社内アクセラーションプログラムのイメージ画像|innovator's Note