貨幣の機能、貨幣の発明

INDEE Japanの住所をGoogle Mapで検索すると日銀が出てきます!
ちょっとしたサプライズネタにしていたのですが、迷われる方が多かったので、最近地図を差し替えました。当社にいらっしゃる際には是非、HPの地図をご確認の上いらしてください。
さて、日銀の側に貨幣博物館があります。前々から13:30からの説明ツアーに参加しようと思っていて、先日やっとタイミングが合いました。貨幣というモノの役割とその変化を時系列に理解する事が出来て非常に面白いツアーでした。若干オタク向けかもしれませんが、金融業界のドラマも流行っていますので是非一度訪れてみてください。
経済学上の貨幣の機能は、「価値の尺度」「交換の媒介」「価値の保蔵」の三つです。
貨幣で価値を測れます。
 「この商品は〇〇円です!」
貨幣で価値を交換できます。
 「今回の仕事の報酬は〇〇円です!」
 「この商品の代金として〇〇円頂きます!」
  こうして労働から商品を得る事が出来ます。
貨幣で価値の交換を先延ばしできます。
 「今は欲しい商品が無いから、貯金しておこう!」
確かに納得感は高いのですが、何となく後付的な再整理された感じを受けませんか?
この三つの機能は定義された貨幣の要件です。貨幣とはこうした機能を具備する事と定義されたものです。では、貨幣はどんな欲求を満たすために発明されたのでしょうか?人々は当時に何に困っていたのでしょうか?何をしたかったのでしょうか?こうした人々の悩み・要求をとらえる事が発明の第一歩です。ちょっと考えて見てください。



さて、こんなお話はいかがでしょうか?
昔々、食料はほとんど自給自足でした。今で言う地産地消です。
自然も豊かで人も少なくて、厳しいお天気もあったけど、のんびり暮らしていました。
ある海の近くの村に、ある時魚の大群がやってきました。
とても、とても食べきれない量です。
もったいないな~と思った海の村の人は、山の人の所に魚を持って行きました。
山の人は喜んで、お礼に山のごちそうをくれました。
ちょうど山でも沢山の動物が取れた時だったのです。
皆、豊漁を喜びました。
次の年、また魚の大群がやってきました。
海の村の人は、沢山の魚を山の人に持って行きました。
山の人は大変喜びました。でも、ちょっと困った様な顔をしました。
その頃、山の動物がいなくなって、山の人にはお礼にあげるモノがなかったのです。
海の人は言いました。
「僕らは食べきれないから魚はあげる。
 でも、皆、山のごちそうを楽しみにしているんだ・・・」
山の人は言いました。
「僕らも困っていたんだ、本当に嬉しい。
 お礼に何かをあげたいんだけど・・・」
海の人は言いました。
「この前は、魚100匹で、お礼に猪を10匹もらったよね」
「ここに貝殻が1枚ある。これを魚10匹、猪1匹の価値と決めよう」
「今は海の村には魚が沢山ある。山のごちそうも食べきれないかもしれない。また、山のごちそうを食べたくなったら、この貝殻を持ってくるから山のごちそうをくれないか?」
山の人は言いました。
「じゃぁ、もらった魚100匹分、10枚の貝殻に、この石で穴をあけるね」
「持ってきた貝殻に、この石がピタッと嵌ったら、猪をあげる」
こうして海の人と山の人は、穴明き貝殻1枚=魚100匹=猪10匹という価値の尺度を決め、穴明き貝殻を価値の媒介とし、欲しい時に根幹出来る価値の保蔵手段を手に入れました。めでたし、めでたし。
その後、貨幣は進化し、紙幣が生まれ、プラスチックマネーへと変わってきました。今でも貨幣(通貨)の基本的な機能は変わっていません。でも、人々は「余ったものを無駄にしたくない!」だけでなく「価値の交換を促進し、人々の力を集めたい!」という新たな要求を持つようになりました。こうして貨幣に新たな機能が付加されていきます。今の貨幣は産業を興すためのプラットフォームなのかもしれません。
既存の仕組み・サービスの成り立ちから、そもそもの悩みや欲求を思い出してみる。そして、悩みや欲求の変化を想像してみる。そこに新たな仕組み・サービスを生み出すヒントが隠れているかもしれません。
Written by Tatsuya Yamada on 2013-08-27