アウトサイダーの使い方

 何か新しい事を始めるとき、新しい考え方が必要なとき、アウトサイダーは大きな力になる。それは既存のメンバーだけでは古い箱の中から出られないからだ。いわゆるOut-of-box-Thinkingが出来ないからである。

 アウトサイダーは箱の外にいる事こそが、その最大の価値である。ただし、箱の外の人なら誰でも良い訳ではない。箱の外の人に何処を頼めば良いのか?ここが難しい所だ。相談したい内容は内部の事であれば、相手の知識やスキルの評価もし易いが、それでは箱の外にいるだけのインサイダーに依頼する事になってしまう。情報共有はし易いかもしれないが、新しい考え方を得るには必ずしも得策とは言えない。

 こうしたジレンマの中、「外部の知恵を取り入れたい、オープンイノベーションを進めたいと思っているが、なかなか進まない・・・」という企業が多い。

 では何か指標は無いのか?以下のチャートが役に立つ。

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 多少のアレンジは必要かもしれないが、基本的にはこの構造で整理可能だ。視点は2つ。1つ目は依頼の相談内容、何を支援して欲しいか?、もう一つはアウトサイダーの保有リソース、何を提供出来るか?。このニーズとシーズの組合せ毎にアウトサイダーの属性を示すしたものが先ほどのチャートである。
 ここでコンテンツとは依頼主が知りたい情報や答えである。業界情報の取得、制度変更の予測等が該当する。一方でプロセスとは(答えは誰も知らない、これから自分たちで考えなければ行けないという前提で)考え方の導きや考え続ける支援を行うものである。自社のビジョンの構築や戦略の組織への落とし込みなどではプロセスの支援が重要になる。
 知識・スキル・マインド・人脈は、特定の個人と切り離されたもの〜特定個人に根ざしたもののグラデーションである。下になるほどプロセス的な支援において大切になるのは感覚的に理解して頂けるだろう。

 以上、ステレオタイプな分類である事はご容赦頂きたい。何処の世界でもそうだが、昨今、職分の境目は曖昧になってきており、一つの役割だけでビジネスを行っているものは少ない。ただ、役割として整理する事で、適材を探す上での指針にはなるだろう。

 例えば、いわゆる士業に代表される専門家は、依頼主が求める正しい答えをその知識から見つけるのが役割だが、依頼主の納得感を高めるには、よりプロセス的な踏み込みも必要になる。コーチだからコンテンツは知らなくて良いでは、経営者を相手にしたビジネスコーチングは勤まらない。また、経営者のメンタルサポートという観点ではカウンセラー的な要素も必要になってくる。アウトサイダーへの依頼をする際には何を支援して欲しいか、何は自分たちが主導したいかよく整理してみると良い。その上で胸襟を開いて期待に応えられるかを率直に問う事が、アウトサイダーをパートナーとして活用するポイントだ。

 ちなみに私たちINDEE Japanは、事業開発のメンバーとしてプロジェクトに深く入り込むところを強みとしている。このパターンの弱みは、一般的には担当メンバーの属人性が高くなってしまう事にある。対策として我々は各プロジェクトにチームで対応する事をモットーとしている。また、個々が深く個別課題に取り組みつつ、チームとしてのレバレッジを効かせるために、メンバーが底流となる共通言語・原理原則を共有している。これにより、たとえその場には1人のメンバーしかいなくても、チームの総力を提供する事が出来る。


 いわく、イノベーションとは何か?Sカーブとは何か?イノベーターのDNAとは何か?といった部分である。ちなみにこうした手法は門外不出の秘伝の書ではなく、私たちが広めていきたい考え方そのものである。
 私たちのDNAとも言えるメソドロジーを世の中に広く伝えていくために、スタートアップ支援、イノベーションコンサルティングとは別に、オープンセミナーも開催している。

 次回は11月27日(水)に日本橋野村カンファレンスで開催する。ジョブスの発見!と題して、価値あるビジネスチャンスを発見するポイントをお伝えする。アウトサイダーの活用の一つとして、是非ご参加頂きたい!!

Written by Tatsuya Yamada on 2013-11-12