Google Adwordsは単なる広告ではない

スクリーンショット 2016-06-13 10.27.36 のコピーpng
Googleで「お祝いの花」を探そうとすると、「広告」とついた検索結果が上段に並びます。見覚えのある画面ですよね。
ご存知の方も多いと思いますが、Googleの収益源の9割は広告収入です。そして、その額は日本の大手広告代理店にも比肩しうる規模に育っています。
これだけの顧客を獲得しているのは、Googleという検索サイトのメディアとしての魅力が大きいからですが、広告の仕組みとしては何が違うのでしょうか?企業のジョブ(Jobs to be done:広告を雇う理由、本質的にやりたい事)は何かを考えるとその違いが見えてきます。
企業のジョブは以下の様なものですが、誰の視座(立場)で考えるかで異なります。
  • (経営層は)売上を伸ばしたい
  • (マーケ担当は)問合せを増やしたい
  • (営業は)顧客を集めたい
  • (商品企画は)商品の認知を上げたい
  • (広報担当は)企業イメージを伝えたい
企業がやりたい事は売上を伸ばす、もしくは、その手前の問合せ増加や商品・企業イメージを伝える事にありますが、広告という手段が効果的に解決できるジョブは何か?を考えてみましょう。
企業は商品・企業イメージを伝えるためのコンテンツ作りに莫大な費用をかけますが、それだけ莫大な投資をしても成果につながったかどうかは間接的にしか分かりません。アンケート等で顧客の反応を確認することはできますが、広告の利き目かどうかは推測の域を出ません。
それならば、「売り上げが上がるまでお金は頂きません!」と成果報酬型で売上連動による課金を試みているメディアもありますが、メディア側がそこまでリスクをとっても、複数の広告媒体を用いていたり、商品力、営業力の要因もあったりと、結局その広告の効果だけを切り分けることが出来ません。広告の売上への貢献度を直接測るのは、現時点では難しそうです。
改めて考えると、広告の依頼主が本質的にやりたい事は何なのでしょうか?「売上を上げたい」「払った費用に応じて売上を保証してほしい」だけしかないのでしょうか?もしそうだとしたら、広告業界はそもそも存在しません。
顧客のジョブを発見し、それに応えるのがイノベーションを起こす上で重要なのですが、必ずしも100%応える必要はありません。顧客が既存のサービスよりも欲しいと言ってくれる差別化が出来ていれば十分です。
「売上の保証」ができなくても「広告の効果を分かり易く見える化」
ポイントはターゲットにする顧客の視座(立場)に応じたジョブで差別化することです。広告の効果の見える化というポイントで競合と明らかな差を示すことです。ターゲットの顧客が「これなら欲しい!」と思うこと、そしてステークホルダーが他にもいる場合には、彼らが理解し納得しやすいことが大切です。
Google Adwordsの基本的な考え方は広告に対して、顧客が意図を持って行動した事をカウントし課金するというものです。webサイトでのクリック課金がこれに当たります。webサイトに掲載するだけでは無料で、そこでクリックされた段階で初めて課金されます。セールスプロセスのより前段で、購買までは至らないが「顧客に情報を得るという行動を促した」ということに対する成果報酬型課金を行っていることになります。もちろん、クリックされたからといって必ず売れる訳ではありませんが、「広告の効き目を測りやすい」という点では0/1の違いがあります。これが顧客が欲しいと感じる差別化です。
さらにコストに関しても支払いやすい工夫がされています。キーワード毎に入札価格が決まっていますので、煩わしい交渉をせずに判断できます。
また、集客に効きそうなキーワードを調べたり、自社の商品のポジショニングによっては割安のキーワードで効果を上げると言った試行錯誤も可能です。顧客からのフィードバックが得られる、それをみながらキーワードを工夫するという学習ループを回せるのが、この仕組みの付加価値です。
実際に購買に至るためには、周辺のジョブも上手に解決してあげる必要があります。
そして、こうした一連の仕組みを簡単に使えるようにしてユーザーに開放しているという意味では、Googleは既存の広告業界を破壊していると言えます。イノベーションは発明x普及。よりシンプルで皆に普及する仕組みを発明して、顧客の欲しさに訴えればイノベーションを加速できます。費用対効果の合理性が見えにくいビジネスには破壊的イノベーションの余地が眠っています。
Written by Tatsuya Yamada on 2016-06-16