「やらない」をやらない

「マシュマロ・チャレンジ」をご存知でしょうか?

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乾麺のパスタと、紐、テープを組み合わせ、てっぺんにマシュマロのついたなるべく高いタワーをつくるゲームです。

4人のチームで協力してつくるのですが、これが案外難しい。。。

 

このゲームは世界中で行われていて、世界記録もあります。色々なコンテストが行われており、成績の傾向があることがわかっています。例えば、建築を学んだ建築家たちの成績は、もちろんとても良いです。逆に、成績が悪いのはとても頭の良い、MBA卒業生。彼らの成績は平均的なタワーに届きません。

そして、平均を上回るのは小学生のチームです。

 

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小学生を含め、成績の良いチームは、タワーを立てる前に数多くの「実験」をしているという共通点がありました。逆に、成績の悪いチームは「議論」に時間をかけてしまうという傾向があります。議論と計画に時間を使いすぎて、いざパスタを手に計画を実行しようとすると… ポキッっと、終わってしまうのです。

ほとんどの人にとって、パスタで構造物をつくることは初めてのことです。にも関わらず、「やってみる」前に議論と計画ばかりをやってしまうことで、結局本物に取り組むことが疎かになってしまいます。

イノベーションも同じです。

面白いアイデアが生まれたとき、チャンスが回ってきたとき、ついつい「議論」してしまいがちです。こういう議論の結論は往々にして「見送り」「先送り」「さらなる検討」などとなってしまいます。このような結論になってしまうのは、ポストイットを使っていないから、とか会議室が古いから、などといった議論の仕方の問題ではありません。参加者の誰もが答えを持たない問いだからです。クリステンセンは企業が「合理的な」判断をしてイノベーションの機会を潰している、と『イノベーションのジレンマ』で語りました。冷静な分析をすればするほど、「やらない」をやってしまうのです。

イノベーションマネジメントとは、この「やらない」をやらないことのほかありません。タネを育てるには、水や養分も必要ですが、除草剤も取り除かないといけませんが、「やらない」を生んでいる仕組みは議論以外にも数多く存在しています。しかも、新規事業には有害な除草剤も、既存事業にとっては有益なことも多いので、きちんと畑を分ける必要があります。

企業内で新しいビジネスが生まれなかったり、体質が変わらない理由はしっかりと存在しています。その理由を取り除いてから進めたいところです。

Written by Shingo Tsuda on 2017-06-12