行ってみて実感! ドバイの凄いところ

INDEE Japan設立の頃から、仲間内で話題に上っていたドバイに行ってきました。
いつもとは違う、少し軽いノリで自分が感じたドバイの凄いところをお伝えします!

テーマは、位置、水、夢、多様性、自由、そして、イノベーションです。

 

位置

先ずはドバイって何処?という人のために、ドバイはこんな所にあります。


日本から10時間40分ですが、往路は夜初の早朝着でしたので、時差的には割と快適でした。日曜の夜に移動して、月曜日に仕事して、火曜の朝便で帰れば、水曜日は朝から普通に(?)仕事ができるという弾丸ツアーも可能です。アジアのハブであるシンガポールも7時間ですから、中東はもちろんアフリカや東欧へのハブとしても、とても魅力的な位置にあります。こうした地政学的な気付きは行ってみないと分からないことの一つですね。普段から地球をいろんな角度から見る癖をつけておきましょう。

地政学ついでにもう少し拡大した地図で見てみましょう。

ペルシャ湾とオマーン湾の両方に面していることで、ホルムズ海峡を封鎖されても陸上パイプラインで抜けることができます。ドバイは7つの首長国の1つですから、実際はドバイから別の首長国であるフジャイラに抜けることになります。いずれにせよ、UAE(アラブ首長国連邦)が石油輸出の要所であることは間違いありません。実は日本はUAEのお得意様です。日系油田の約4割はUAEのアブダビにあります。また、日本の石油輸入の約24%を占め、サウジアラビアに次いで2位です。UAE結成直後の1972年から、これまでに日本がUAEに支払った輸入代金は80兆円にも登ります。これは世界最大級の政府系投資ファンドADIA(Abu Dhabi Investment Authority)の資金量にも匹敵するそうです。自国の資源を社会インフラの整備やファンドに蓄積し、次代の国家の基礎としている計画性に唸らされます。

 

行く前からこれは見なければと思っていたのが、高さ150mのドバイファウンテン

思いっきり観光ネタですが、砂漠と海(海水)しかないところで、どうやって、こんなに水の無駄遣いを!と気になっていた場所でした。
これまで60ヶ国以上の国を旅して来たなかで、一番辛いと思ったのは、水がない状況でした。温度、湿度、食事、衛生等、大抵の不自由には慣れてきたつもりだったのですが、十数年前に訪れたモンゴルのウランバートルから数百キロ西の集落でのパオ暮らし。水がないって辛い!というのを初めて実感しました。もしかしたら、水に恵まれている日本人ならではの感覚かもしれません。こうした経験があったせいもあり、ドバイファウンテンでの水の使い方にはエンターテイメントとしての感動の前に、こんな砂漠の真ん中で、なんてもったいない!という印象が強かったのですが、この水はどこから?というのを調べてみると印象は変わりました。

ドバイは水需要のほとんどを海水蒸留水で賄っていて、ドバイの造水プラントによる水の生産量はサウジアラビアに次いで世界第2位だそうです。水は日本におけるエネルギー問題と同じく、UAEでは最重要課題であり、その能力を示すことは、国力を示すこととも等しいのだと理解しました。単なるエンターテイメントではなく、社会インフラの整った国であることを示すのと、観光立国に直結するという点で眺めるとドバイファウンテンの水も違って見えてきました。水が十分ある砂漠の国であることを示す必然があるのですよね。

 

そして、ファウンテンの後ろにそびえ立つ、828mのバージュ・カリファ。

写真だとあまり高さを実感できないのですが、828m、当然634mのスカイツリーよりも高い。真下にはドバイファウンテン、ドバイモールとまさにザ・ダウンタウンです。区画としては1つにまとまっているのですが、その1ブロックがでかいです。イメージとしては、東京駅の丸の内側が丸ごとドバイモールという感じでしょうか。外は40℃越え、中は20℃台と、慣れないとこの温度差で体調を崩しそうでした。屋内がキンキンに冷えているのは暑い国ではおなじみのことですが、日差し、湿気とダブルで効いてくるドバイの街中において近代的なモールやオフィスビルはまさに人工のオアシスでした。

過酷な自然環境ではあるが、人工のオアシス(ショッピングモール)を誰もが楽しむことができる。国家が国民・住民に対して、利益を還元している。これが夢の部分です。誰もがもっと進歩できる。生活をよくすることができると、未来に対する期待感があふれていると感じました。バージュ・カリファは映画「三丁目の夕日」の頃の東京タワーなのかもしれません。この夢があるから、多くの人が惹きつけられ、本当の意味の多様性が生まれています。

 

多様性

まるでスターウォーズの世界みたい!と思いました。

そう思った理由の一つは、想像以上に多様な国籍・民族の人たちで社会が構成されていること。そして、国籍で大体の職業が決まっていること。

  • タクシーの運転手はインド人かパキスタン人、英語のなまりと見た目で区別がつく
  • セキュリティはネパール人、傭兵の延長かな
  • レストランのフロアスタッフはフィリピン人、穏やかな微笑みが受けるのは世界共通なのかもしれない
  • 日本人に近い雰囲気のカザフスタン人のホテルスタッフ
  • インキュベーションセンターで議論している人たちは様々な人種のミックス
  • 金融街には、40℃越えの中、ブラックスーツにタイを閉めた金融人という種族がいる
  • UAE人は政府系の施設に行けば会える、イミグレーションで民族衣装が多いのは演出ではない。普段着を来たUAE人が多いだけだ

国籍や文化の異なる人が集まり、それぞれの立場や得意技を活かして社会を運営している。しかも、誰もが自分の状況の中で幸せを感じている、お互いがお互いを尊重している感じがした。職業に貴賎があるわけではなく、適材適所の役割があるだけだ。報酬が同じというわけではないが、街はきれいで、物価も安く、誰もが自分なりの文化的生活を楽しめている。そう感じた。

日本で多様性という言葉を使うときには、性別、年齢、日本人/外国人というキーワードがでるが、外国人という言葉が既に多様でない。日本とそれ以外を一括りにしているからだ。日本人はもっと世界のいろいろなことに対する解像度を上げなければと思いました。そして、自分自身も個としての魅力を上げないと通用しませんね。学歴、性別、人種、年齢、いろいろと取り払った時に自分に残る魅力は何か?Diversity & Inclusionの次代は多様性や受容性を上げることばかりが語られますが、その前提として魅力的な個人であることが大切ですね。まずは自分が好きな自分になりましょう!

 

自由、イノベーション

外部から人材を引き寄せ、最先端のいろいろな実験を自由に行える環境を提供する。それに資金も提供する。

訪問したDFA(Dubai Future Accelerators)では、21世紀にもっとも重要な機会をテーマとして多くのチャレンジを進めていました。それらはまさに社会システムにおける課題で、警察、自治体、エネルギーと水といったテーマでプロジェクトが組まれていました。今回は時間がなくて訪問できなかったのですが、アブダビ市近郊の砂漠地帯では、人口約5万人、面積約6.5km2の人工都市「マスダール・シティ」の建設が進んでいます。計画が延期され、2030年を目指すようですが、CO2排出量ゼロ、再エネによる究極のエコシティを目指す意欲的な計画です。ポスト石油社会を目指すという意味では、石油に頼るアブダビでこそ行う必然のある取り組みです。

もう少し近くの施策としては、アブダビ市の北東のサディヤット島の文化地区にルーヴル・アブダビ美術館が11月オープン予定です。本当は今回の視察の候補だったのですが、オープンが延期され、残念ながら建物の外観を見るだけになりました。この文化地区には高級リゾートやゴルフコース、ニューヨーク大学アブダビキャンパス等が誘致され、石油から文化へアブダビの魅力をシフトしようとする試みのようです。

 

まとめ

オイルマネー、世界一尽くし、金持ちの国という比較的短期の経済発展ばかりの国という印象でしたが、行ってみると、壮大な計画に基づく非常に長期的な視点で魅力づくりに邁進している国だと感じました。
その成功要因は、

  • 石油で得た投資をもとに地政学的に有利な位置を活かし、アジア、ヨーロッパ、アフリカをつなぐハブとなったこと。
  • 都市として機能するために必須となるの問題を解決し、むしろ強みとして打ち出したこと。
  • 貿易、観光での強みを究極的に打ち出し、の街を作ったこと。現在もその夢を広げ続け、夢を抱く人々を集め続けていること。
  • それにより、多様な人材を呼び寄せ、それぞれの得意を活かして、誰もが稼げる社会を生み出していること。
  • この自由度の高さを活かしてイノベーションに取り組んでいること

国家レベルでこの体制を築くのは、それこそ一朝一夕では不可能ですが、株式会社ドバイと考えれば、強力なトップダウン、外部人材の活用により成功している姿だと思います。

イノベーションを生み出したい企業の皆さん、一緒にドバイ視察に行きませんか?
まだまだ未開拓の地で、ビジネスチャンスを探しましょう!

Written by Tatsuya Yamada on 2017-10-02