祝日に考える 「ブレインストーミングのポイント」

今回は少し軽めのテーマでブレインストーミングのコツをお伝えします。軽めと言いましたが、実はブレインストーミングを上手く行うのは意外と難しいものです。皆さんは以下の問いにどう答えますか?
  • ブレインストーミングを行った事があるか?        YES / NO
  • ブレインストーミングから期待した成果を得られたか?   YES / NO
多くの方が一つ目の問いにはYES、二つ目の問いにはNOと答えるのでは無いでしょうか。やっては見たものの、上手く成果に結び付けられない。その原因は以下の二つです。
  • ブレインストーミングのテーマ設定・共有が不十分
  • ブレインストーミングから得られる成果を誤解している


ブレインストーミングのツールとしてはいろいろ有名なものがあります。せっかくなので、ここでおさらいしておきましょう。


先ずはオズボーンのチェックリスト。

    1. Other uses/別用途
    2. Adapt/適合
    3. Modify/変更
    4. Magnify/拡大
    5. Minify/縮小
    6. Substitute/代用
    7. Rearrange/再配列
    8. Reverse/逆転
    9. Combine/結合

そして、これを改変したSCAMPER法
    1. Substitute(入れ替えたら?)
    2. Combine(統合したら?)
    3. Adapt(応用したら?)
    4. Modify(修正したら?)
    5. Put to other uses(使い道を変えたら?)
    6. Eliminate(取り除いたら?)
    7. Rearrange/Reverse(並び替えたら?逆にしたら?)
更に原理原則として、
    • 結論に走らない、評価もしない
    • 笑われないかな~ぐらいのアイデアも歓迎する
    • 量より質を重視する
    • アイデアを結合される。自前に拘らない
さて、このチェックリスト、原理原則を見て何か気付くだろうか?
チェックリストは基本的にはアイデアを出す際の観点に過ぎない。違う用途に使えないか?例えば、女性用化粧品から男性用に展開できないか?というアイデアを引き出すためのものだ。また、原理原則はブレインストーミングの場の運営上気を付ける観点である。どちらも大事だが、ブレインストーミングの進め方と言って思い出されるのは、ここ止まりだろう。この状態でブレインストーミングを行うとどうなるか?ちょっと考えて見よう。
  • アイデアは出たけど、バラバラ過ぎて収集が付かない。
  • この後どうすれば良いのか?
  • そもそも何がやりたかったのか・・・
こうした事態に陥らない様にするためには、一つ目のポイントが重要になってくる。先ずはテーマをきちんと設定しよう。このテーマの抽象度はケースバイケースだが、適切かどうかの基準は参加者がそれについて考える事の意義を共有できているかどうかだ?素人を入れた方がアイデアの幅が拡がるので詳細を理解する必要は無いが、”考える事の意義”は十分に共有する必要がある。ここをしっかり行わないと参加者の力を発揮しきる事は出来ない。テーマを一旦はしっかり固定するが、その後は敢えて開放する。だから、いろいろな観点で考えられる様なチェックリスト、原理原則が重要になってくる。
二つ目のポイントは、ブレインストーミングから得られるのはアイデアに過ぎない、課題や解決策が直接得られる訳では無いという事だ。良くブレインストーミングの後に、「じゃぁ、この中からどれを選ぼうか?」となる場面があるが、これはアイデアに対して酷と言うものだ。アイデアは課題や解決策のかけら、生まれたばかりの赤ん坊に過ぎない。このかけら達を集めて、きちんとコンセプトまで組み上げれば成果につながる。アイデアを孤児にしない事が大切だ。
一つ目のポイントを押えれば、ブレインストーミングによるアイデアの質は改善される。
二つ目のポイントを押えれば、期待する成果を刈り取る事が出来る。
この二つのポイントを最初と最後に組み合わせたオリジナルの原理原則が以下だ。是非、活用してみて欲しい。
  1. テーマを共有する
    (ブレストと雑談を分ける最大のポイント)
  2. 結論ありきにしない
    (予定調和を防ぐ大原則)
  3. 素人考えを尊重する
    (発想を拡げる最強のブースター)
  4. 自前のアイデアに固執しない
    (自己のリミッターを外すための必須アイテム)
  5. アイデアを一人にしない、組合せてコンセプトにする
    (成果につなげる最重要ステップ)
アイデア出しの観点はいろいろある。二つのポイントを押さえた上で、好みやテーマに合せて手法を使い分けよう。
ちなみに、これでも上手く行かなかったら以下をチェックしてみて欲しい。実はここが問題だったりする事も多い。
  • 参加者が十分か(専門家~素人まで)
  • 時間が十分か(アイデアの蒸気が噴き出すまで、じっと待つ必要がある)
  • インプットが十分か(アウトプットの元はインプット、ゼロからは何も生まれない)
  • フォーカスが十分か(テーマが明確か、参加者は集中できているか)
Written by Tatsuya Yamada on 2013-03-19

交渉とは交換、そのためには・・・

 先日、交渉術のセミナーに参加した。
 今回はテストセッションだったので全貌を体感する事はできなかったが、非常に上手く構成されており有意義なものだった。自分の中での一番の気付きは”交渉”というもののとらえ方が変わった事、ビジネスに必要な交渉の一端が見えた事だった。
 ”交渉”というと皆さんはどんな場面を思い浮かべるだろうか?
 私はかなり偏った見方をしていて、何らかの訴訟問題や価格交渉、旅行の行き先を決める等、勝ち負けのイメージが強かった。実際の場面ではWIN/WINや第三のクリエイティブなソリューションを出すことを意識しているつもりなのだが、”交渉”という言葉を聞くと勝ち負けというイメージが浮かんでしまう。
 でも、改めて考えてみると、”交渉”の一番の目的とは勝つことでは無く適切なディールを成立させる事である。その結果として、比較的自分に有利な所に落ち着いたり、そうでなかったりする。こう定義すると”交渉”というものに、より建設的に良い意味で楽しく取り組めるのではないかと思う。
 当り前じゃないかと思われるかもしれないが、こうした言葉のイメージによるとらえ方の誤解は侮れない。当たり前の様に間違った行動を拡めている可能性があるからだ。
 規事業を興すには、様々な場面で交渉が必要になる。アップルのiTunesでの成功もレーベルとの交渉が決裂していたら在りえなかっただろう。勝つ負けるではなく、事業を前に進める事に何が必要かを常に考える必要がある。
 短期的には利害が相反する事もあるが、世界の変化に対して着いて行かなければいずれは自分の首を絞める事になる。自分が望まない方向に向かっているとしても、その中で何を得て行くか、そして、与えて行くかが大切だ。
交換MH900237479.JPG
 交渉というものを交換ととらえると分かり易い。つまり、自分が交換できる何かを持たない限り交渉のテーブルには着けないのだ。交渉の前に先ずは手持ちのカードを眺めて見よう。しっかりと棚卸する事が大切だ。自分に取っては大したことないものが、相手にとっての切り札になる事があるからだ。ここのプロセスを怠ると、安易に降りるかダメもとの挑戦になりかねない。
 それは有形でも無形でも構わない。起業家であれば将来への思いが一番の交換材料になる。しかし、自分にやれそう感がなければ、まだテーブルに着くべきではないのかもしれない。企業にとっては自社を魅力的にする事が一番の交渉材料(交換材料)になる。先ずはそこから始めるべきだ。
 個人にとっても同様だ。
 今後、人材の流動性は高まり、働き方は多様化してくる、仕事人生も長くなるだろう。
 就活生のみならず、自身の魅力を高めると共に、健全な交渉術を身に付けて行きたい。
 ちなみに私が参加したセミナーは英国スコットワーク社の交渉スキルトレーニングコースです。ご興味のある方は以下をどうぞ。
Written by Tatsuya Yamada on 2013-02-19

一年の計に習慣化を!

あけまして、おめでとうございます。
INDEE Japanも二期目を迎えました。
今年もより多くのスタートアップ支援に邁進し、
二年目のジンクスを吹き飛ばして行きます!
今年最初のコラムは、習慣化について考えて見ます。
一年の計は元旦にありと言う様に、何かを成し遂げようとする計画を立てるタイミングとして、元旦を動機付けに利用する方は多いでしょう。ここでいう計画は仕事におけるプロジェクト計画というよりも、個人の生活習慣の改善や、スキルアップというニュアンスのものが多いかと思います。元旦と言うのは、まさに新しい事に取組むための”きっかけ”です。しかし、一年に一度のチャンスを活かして、三日坊主に終わらせずに、きちんと改善やスキルアップまで繋げるには、誰もが苦労しているのではないでしょうか。
せっかくの”きっかけ”を活かして、習慣化し、改善やスキルアップまで繋げるにはどうすれば良いのでしょうか。
先ずは、習慣の定義から考えて見ましょう。ここでは習慣を以下の二つのアンドが取れた状態として定義します。
 1.自分が取組もうと選択した行動
 2.いつの間にか無意識で行っている行動
元旦という”きっかけ”は1.を促します。この機会に今年の取組を決める。ここまでは大丈夫。問題は次の”いつの間にか無意識で”が一朝一夕ではいかない所にあります。
無意識で行う所まで辿り着くには、二つのステップが必要です。
 2-1.実際に行動してみる
     (飴か鞭か、多少の強制力が必要)
 2-2.何らかのご褒美が得られる。
     (鞭だけでは習慣化はされずに、疲弊しながらの継続になってしまいます
      強制的に意識させられている状態で、無意識ではありません)
きっかけ→行動→ご褒美の6.jpg.png
この2-2.の部分での工夫が、習慣化するためのポイントになります。
最初の内は、ご褒美を得続ける事が必要ですが、強化サイクルが回る度に、ご褒美の必要性が薄れ、最後はご褒美無しでも行動が継続される様になります。習慣化を促すためには、この強化サイクルを回すための工夫が必要です。具体的には行動を促すためのどんなご褒美を設計するかという事です。

例えば、歯磨きの場合はどうでしょうか。きっかけは親から言われたり、歯医者さんに注意されたりという事かもしれませんが、爽快感もあるし、虫歯で痛い思いをしなくて済む。こういった事がご褒美になって、いつの間にか無意識で行う様になった方が多いのではないでしょうか。これがご褒美による強化サイクルです。
ついついいつも同じ店にランチに行ってしまう場合はどうでしょうか。これも最初は通りがかったり、友人に紹介されたり、クーポンをもらったりという事から始まり、美味しかった・値頃感があった・場所が便利という事から、いつの間にか行きつけになります。

これらの例は、結果的にご褒美があった場合ですが、改善やスキルアップのために自分が取組もうと選択した行動の場合は、意図的にご褒美を仕込んでおく必要があります。例えばダイエットならば新しい服、英会話ならば披露する場面を用意しておくといった事です。これだけでは成果を実感できるまで時間がかかるので、体重計の目盛を細かくする、ゲーム感覚で単語を覚えるといった工夫も必要です。

“1.きっかけ”だけでなく、”2-2.ご褒美”も合せて設計する。その通りなのですが、労力に見合った適切なご褒美が設定できないという事が難しさです。他に工夫のポイントは無いのでしょうか。

もう一度、歯磨きの場合を思い出してみてください。子供の頃、歯を磨いていた理由は、家族が磨いていたからではないでしょうか。人が持つ同調性は習慣化のためのもう一つのポイントになります。特にご褒美が得られにくい取組みの場合には、2-1.行動のステップでの工夫が有効です。一人でやる
より皆でやった方が長続きしますよね。

行動の結果としてのご褒美ではなく、行動そのものを継続し易い環境を造る工夫。
是非、習慣化を考える際に取り入れてみてください。

では、今年も宜しくお願いします。
Written by Tatsuya Yamada on 2013-01-04

自分のスタイルをつくる

 三つの輪での自己認識、やるべきorやりたい では、自分がやりたい事/やれる事/やるべき事を重ねる事でパフォーマンスを上げるというのがメッセージでした。今回はその続きとして自分のスタイルをつくる事ついて話します。
 皆さんは、「自分のスタイルをどのぐらい意識していますか?」、「仕事や生活の改善のために活用していますか?」、「また、スタイルという言葉の印象はどうでしょうか?」。自分のやり方に拘る事は何となくネガティブな印象に取られている事が多い気がします。自分の枠に嵌ってしまっているとか、いつものパターンに嵌って失敗してしまったとか。パターン自体には成功パターンと言うものもありますし、ポジネガ両方の場合に使えますが、ここでは概念を考え易くするために、ちょっと乱暴ですが、言葉の定義を以下の様にして考えます。
 スタイル:ポジティブ、自ら確立して行くもの
 パターン:ネガティブ、何となく今迄の経験で習慣化してしまっているもの
 スタイル、パターン
  =持って生まれたもの(タイプ)
    +後天的に身に付いたもの(ナレッジ、スキル、マインド)
 自分のスタイルはやりたい事(Will)とやれる事(Can)を考える上で役に立つ。
 やりたい事(Will)には大きく2つの要素がある。1つ目は物・事といったテーマ、海外に行きたい、ものを造りたい、車が好き、パソコンが好きといった取組む対象になるもの。やるべき事(Must)として与えられて、その内に自分の使命としてやり遂げたい事になっているテーマもある。2つ目がスタイル。いろいろなものを見たい、手に取って確かめたい、波風立てずに進めたい、きっちり計画的に進めたいといったもの。こちらはテーマに関わらず、どのように進めて行きたいかという自分の意思を込めたものである。
 やれる事(Can)は上のスタイルの式での後天的に身に付いたものがそのまま当てはまる。そして、持って生まれたものは身に付けるためのきっかけになるものとして影響してくる。自分のタイプに合っているから、自然とナレッジもスキルも身に付いてやれる事(Can)になっていく。
 テーマを見つけて、自分のタイプを活かして、ナレッジ、スキル、マインドを高めていく、そして、自分のスタイルとして確立して行く。アスリートが自身のパフォーマンスを維持するために自らに課すルーティンも同じ様なものだ。そう考えると自分のスタイルを持つことの効果が想像できるだろう。
 三つの輪での自己認識を用いたワークショップを行う中で、やりたい事(Will)に書かれるもので少し気になったがある。テーマに紐付いて意思(Will)を込めたスタイルになっているものと、単にのんびりしたい、安定したいといった、自分が心地良くなるための要素だけになっているものがある事だ。三つの輪の重なりでパフォーマンスを上げるという主旨なのだから、ここでは意思(Will)を込めたものを書いて欲しい。持って生まれたもの(タイプ)は認めつつも、言い訳としてそこに逃げない様にする必要がある。ここでの定義に沿って、タイプとスタイルを分けて考えて欲しい。
 やりたい事(Will)を考える上でのポイントは以下の3点だ。
 ・テーマを見つける
 ・タイプを認識する
 ・意思(Will)を込めたスタイルをつくる
 タイプを知る方法として Myers-Briggs Type Indicator (MBTI) というものがある。心理学者ユングのタイプ論をマイヤーズとブリッグスが発展させたタイプ論だ。診断テストを用いるが、あくまでも自分を知るためのきっかけであり、認定トレーナーが導くワークショップの中で、他者との違いを理解させながら自分のタイプを見極めて行く支援をするというスタイルだ。自分のスタイルをつくるためのベースとして、タイプ診断から始めるのも良いだろう。
Written by Tatsuya Yamada on 2012-11-23

「話をまとめる人」が実践する3つの習慣

仕事柄、色々な会合にでる機会が多いのですが、話がまとまらないケースが実に頻繁に発生します。同じ業界におり、同じ日本語をしゃべり、同じような関心事を持って集まっているにも関わらず、話は平行線。一向に話がまとまりそうにない。

そこで、議長やリーダーがしびれを切らして、自分と側近だけで決めると言い出す。それでは納得する人もいるはずもなく、会議で決まったはずのことも面従腹背。意識が合っていないので、上手くいくはずもないし、失敗すれば言いだしっぺの責任。いわゆる「梯子を外された」状態になってしまう。

一方で、彼に任せると「話がまとまる」という強者もいる。若くて経験も少ない割に、取り組むべきテーマが決まり、役割分担もしっかり決まる。すんなり、という訳ではないが、しっかり話し合った末に決まる。

業界のドンという言われるような人なら打てば響くように全員服従させることは可能かもしれない。こういった場合を除いて、新たな決めごとをする際には多少の軋轢は必要だ。少々の意見の相違はあるにせよ、話がまとまる時と決裂する時とではどのような違いがあるのでしょうか。

  • 責任を追及せず、原因を追究する
     誰々が悪い、○○省が悪い、などの批判に終始し相手と共感したとしても、協調する糸口は見つからない。話をまとめる人はどこがどのように問題なのか、という点を確認し合うようにしています。場合によっては、話し相手に原因があることがあるかもしれません。そのような場合、相手の責任を追及することなく、原因解消できるように話をまとめます。
  • 落とし所ではなく、ビジョンを共有する
     話がまとまらない人たちの会話を観察していると、相手の話も碌に聞く前から落としどころをお互いに探っている。ビジョンがなく、お互いの組織や立場の中間地点を探しあうだけだと、お互いに譲歩したような釈然としない結果になるだけでなく、本音で話していないため、話をまとめようという気がお互いに失せてしまいがちだ。
    相手の話に耳を傾ける必要があるのは、そのためだ。相手にとって何が良いのかを知るには、きちんと話を聞く必要があります。ビジョンというと、たいそうなもののように感じるかも知れませんが、共通の利害と言い換えても構いません。共通の利害でもっとも考えやすいのが、お互いに儲かる方法ということになります。
  • 文字通り話が「まとまっている」
     相手に何を期待し、どんなメリットがあるのかを絞った話ができるというのも、重要なことです。「何となく」はじまった集まりであっても、何かを決めていく際には論点を絞った話し方を心掛ける必要があります。さらに上記のビジョンや原因をきちんと相手に伝えるには、話がまとまっていなくてはいけません。ポイントを意識しないと、どうしても話がぼやけてしまいがちです。PREP法などを活用して、まとまった話を心掛けましょう。

Written by Shingo Tsuda on 2012-11-16