一年の計に習慣化を!

あけまして、おめでとうございます。
INDEE Japanも二期目を迎えました。
今年もより多くのスタートアップ支援に邁進し、
二年目のジンクスを吹き飛ばして行きます!
今年最初のコラムは、習慣化について考えて見ます。
一年の計は元旦にありと言う様に、何かを成し遂げようとする計画を立てるタイミングとして、元旦を動機付けに利用する方は多いでしょう。ここでいう計画は仕事におけるプロジェクト計画というよりも、個人の生活習慣の改善や、スキルアップというニュアンスのものが多いかと思います。元旦と言うのは、まさに新しい事に取組むための”きっかけ”です。しかし、一年に一度のチャンスを活かして、三日坊主に終わらせずに、きちんと改善やスキルアップまで繋げるには、誰もが苦労しているのではないでしょうか。
せっかくの”きっかけ”を活かして、習慣化し、改善やスキルアップまで繋げるにはどうすれば良いのでしょうか。
先ずは、習慣の定義から考えて見ましょう。ここでは習慣を以下の二つのアンドが取れた状態として定義します。
 1.自分が取組もうと選択した行動
 2.いつの間にか無意識で行っている行動
元旦という”きっかけ”は1.を促します。この機会に今年の取組を決める。ここまでは大丈夫。問題は次の”いつの間にか無意識で”が一朝一夕ではいかない所にあります。
無意識で行う所まで辿り着くには、二つのステップが必要です。
 2-1.実際に行動してみる
     (飴か鞭か、多少の強制力が必要)
 2-2.何らかのご褒美が得られる。
     (鞭だけでは習慣化はされずに、疲弊しながらの継続になってしまいます
      強制的に意識させられている状態で、無意識ではありません)
きっかけ→行動→ご褒美の6.jpg.png
この2-2.の部分での工夫が、習慣化するためのポイントになります。
最初の内は、ご褒美を得続ける事が必要ですが、強化サイクルが回る度に、ご褒美の必要性が薄れ、最後はご褒美無しでも行動が継続される様になります。習慣化を促すためには、この強化サイクルを回すための工夫が必要です。具体的には行動を促すためのどんなご褒美を設計するかという事です。

例えば、歯磨きの場合はどうでしょうか。きっかけは親から言われたり、歯医者さんに注意されたりという事かもしれませんが、爽快感もあるし、虫歯で痛い思いをしなくて済む。こういった事がご褒美になって、いつの間にか無意識で行う様になった方が多いのではないでしょうか。これがご褒美による強化サイクルです。
ついついいつも同じ店にランチに行ってしまう場合はどうでしょうか。これも最初は通りがかったり、友人に紹介されたり、クーポンをもらったりという事から始まり、美味しかった・値頃感があった・場所が便利という事から、いつの間にか行きつけになります。

これらの例は、結果的にご褒美があった場合ですが、改善やスキルアップのために自分が取組もうと選択した行動の場合は、意図的にご褒美を仕込んでおく必要があります。例えばダイエットならば新しい服、英会話ならば披露する場面を用意しておくといった事です。これだけでは成果を実感できるまで時間がかかるので、体重計の目盛を細かくする、ゲーム感覚で単語を覚えるといった工夫も必要です。

“1.きっかけ”だけでなく、”2-2.ご褒美”も合せて設計する。その通りなのですが、労力に見合った適切なご褒美が設定できないという事が難しさです。他に工夫のポイントは無いのでしょうか。

もう一度、歯磨きの場合を思い出してみてください。子供の頃、歯を磨いていた理由は、家族が磨いていたからではないでしょうか。人が持つ同調性は習慣化のためのもう一つのポイントになります。特にご褒美が得られにくい取組みの場合には、2-1.行動のステップでの工夫が有効です。一人でやる
より皆でやった方が長続きしますよね。

行動の結果としてのご褒美ではなく、行動そのものを継続し易い環境を造る工夫。
是非、習慣化を考える際に取り入れてみてください。

では、今年も宜しくお願いします。
Written by Tatsuya Yamada on 2013-01-04

自分のスタイルをつくる

 三つの輪での自己認識、やるべきorやりたい では、自分がやりたい事/やれる事/やるべき事を重ねる事でパフォーマンスを上げるというのがメッセージでした。今回はその続きとして自分のスタイルをつくる事ついて話します。
 皆さんは、「自分のスタイルをどのぐらい意識していますか?」、「仕事や生活の改善のために活用していますか?」、「また、スタイルという言葉の印象はどうでしょうか?」。自分のやり方に拘る事は何となくネガティブな印象に取られている事が多い気がします。自分の枠に嵌ってしまっているとか、いつものパターンに嵌って失敗してしまったとか。パターン自体には成功パターンと言うものもありますし、ポジネガ両方の場合に使えますが、ここでは概念を考え易くするために、ちょっと乱暴ですが、言葉の定義を以下の様にして考えます。
 スタイル:ポジティブ、自ら確立して行くもの
 パターン:ネガティブ、何となく今迄の経験で習慣化してしまっているもの
 スタイル、パターン
  =持って生まれたもの(タイプ)
    +後天的に身に付いたもの(ナレッジ、スキル、マインド)
 自分のスタイルはやりたい事(Will)とやれる事(Can)を考える上で役に立つ。
 やりたい事(Will)には大きく2つの要素がある。1つ目は物・事といったテーマ、海外に行きたい、ものを造りたい、車が好き、パソコンが好きといった取組む対象になるもの。やるべき事(Must)として与えられて、その内に自分の使命としてやり遂げたい事になっているテーマもある。2つ目がスタイル。いろいろなものを見たい、手に取って確かめたい、波風立てずに進めたい、きっちり計画的に進めたいといったもの。こちらはテーマに関わらず、どのように進めて行きたいかという自分の意思を込めたものである。
 やれる事(Can)は上のスタイルの式での後天的に身に付いたものがそのまま当てはまる。そして、持って生まれたものは身に付けるためのきっかけになるものとして影響してくる。自分のタイプに合っているから、自然とナレッジもスキルも身に付いてやれる事(Can)になっていく。
 テーマを見つけて、自分のタイプを活かして、ナレッジ、スキル、マインドを高めていく、そして、自分のスタイルとして確立して行く。アスリートが自身のパフォーマンスを維持するために自らに課すルーティンも同じ様なものだ。そう考えると自分のスタイルを持つことの効果が想像できるだろう。
 三つの輪での自己認識を用いたワークショップを行う中で、やりたい事(Will)に書かれるもので少し気になったがある。テーマに紐付いて意思(Will)を込めたスタイルになっているものと、単にのんびりしたい、安定したいといった、自分が心地良くなるための要素だけになっているものがある事だ。三つの輪の重なりでパフォーマンスを上げるという主旨なのだから、ここでは意思(Will)を込めたものを書いて欲しい。持って生まれたもの(タイプ)は認めつつも、言い訳としてそこに逃げない様にする必要がある。ここでの定義に沿って、タイプとスタイルを分けて考えて欲しい。
 やりたい事(Will)を考える上でのポイントは以下の3点だ。
 ・テーマを見つける
 ・タイプを認識する
 ・意思(Will)を込めたスタイルをつくる
 タイプを知る方法として Myers-Briggs Type Indicator (MBTI) というものがある。心理学者ユングのタイプ論をマイヤーズとブリッグスが発展させたタイプ論だ。診断テストを用いるが、あくまでも自分を知るためのきっかけであり、認定トレーナーが導くワークショップの中で、他者との違いを理解させながら自分のタイプを見極めて行く支援をするというスタイルだ。自分のスタイルをつくるためのベースとして、タイプ診断から始めるのも良いだろう。
Written by Tatsuya Yamada on 2012-11-23

「話をまとめる人」が実践する3つの習慣

仕事柄、色々な会合にでる機会が多いのですが、話がまとまらないケースが実に頻繁に発生します。同じ業界におり、同じ日本語をしゃべり、同じような関心事を持って集まっているにも関わらず、話は平行線。一向に話がまとまりそうにない。

そこで、議長やリーダーがしびれを切らして、自分と側近だけで決めると言い出す。それでは納得する人もいるはずもなく、会議で決まったはずのことも面従腹背。意識が合っていないので、上手くいくはずもないし、失敗すれば言いだしっぺの責任。いわゆる「梯子を外された」状態になってしまう。

一方で、彼に任せると「話がまとまる」という強者もいる。若くて経験も少ない割に、取り組むべきテーマが決まり、役割分担もしっかり決まる。すんなり、という訳ではないが、しっかり話し合った末に決まる。

業界のドンという言われるような人なら打てば響くように全員服従させることは可能かもしれない。こういった場合を除いて、新たな決めごとをする際には多少の軋轢は必要だ。少々の意見の相違はあるにせよ、話がまとまる時と決裂する時とではどのような違いがあるのでしょうか。

  • 責任を追及せず、原因を追究する
     誰々が悪い、○○省が悪い、などの批判に終始し相手と共感したとしても、協調する糸口は見つからない。話をまとめる人はどこがどのように問題なのか、という点を確認し合うようにしています。場合によっては、話し相手に原因があることがあるかもしれません。そのような場合、相手の責任を追及することなく、原因解消できるように話をまとめます。
  • 落とし所ではなく、ビジョンを共有する
     話がまとまらない人たちの会話を観察していると、相手の話も碌に聞く前から落としどころをお互いに探っている。ビジョンがなく、お互いの組織や立場の中間地点を探しあうだけだと、お互いに譲歩したような釈然としない結果になるだけでなく、本音で話していないため、話をまとめようという気がお互いに失せてしまいがちだ。
    相手の話に耳を傾ける必要があるのは、そのためだ。相手にとって何が良いのかを知るには、きちんと話を聞く必要があります。ビジョンというと、たいそうなもののように感じるかも知れませんが、共通の利害と言い換えても構いません。共通の利害でもっとも考えやすいのが、お互いに儲かる方法ということになります。
  • 文字通り話が「まとまっている」
     相手に何を期待し、どんなメリットがあるのかを絞った話ができるというのも、重要なことです。「何となく」はじまった集まりであっても、何かを決めていく際には論点を絞った話し方を心掛ける必要があります。さらに上記のビジョンや原因をきちんと相手に伝えるには、話がまとまっていなくてはいけません。ポイントを意識しないと、どうしても話がぼやけてしまいがちです。PREP法などを活用して、まとまった話を心掛けましょう。

Written by Shingo Tsuda on 2012-11-16

コミュニケーションの原理原則 2

前回はコミュニケーションの原理原則についてご紹介した。

この現実を理解した上で、下記の3ステップでコミュニケーションを行えばその成果を大きく高められる。

  ①目的の共有
  ②前提知識の共有
  ③本題の共有

つまり、話の本題に入る前に必ず①、②のステップを踏むということである。この2つのステップについて簡単に説明する。

【目的の共有】
まずなぜ話を聞いてもらいたいか?自分は何を聞き手に提供することができるのか?なんのために議論を行うのか?という目的の共有から始めないといけない。これこそがそもそもの聞き手の”興味”を引くために不可欠な要素である。これがうまくいけば、コミュニケーションのハードルの50%はクリアしたと行っても良い。

実際この行為は簡単なようで簡単ではない作業である。話の途中や会議の途中で、聞き手から”なるほど今日の目的はそういうことね”という発言を何度も聞いた経験はないだろうか。

【前提知識の共有】
毎日どれだけ同じ時間を過ごしていても、伝えたい本題のテーマを理解するために必要な前提知識が同じということはありえないという前提からスタートしなければならい。さらに実際は年齢、専門、性別、国籍、そしてなりより、その瞬間の”興味”など、複雑性が高まる要素が加わる。

伝える相手の立場に立ってみて、前提知識として何を補う必要があるかを想定してみることである。例えば、下記のような内容である。

 ・共通言語となる例え話
 ・本題に関する制約条件
 ・本題を理解するために不可欠な今までの経緯

ではこの3ステップを具体的な場面に当てはめて考えると下記のような組み立てが考えられる。

・参加者(聞き手)の多くが初見の場合
 
  ①目的の共有
  ②自己紹介
     →単なる自己紹介だけでなく、本題に関連するエピソードを含む
  ③本題

・前回からの継続議論

  ①目的の共有
  ②前回の議論のポイント振り返り
  ③議論

・専門が異なるメンバー間

  ①共通の目的の設定
     →利害が異なる部門が集まる場合、一つ視座を高めた共通の目的を設定する
  ②共通言語の構築
     →フレームワークや、情報の整理方法などメンバーの思考を整えるものを設定する
  ③議論

特に日本語は英語と比較してハイコンテクスト、ローコンテンツと言われるように、同じ言葉から想起される理解のばらつきの幅が大きくなる。日常における”言った言わない”の原因の殆どは、この認識のばらつきによるといって間違いないと考えている。

つまり深くない間柄の日本人同士のコミュニケーションでは、一段と上記のステップが不可欠になる。これを個人として、そしてチームとして習慣化できれば確実にコミュニケーション齟齬は減っていく。是非習慣化していただきたい。

Written by Tatsuro Tsushima on 2012-11-10

コミュニケーションの原理原則?!

私は恐らく昔からコミュニケーションという領域に人一番感度が高かったであろうことに30歳前後で気づかせてもらった。そのきっかけはコンサルティングという業界に入り、他人に情報を伝え、さらには行動に移していただくという仕事を生業にし始めたことにあると思う。

“人に新たな行動を促す”というコミュニケーションゴールに至る方法を必死に考え、実践するという試行錯誤を通す中で、自分のコミュニケーションスタイルには多くの実践知と言える暗黙知があり、多くの人々はそれを実践できていないことに気づくことができた。現在は意識するしないに関わらず、常にこの原理原則に従うことができるようになった。その結果、ある条件さえ満たせば、どんな人にも自分の伝えたいことを伝えることができると自信を持って言える。逆にこの条件を満たせなければ、どんな簡単な事も伝えられないと思えるようになった。この原理原則を身につけることは、多くの事を伝えられるようになることだけでなく、伝わらない事を諦められるようになるという実は伝えることと等しく重要な気づきを与えてくれる。今回はこの実践的な原理原則をご紹介したいと思う。

コミュニケーション力をより、日本語のニュアンスで”伝える力”と定義すると、私は下記の3つの要素に分解できると考えている。

コンテンツ × プロセス × 情熱

まずコンテンツとは、伝えたい内容の力。タイムリーな話題やサプライズネタ、理解を補う情報などはこのコンテンツがもつ力。次にプロセスとは、伝え方の巧妙さ。伝える順番やストーリーなどのスキル的な要素。そして最後に情熱とはそれを伝えたいと思う話し手の内なる力。この3要素の掛け算によって”伝える力”は支配されている。

ここまでは何となく理解していただけると思う。それぞれの一つ一つの要素は、皆様が普段から意識していることそのものではないだろうか。次に考えていただきたいのは、この3つの要素を駆使して何に対応するかということである。

それこそが普段伝わらない感に悩んでいる方々には抜け落ちている事が多い要素であり、コミュニケーションの成否を握っている最大の鍵になる。それは、

 聞き手の(興味)

である。つまり、

 人は自分が興味があることしか聞かない

言い換えると、

 聞き手の興味を引きつけられないことは伝わらない

これこそがコミュニケーションにおける原理原則である。これは人間の五感すべてに当てはまることでもあり、認知科学の分野でも明らかになっていることでもある。人は意識的に見たくないものは見えなくできるし、聞きたくないことは聞こえなくできる。それは視界に入っていても、音として耳に入っていても意識的に情報を取捨選択できことを意味している。これは日常的に誰もが体感している事実であるにも関わらず、なぜかコミュニケーションという領域になったとたんに忘れ去られてしまう。なぜか自分が言ったことは、すべて聞いてもらえていると過剰にポジティブ?!になってしまう。

さらに伝える力の影響力に時間軸をつけると、その場で理解してもらうだけでなく記憶として脳内に留めていただく必要がある。こうなるとさらに”興味”という要素が不可欠になることは、実感としてもご理解いただけるのではないかと思う。

では具体的に何をするか?であるが、前述の”伝える力”の3要素を駆使して、

 聞き手の興味を引きつける

努力をすることである。会議やプレゼンテーションというシチュエーションで重要な点として、”場づくり”という言葉を使われることは多いと思う。この”場”とは無形なものであり、実体が分かりにくいものではあるが、場をつくるとは私は参加者の”興味をつくる”ということと置き換えることができると考えている。これは一対一でも一対多でも同じである。聞き手に聞くための準備を話し手が促すことである。

日常的なTipsを例で示すと話のうまい方の多くは、”枕詞(まくらことば)”を多用していることに気づくのではないかと思う。例えば、

① **さんって**が好きでしたよね?実は・・・
② 最も重要なポイントを一つ挙げるとしますと・・・
③ もうめちゃくちゃ感動した事があるんだけど・・・

これらはどれも典型的ものであるが、①はコンテンツとして相手の興味のあるテーマを選んでいる、②はプロセスとして興味をひくための工夫をしている、③は情熱の要素に着目した枕詞である。そして、長いストーリーになると、これらを複合的に使って興味を引き続けられなければ、伝えたいことは伝えられていないと思わなければならない。

コミュニケーションとは聞き手の思考や意識、心理状況と話し手がシンクロできたときに最大のパフォーマンスを発揮する

ここに、初対面同士では伝わりにくく、長く深いつきあいになればなるほど以心伝心ができるようになる本質がある。つまり、コミュニケーションのパフォーマンスを高めるためには聞き手に応じてこれら3つの要素をうまく使い分けていかなければならない事は容易に想像いただけると思う。

コミュニケーションのパフォーマンスを高めるための本質は、”聞き手の興味は何か?”という問いに対する答えを見つけることである。

次回は日常的に良くある様々なシチュエーションにおける具体的な応用例を考えてみたいと思う。

Written by Tatsuro Tsushima on 2012-09-27