T型 π型

Written by 津田 真吾 on 2012-08-24

人材育成というのは、永遠のテーマですね。どこに行っても課題として挙げられています。個人レベル、部門レベル、企業レベル、国家レベル、で必ず話題に挙がります。国家レベルで言うと、文部科学省ではサービス・イノベーション人材育成推進プログラムのほか、いくつかの産学連携による高度人材育成に関する制度を用意しています。グローバル化や日本経済の停滞を背景に、新たな事業を生み出すような人材、とりわけイノベーション人材を求め、育成しようと試みています。
このように政府が取り組んでいるのを見ると、イノベーション人材の姿やどうやって育てれば良いのか、あたかも正解があるかのように感じてしまいますが、そんなものはありません。あったら誰も苦労しません。わかっているなら、第二の本田宗一郎さんや井深大さん、松下幸之助さんがもっと登場してもいいはずです。
このような偉大な起業家たちは、それぞれに個性的で、それぞれに異なる道筋で成功を築きました。そのため、人材育成というと、本当に捉えどころのないもののように感じてしまいます。
一人一人の個性や適性を活かしながら、人材を育成する際に一つのモデルとなるのが、「T型人間」「π型人間」です。アルファベットのTの横棒は幅の広い教養や能力、縦棒は深い専門性を指します。πだとさらに2つ目の専門領域を持っていることを指します。
 
なぜ専門性と幅広い教養や能力の両方が重要なのかというと、いくつかの理由が考えられます。

    • 専門知識だけでは、世の中の多くの人にその価値を伝えられないため
    • 薄く広くだけでは、真似されやすく優位性を保ちにくいため
    • 一つひとつの専門領域は代替技術の登場などにより廃れることもあるため
    • 異なるアイデアを結合(新結合)した際にイノベーションが生まれるため
    • 一つの専門領域を深めると、そのアナロジーを活用して応用範囲が広がるため
    • 科学技術の進歩とともに各専門領域は広がりを見せており、それらを統合することが困難になっているため
    • 多様性を増している社会に対する理解の幅と深さの両面が求められているため


このように、人材育成は個別の能力や知識だけでは語れません。まっすぐに専門性を高めながらも、幅広く好奇心を持ち、違う領域の人と交流したり、与えられた仕事を枠を超えて取り組んでみたり、専門知識が他の分野で応用できないか考えてみたり、といったことが大切になってきます。さらには、井深さんが心がけていたような「誰もやらないこと」をやり遂げるために必要な試行錯誤力も重要です。誰もやったことがないことというのは、言い換えると失敗して当たり前。そのような失敗を失敗として受け止めずに前に進むことができる力は必要な資質です。つまりは人の成長は取り組む姿勢、いわゆる行動特性をいかに鍛えるか、という点にかかっていると言っても過言ではないでしょう。
このようにチャレンジをし続けるとともに、失敗からも学ぶ姿勢をもってすれば、成長の速度そのものが加速されます。そもそも新しいことに取り組んでいきたいわけですから、誰も知らないことに対して学びの速いことが重要な要件になります。つまり、単に計画を立てたり、計画に従って実行するだけでなく、計画を立てながら細かく見直していく高速仮説検証プロセスを受け入れやすい体質にしていく。同じ時間でより多くの仮説を検証し、学んでいく力そのものを育成したいものです。
となると、周りができることは、事実ではなく仮説を披露してもらうこと、異分野や他業種との接点を増やすこと、チャレンジそのものを評価すること、実績ではなく可能性を評価すること、そしてチャレンジを応援すること。

二つのパラダイム

Written by 津田 真吾 on 2012-08-03

こちらの記事ではSカーブと普及プロセスを「スーパーカー消しゴム」の流行を通じて見てみましたが、他のものでも同じようなプロセスなのでしょうか?

実は内閣府では、主な耐久消費財の世帯普及率などのデータを公表しています。テレビや冷蔵庫などは「三種の神器」などと言われ、国民の生活を大きく変えました。このような文明の利器がどこまで行き渡っているのかを調査しています。今当たり前になっているこれらの工業製品は、発明された後、10年という単位でS字を描いて各家庭に広まった様子がわかります。

現在のテレビは薄型が中心で、テレビ番組を見ることができるというのは当たり前。価格、品質や消費電力、デザインやブランド名などが買う時の判断基準になっているのではないでしょうか。ネット通販で一円でも安く買うという方がいる一方で、ソニーファンだからソニーのテレビを買うという人も少なくありません。薄型テレビが一般的になった現在、メーカー側の性能や機能はほぼ横並びになると同時に、買い手もテレビが身近なものとなります。身近になることで、さまざまな知識も蓄積され、判断基準も人それぞれ持つようになります。

しかし、テレビが登場した黎明期はどうでしょう。価格で選ぼうにも選択肢は少なく、品質といっても何と比べて品質を語るのかも分かりません。簡単に言うと「映ればいい状態」です。この黎明期においては、顧客が誰なのかも仮説に過ぎず、どんな品質が求められるかもはっきりと定義できません。つまり、顧客、品質、性能などあらゆる事が漠然としている状態です。

「映ればいい状態」が過ぎると、数社からテレビが発売され、品質や性能など他の基準で選ばれるようになります。(テレビの場合、国産であるというのは大きなセールスポイントだったようです)。需要も伸び、生産能力も重要になってきます。魅力的な市場に参入する競合も増え、品質や性能にしのぎを削ります。この時期を経験した日本のメーカーは大量生産と高品質を両立することに成功し、世界を席巻しました。いずれ差別化しにくくなると、製品イメージやデザイン、「使いやすさ」といったユーザ一人ひとりの感性を重視する戦略をとるのが一般的です。成熟期には顧客が誰なのか比較的はっきりしているため、このような戦略もとることができます。つまり、性能や品質の基準や顧客を定義することができ、効率的に物事を進めることができます。

黎明期と成熟期ではこのようにパラダイムが異なります。にもかかわらず、まったく新しい機能を持った製品を普及させようとしているのに、品質の高さを訴えたり、価格の安さを訴えたりするケースを見かけます。クレイトン・クリステンセンはこのように成熟期にある企業の成功体験がイノベーションを阻害することを「イノベーションのジレンマ」と呼びました。黎明期に成熟期のルールを持ち込み、判断することの危険は多くの場面に潜んでいます。

Sカーブは一見ひとつの曲線に見えますが、二つの違う世界をつないでいるに過ぎません。黎明期のイノベーションという世界は、その世界の全貌が見えていない世界です。例えると、新大陸を発見する前の世界。これまで行ったことのないフロンティアをひたすら探す旅です。もう一つの成熟期のオペレーションという世界は、多くの基準がはっきりしている世界です。これらの基準に照らし合わせて、効率的に進めるべき世界。新大陸が見つかった後、多くの船や人を運ぶことが勝負を決めます。今自分たちはどのパラダイムにいるのかという問いから考え、やるべきことを決めることが鍵になります。

普及のSカーブ

Written by 津田 真吾 on 2012-07-13

前回、Sカーブを活用することで、新しいアイデアや技術を効果的に普及させることができるというお話をしました。このSカーブについてもう少し考えてみましょう。
 
スーパーカー消しゴムに見る普及プロセス
皆さんの学校でも流行ったかも知れません。私の通っていた中学ではスーパーカー消しゴムが流行を見せました。最初に遊び始めたのはオタクです。当時はそんな言葉はありませんでしたけど。彼らはクラスの主流派ではないものの、新しいアニメやプラモデルをクラスに持ち込むなどして、男子の遊びをいつも提案していました。もちろん、多くの遊びはクラスに受け入れられず、いわゆるオタクのようにマイナーな遊びに興じていました。しかし、スーパーカー消しゴムの場合は、一大ブームを呼んだのです。
ばねタイプのボールペン(BOXYです)のお尻で弾く遊びがそのきっかけでした。パチンとペン先をしまう動作で、ペンのお尻が飛び出し、それで消しゴムを弾く。これを参加者が順番に繰り返し、机に筆箱や定規を並べたコース上を競争。勝ち負けも絡んで盛り上がりました。今書いていても、休み時間を常に楽しみにしていたことを思い出します。このように盛り上がり始めると、当初オタクチームとは距離を置いていた女の子やスポーツにしか興味がない男子もゲームに参加します。もはやクラスは団結し、独自の正式ルールができ、大会まで開かれる始末。
皆さんの学校でも流行ったかもしれませんが、この流行のプロセスはどこでも基本的には同じなのではないでしょうか。

いくつかの集団に分けて普及プロセスを見ていきましょう。

  • 一番はじめに消しゴム遊びを持ち込んだ人たちはスーパーカーが好きなマニアでした。イノベーターと呼ばれる初期2.5%の人たちです。イノベーターはクラスに受け入れられるかどうかはあまり気にせず、新しいものにチャレンジします。
  • 次の集団はアーリーアドプターと言われています。スーパーカー消しゴムにゲームとしての一味を加えました。単なる「消しゴム」であれば、多くの人の賛同を得にくいということを直感的に知っています。彼らはオピニオンリーダーとも言われ、顔が広いため、イノベーターと付き合いがあるだけでなく、それ以外の普通の人たちとも交流します。イノベーターの次に新しいアイデアを取り入れる13.5%の人たちに相当します。ここまでで、累積16%の人たちになります。ジェフリー・ムーアはこの16%の線を『キャズム』と呼び、技術が普及するための大きなハードルであると言っています。このキャズムを超えなかった技術は多く、逆にこれを超えることで新しい技術は自然に広がるようになります。
  • 新しいゲームとしての提案があったため、スーパーカー消しゴムはキャズムを超え、次のアーリーマジョリティに取り入れられました。アーリーマジョリティは「普通の人」と言っても良いかも知れません。別段スーパーカーが好きなわけでもない。でも、自然に短い休み時間でもクラスで盛り上がれるゲームとして楽しめる。そんな理由で参加します。単に観賞し、集めるための消しゴムであれば、こういう人たちは興味を持つことなかったかもしれません。
  • レイトマジョリティはクラスの半数が遊ぶようになってから参加します。最初は無駄な遊びとして懐疑的に見ていた集団も、さすがに半数の人たちがスーパーカー消しゴムを買って遊ぶようになると、買って参加します。この人たちにとっては「普通」が心地よいのです。
  • クラスの大半がスーパーカー消しゴムで盛り上がっていても、冷ややかに見ている最後の集団はラガードです。ブームが去るまで参加しないかも知れません。ラガードは伝統を重んじ、変化を嫌うため、授業の合間にはいつも決まったことをして過ごしている可能性が高いです。

このように、それぞれの集団は異なる価値観や論理を持っています。現時点で市場の何%に普及しているかを考えることで、次はどういう人にどのようにアプローチをすればいいか見えてきます。特に、アーリーアドプターとアーリーマジョリティの間には”キャズム”と呼ばれる深い谷があると言われ、アーリーアドプターは採用してもアーリーマジョリティには普及しにくいという特性を持っています。つまり、受け手の価値観や判断基準が大きく異なるため、コミュニケーションの仕方やメッセージを変えながら普及させることが重要になります。良いモノは一部の人のおもちゃにしておくのはもったいないですから。

タイムマシンとどこでもドア

Written by 津田 真吾 on 2012-06-22

日本企業は技術があるのに、国際競争に負ける。
良いモノを作っていれば売れる、と思っていたが、そんなに甘くない。
欧米に先駆けて技術を確立したのに、標準化が下手。
最近の日本企業を取り巻く悲観的な声はこんな感じでしょうか?
タイムマシン
では良い技術や、良いモノ、進んだ技術とは何でしょうか?
この答えは過去の歴史を見ると見えてきます。例えば、ルネッサンスの三大発明。火薬、羅針盤、活版印刷。いずれもこの時代にヨーロッパが世界の中心となったきっかけとなる道具です。なぜ「大」発明なのかというと、普及し、時代を象徴するほど歴史を変えたからと言うことができます。この時に発明された3つの技術は、ルネッサンスに花開き、人々に大きな影響を与え、受け継がれてきました。今でも、私たちの生活に当たり前のものとして存在しています。
普及して定着したから大発明というと、一見逆説的に感じるかも知れませんが、実はダーウィンの進化論にも同じような説明があります。たくさんある突然変異のうち、環境に適合し絶滅せずに生き残った結果が「進化」であるという見方です。ダーウィン以前の見方は、生物が環境に応じて成長した結果が、現在の生物であるというものでしたので180度異なった考え方になります。しかし、特定の閉ざされた環境に存在するガラパゴス諸島の動物たちを見たダーウィンは、そもそも多様な生物は一時存在するが、その環境にとってマッチする生物だけが絶滅を免れるという進化論を唱えました。生き残ったかどうかが、「単なる突然変異」と「進化」を分ける、と言うと良いかも知れません。
ビジネスの世界に当てはめると、突然変異に相当するのが、一つ一つの発明や技術、環境に相当するのが市場、となります。もし、未来の市場をタイムマシンで覗くことができたなら…
勝つ技術を選択し、それに賭けることができると思いませんか?
どこでもドア
実は、先ほど例に挙げた三大発明の原型は中国にあったと言われています。なのに、三大発明を完成させ、フルに活用し、世界の覇者となったのは西欧諸国だったというのも着目すべき点です。タイムマシンが仮にあっても、中国だけを見ていたのでは三大発明はするりと手からこぼれ落ちてしまいます。
活版印刷はヨーロッパという土地柄があって、はじめて日の目を見ることになります。当時の裕福な権力者には聖書を大量に複製したいニーズがあり、アジアの言語と比べるとアルファベットは文字数も少なく取り入れる際のハードルも低かったという事情が後押ししました。その結果、中国ではなくヨーロッパで広がることになったのです。
可能性のある技術を”どこでもドア”を使って、いろんな所で試すことができたなら…
その技術は市場にとって価値のある形に成長しながら、きっと普及するのではないでしょうか?
もちろん、タイムマシンもどこでもドアも(今は)存在しませんね。
では、どうしたら良いでしょうか?
時間移動については、未来を想像し、その未来から遡って今を見るしか当分できなさそうです。しかし、空間移動についてはどこでもドアほどは簡単ではないにせよ、世界中を移動することが可能になっています。とはいえ、移動に必要な時間は限られています。その限られた時間でどこを市場とみなして新しい技術を持ち込んだら良いでしょうか?そのヒントを与えてくれるのが、E.M.ロジャースが発見した普及曲線、つまりSカーブです。イノベーションがSカーブ上のどこにいるのかを把握することで、どういう市場を探るべきなのかを示唆してくれます。

アップル型とダイソン型 ~イノベーションの2つの型~

Written by 津田 真吾 on 2012-06-01

イノベーションという言葉はかなり使われ、一般的になったと言えます。しかし、イノベーションとは何かを考えるうえで、2つの代表的な例を挙げて考えてみたいと思います。

まずは、イノベーションと言えば、誰もが連想する iPad の例を考えてみましょう。誰もが「欲しい」と意識する前にアップル社が創り、発売されるとともに「こんなものが欲しかった」と多くの人の心を掴む製品の代表です。「何ができるのか」「何が優れているのか」ということは、あまり説明することなく、直感的に消費者は買います。私自身、製品の説明を買う前に注文し、発売と同時に買いました。「こんなものが欲しかった」の裏には、製品が具体的に示される前に、明確なニーズは存在せず、具体的に製品が示されることによって初めてニーズが生じるという気持ちがあります。消費者にこのニーズを作らせるのが「アップル型」のイノベーションです。

つい、「ニーズ」と聞くと、ユーザに聞こう!ということになります。もし、iPadの開発のためにパソコンユーザにニーズを聞くと、「安くして欲しい」「動画を早く見たい」「壊れないようにして欲しい」などと言ったパソコンの不満がいっぱいでてきます。このニーズは買い替えのニーズに過ぎません。また、パソコンを使っていない人にどんなパソコンが欲しいかと尋ねたとしても、「パソコンみたいに難しいものは欲しくない」などと言った意見がかえってくるかと思います。すると「インターネットボタン付き」のような簡単機能を取り付けることになるかもしれませんし、最悪、やっぱり需要はなかった、ということで開発はストップ、という話も珍しくはないでしょう。つまり、パソコンの不満点をいくら解消しても、iPadにはならないんです。iPadの凄いところは、既にパソコンも携帯も持っている人が追加で買ったり、それまでにインターネット接続できなかった人が買ったりしている点です。本当に需要を創出しています。私たちの周りにも、年老いた両親とメールやテレビ電話をするためにiPadをプレゼントしたという話が沢山あります。

多くの日本企業が今、苦しんでいるのは、「アップル型」のイノベーションを見せつけられているからではないでしょうか?「こんなものが欲しかった」と消費者に言わせられる企業がいる反面、自社ではまったくできておらず、策を沢山打つ。そんなアイデアはそう簡単には出ないため、策の多くはどうしても既存製品のテコ入れということになってしまいます。結局、不満点の解消や他社と劣っている点の改善となり、良くて買い替え需要の取り込みができる程度。その間にジリジリと企業体力が衰え、「選択と集中」というキーワードが社内で流行るようになります。

スティーブ・ジョブスはどこにでもいる訳ではありません。しかも、社長兼デザイナー兼エンジニア兼アントレプレナーみたいな人は、大企業においては育つことも期待できません。仮にそのような企画が社内で生まれたとしても、なかなか理解されず消えたとしても不思議はありません。大抵のものが揃う時代なので、「アップル型」が生まれないという問題は、日本に限らず世界中の企業の悩みなのです。そのため、それほど悲観することもないのではないでしょうか。各国で起業家や起業家精神を育てるためのさまざまな施策を打っているように、先進国共通の問題なのです。

そのなかで、実は日本人にとってもったいないのは「ダイソン型」のイノベーションがあまり起きていないことではないかと思います。ダイソンは掃除機や扇風機など、もうこれ以上の技術革新ができないと思われていた製品に新しい風を吹き込みました。羽根のない扇風機は、子供がいても安全で、日ごろの掃除が楽。フィルタやごみパックのない掃除機は、手入れが楽でいつも安定した吸引力を保ちます。

このように、ダイソンは普通の製品をより良くしているだけなのです。日本人が得意なはずの不満の解消をやっています。ところが、扇風機に羽根があることや、掃除機のゴミが溜まればその分、吸い込み力も下がる点に不満を感じることができるでしょうか。扇風機に羽根があることは当たり前すぎて疑いもしない、フィルタなら目詰まりは当然。技術を理解しているからこそ、その限界を暗黙のうちに受け入れてしまいがちです。

もう工夫するところがない、技術革新の余地はない、というのが技術者たちにとっても常識だったのでしょう。技術革新がない以上、どんどん安い中国製品などにシェアを奪われ、日本メーカーは少しずつ付加機能を加えながら高価格帯を守り続けるという構図が長年続いていました。むしろ、この高価格帯の製品を買うのは日本人だけなので、そこに安住していたのかもしれません。ですが、いったんこの新しい方式に気がつくと、次々とアイデアが出てくる。実際に、各社ではさらに優れた吸引方式の研究が進んでいます(ダイソンの特許を避けるため、という動機もあるかも知れませんが)。

「アップル型」と「ダイソン型」の2つの違いは分かって頂けたのではないかと思います。違いもありますが、共通しているのは既存のものの見方や捉え方とは一線を画しているということです。まずは、自分たちが作ってしまった枠に気づいてみてはどうでしょう。