オンラインもオフラインも超越するリーダーシップ

Written by 星野 雄一 on 2020-07-17

緊急事態宣言が明け、第2波と呼ばれる状況になっている。COVID-19との付き合いはまだまだ続きそうだ。そのような中、この数ヶ月ほとんどの時間をオンラインで過ごしながら感じることがあった。

 

これを3つのポイントで共有してみたい。

 

「リモートワークになって仕事が効率的になった」という声はよく耳にするし、リモートワークに抵抗があった管理職の方々も「意外と便利」という声もある。

 

これはその通りであろう。移動時間はなくなるし、会議は簡潔になりがちだし、各種ツールを使えば情報のシェアも簡便だ。いわゆる成果物を作ったり、報告をしたりするような仕事、目的を持った情報の提供ややりとりにおいては生産性が高い。

 

一方で「会社の文化が失われるように感じる」「社員同士の関係が希薄になる」と言われる方もいる。

これもその通りであろう。善い行動の共有や相互理解という文脈においては、リモートワークはやりづらさを感じる。どんなに頻度よくオンライン会議をやっていても、”モニターの向こう側”で起きている感覚を拭えないし、社内で座っていて自然と見聞きするような行動や言葉はリモートワークだと入ってきづらい。リモートワークになって便利、このままが良いと言う社員が多い組織は、社内の人間関係がもともと希薄だという指標にもなるのではないだろうか。厳しい言い方をすれば経営・管理職はリモートワーク反対と言って出勤型に戻しても、抜本的な手立てを打たない限り目的は達成されない。

 

ただ一つ、オンラインでもオフラインでも関係ないものがあると感じる。それは美しき行動・所作・考えを持つ人との心地よさである。そのような美しさの感覚が合う人とは、出会いの場がオンラインでもオフラインでも同じようにシンクロする感覚を持つのである。オンラインで出会ってそのまま仕事をしていても何の違和感もなく、アウトプットも出し、深い相互理解を育みながら進められる。

オンライン中心の数ヶ月はこのような示唆を与えてくれた。

 

アウトプットは仕事が与えてくれる、善き行動は組織やコミュニティが与えてくれる、ただ美しさは主観であり誰も与えてくれず自分で育むものである。自分が美しいと思う行動を思い、自分と向き合い、それを育むことを積み重ねた先に醸成される。オンラインかオフラインか、サラリーマンかフリーランスか、そんなことに関係なく大事なことは変わらない。特にリーダーと呼ばれる人たちはそれが強く求められるだろう。日々の研鑽を止めることなく進めていきたいと改めて感じる今日この頃である。

優れたエンジニアはマネージャになるべきか?

Written by 津田 真吾 on 2020-07-16

私が駆け出しのエンジニアだったころ、

いや、『「エンジニア」である』ことすら認識できていなかったころ、つまり何とか仕事をして結果を出したい、貢献したいと考えているころ、『スーパーエンジニアへの道』という本に出合った。

スーパーエンジニアへの道 技術リーダーシップの人間学

スーパーエンジニアへの道 技術リーダーシップの人間学/G・M・ワインバーグ/木村 泉(コンピュータ・IT・情報科学) – 大きなシステムの形成という大変な仕事を成功させた例をみると、ほとんどが少数の傑出した技術労働者の働きに依存しているという。「アメとムチ」のみ…紙の本の購入はhontoで。

会社では、皆が忙しく、諸先輩方に仕事を教わることも大変だった。とにかく必死に喰らいついて、その諸先輩方が書いてきたドキュメントや図面を片っ端から読んだ。わからないことは、合間を見つけて色んな人に尋ねた。「なぜここの設計はこうなっているのか?」「その実験はどのくらい再現性があるのか?」「テストの結果はどういう意味があるのか?」

そうやって、やみくもに2年位やっていただろうか?
仕事は確かに覚えたし、ある程度のことは理解できたが、どうも足掻いているだけで、自分が成長している実感が得られなかったのだ。当時は自覚していなかったけれど、そういうやり方を続けていても結果は出るけれど、「マネージャ」や「リーダー」になれる気がしなかったのだ。

当時、私が配属された事業は急成長していたため、毎年増員され、優秀なエンジニアはマネージャにすぐ昇格するのが常であった。

しかし、ある日、一部の尖ったエンジニアの間ではこうも囁かれていたのである。

優秀なエンジニアをマネージャにすると、ダブルで弊害が起きる。1つは、優秀なエンジニアが一人減ることで、もう一つは未経験のマネージャが一人増えることだ。


この言葉は、正直驚いた。
事業が伸びる → 開発が増える → エンジニアが不足する → エンジニアを採用する → エンジニアを管理する必要が生じる → その辺で一番わかってそうな人をマネージャにする
という、どこでも起こり得るサイクルに冷や水を掛けるような議論だからだ。つまり、優秀なエンジニアをマネージャにすることには、経営判断とか、思想や理論に基づいて、といったセオリーがあるのではなく、事業が伸びるなかで、現実的な選択肢はそれしかないのである。

さて、『スーパーエンジニアへの道』を読んだ私は優秀なエンジニアがマネージャになることには、単純に反対できなかった。なぜなら、この本に書かれていた「スーパーエンジニア」というのはカッコいいエンジニアリングリーダー像だったからだ。優れたエンジニアが組織をリードすると、製品アーキテクチャが整い、プロダクトもすっきりする。

だからといって、優秀なエンジニアがマネージャになるべき、とも思えなかった。なぜならば、エンジニアリングを極めることと、本書に書かれているリーダーシップや「ヒューマンスキル」を身につけることは真逆に見えたからだ。昼夜図面を描き、実験に明け暮れていると却って人とは疎遠になり、コミュニケーションスキルは却って劣化する。機械は時に恐ろしい挙動を示すが、人間よりもずっと予測可能で、「作ること」ができる。技術に向け合えば向き合うほど、人と接することに億劫になる自分がいるのも事実だった。そういう状態でいきなりマネージャになり、部下の動機づけや評価、他部署との交渉や予算獲得などでいい仕事が出来るわけがない。


その後、自分の考えも紆余曲折がある。経験を重ねた結果、どっちのメリットもデメリットも理解できるようになったので整理してみよう。

優秀なエンジニアがマネージャになるメリット

  • 最初から信頼がある(エンジニアとしての実績を活かせる)
  • 技術的な難易度や重要性に応じた采配ができる(作業と開発と発明の違いがわかる)
  • 優秀なエンジニアの価値がわかる
  • いいエンジニアを見つけられる
  • 競合の技術ロードマップを読める
  • (コミュ障だとしても)エンジニアの気持ちがわかる
  • あらゆるものをハックすることに慣れている

優秀なエンジニアがマネージャになるデメリット

  • エンジニアの気持ちがわかりすぎて、開発目標が保守的になる
  • エンジニア以外の人脈やネットワークがない
  • 優秀なエンジニアリング人材が予算策定や計画立案や交渉などを行う
  • 開発ありきで、プロダクト開発以外の組織マネジメント手法が疎かになる


今はどう考えているか?

色々経て、今は違う考えに行き着いた。エンジニアのキャリアパスとして、マネージャーよりも向いている職業があると感じるようになった。

それは、一概に言えないが、起業するか、スタートアップの初期にジョインすることを勧めたい。なぜならば、上記のメリットの大きさを最もレバレッジできるからだ。デメリットを何百倍も超えるメリットを発揮することができる。仮に、スーパーなエンジニアだったとしても、事業が伸びていなければ、せっかくのアーキテクチャ構築力も、ハック能力もエンジニア目利き力も活かす場面がない。プロダクトと同時に組織を開発するような仕事は、まさにスーパーエンジニアが最も活躍する仕事だと思う。

ということで、賛同して下さるエンジニアリングをもっと高めたい人や、キャリアを発展させたい人がいましたら、こちらまでご連絡をお待ちしています。

生と死 Innovation for Life vol.1

Innovation for Lifeのテーマは人類にとっての永遠のテーマである死について取り上げてみました。

 

我々は死と向き合う事でより生きることの意味が見えてくるのではないでしょうか?

 

私自身は、日本人の伝統的な行事や風習、そして生活習慣に多くの影響を与えてきている禅をルーツとする武道の体験を通して、武士の人生哲学に興味を持つことになりました。

スティーブ・ジョブスや、ベン・ホロイッツなど海外の多くのイノベーターもこの禅や武士道に惹かれる事には何か本質的な共通点があると考えています。

 

江戸という、戦がない平安の時代を治める為政者となった武士が、自らを律して生きていくために定めた行動規範が武士道であり、そこに不確実性が高く、生きる目的を見失いつつある現代を生きる我々にとってのヒントがあると考えています。

 

もし明日死を迎えるとしても、悔いの無い毎日を過ごしていますか?

 

自信をもって”はい”と応えられなければ、是非これを機会にその理由を探ってみてはいかがでしょうか?

 

Innovation for Life vol.1 生と死

不確実性が益々高まる現代社会において、幸せな人生をおくるために大切なことを考える問いを発信することでみなさまとご一緒により良い未来そして社会を創っていくチャンネル Innovation for Life・・・第一話のテーマは生と死 何カ所かカットしたのですが・・・時間は約8:00と少し長めにになりましたm(__)…

Vol.1 生と死

本コンテンツもイノベーションの作法通りに実践を通して改善、改良していきます。

みなさまからもご感想やご要望をお待ちしております。


人生をイノベーションするための動画によるコンテンツ配信を始めます!

Written by 津嶋 辰郎 on 2020-06-22

INDEE JapanもVLOGを始めることにしました。

コンセプトとしては、

Innovation for Life

 

変化の激しい現代社会において我々一人一人が活き活きと生きるために、それぞれの人生をイノベーションしていくために大切なことを発信していきたいと思います。

ただ世の中にはすでにYoutubeなどでのVLOGや動画コンテンツは溢れている状況ですので、今更始める意義としていくつかの特徴を持たせたいと思います。

 

・本質が故に難解なことを爽やかに?!語ります。

・精神論にならないように、具体的な体験や身近な事例を通してお伝えします。

・自分事にして頂くために”問い”を毎回投げかけます。(ここが最大のポイント!!)

・移動中にも見て頂けるように、音声だけでも理解できる内容で5分程度に凝縮します。

 

といってもニッチで本質的なコンテンツ・・・というYoutubeがメディアとして得意とする領域とは真逆な?!内容での配信ですので、みなさまからの反応検証をしつつ必要に応じてピボット?!していきます。

早速vol.0としてのこちらの動画をご覧ください。

 

Innovation for Life vol.0

現代社会において幸せな人生をおくるために大切なことを考える問いを発信することでみなさまとご一緒により良い未来そして社会を創っていくチャンネル Innovation for Life・・・ここからスタートいたします。 是非ともみなさまからもご感想やご要望をよろしくお願いします。

innovation for life vol.0

人材育成に悩めるマネージャーのために。「どうして成長しないんだ」というフラストレーションから解放される方法

Written by 星野 雄一 on 2019-12-23

長年、人に関わる支援をやる中で、人材育成に悩める多くのマネージャーにお会いする。 私も実務としても人材育成には長年携わってきたので、お気持ちはとてもわかる。

 

先日、研究畑で今は事業開発に取り組んでいるマネージャーの方とお話をした。

その方は事業がだんだん成長し、部下も増えてくる中で人材育成が自身の課題になっていた。 「本も色々と読み、部下のモチベーションを上げたり、フォローをしたりしているんですけどね。なかなか思うように伸びないです」と仰っていた。

これは、私もかつて思っていた考え方だ。

 

「人は努力すれば成長できる」と思う人は多いだろう。ましてやマネージャーになるような方、また起業家として困難を超え続けている方はその経験の裏付けもあり、信じて疑わない。だから、社員の育成でも「きっと努力をすれば自分のようなスキルまでたどり着ける。目標設定が低いからダメなんだ。モチベーションが上がってないから全力を尽くさないんだ、フォロー・指導すれば成長の速度が速くなるはずだ。」という意識の元で育成を始めてしまう。

もちろん、そのアプローチで伸びる人もいるだろう。一方で目論見通りに成長しない人も多い。いや、どちらかと言うと、かなりの確率で目論見通りに成長しないのではないだろうか。

この状況を図に示すと、こんな葛藤だろうか。

この概念で捉えているマネージャーは、人は誰もが同じような成長直線の傾きを持っており、ただ適切な指導がされてないから加速していないと考えているように見える。

 

本当にそうなのだろうか?

 

むしろそう思っているから指導はうまくいかないのではないだろうかと感じる。人には何か固定された成長直線というものがあるのではなく、その人それぞれの成長の仕方があるという立ち位置に立つと、こんな景色が見えてくる。

ある社員の能力1に関して持っている成長直線の傾きは上記の通り。マネージャーの期待値には達していないが、本人の伸び代からすれば適切に頑張っている。ちなみに縦軸はスキルで見れば、企画力、発想力、論理的思考力など。Excel使いこなし力といった形で噛み砕いても良いだろう。もう少し総合的に職種目線で置くのもよい。研究能力、事業開発能力、総務能力などが挙げられる。

一方で同じ社員の能力2はマネージャーの期待よりもはるかに高い。伸び代はもっとあるが、現在の職場・仕事で期待値以上に伸ばす機会がなく、発揮されていない。

 

このように、人、さらに能力の種類によって、持っている成長直線の傾きが違うと考える方が現実的ではないだろうか。向いている仕事というのは傾きが急だし、向いてない仕事は傾きが緩やかである。もともとの成長の傾きが緩やかなら、もしモチベーションを上げる関わりをしても、効果的な指導をしても、緩やかな坂を加速して進むだけで、いつまで経っても期待値には到達しないし、本人も辛い。逆に傾きが急な能力においては、こちらの指導が想像以上に効く。一方、今の仕事でその能力がそれほど必要なければ、本来の能力向上のスピードよりも鈍化した状態になっている。これは勿体ないことである。

 

これはマネージャー自身も同じことが言える。たまたまその会社・組織で求められている能力に関する自身の成長直線の傾きが期待通りかそれ以上だったと。

 

もし、自部門で求めている能力に対して、その人の傾きが緩やかであれば、本人の希望はあるにしても早いうちに部署異動した方が良いだろう。また、自社で求めている能力に対してその傾きであれば、残念かもしれないが、お互い別れた方が賢明だろうし。その方がお互い良い人生を歩めるだろう。

 

この見極めと、見極めた上での支援こそがマネージャーが本当にやるべきであろう。マネージャーは人材育成をするのではなく、人材成長をプロデュースするのだ。

 

そのためには、社員の考えを把握するためにコミュニケーションを取ったり、適切なテーマを与えてその時の反応や行動、アウトプットなどを細かく見ておく必要がある。その際に重要なことは「この人の輝く場所はどこだろうか?」という目線で見ることである。その上でうちの会社や部署で活躍できるのか?という見極めになる。順番は重要である。順番を間違えると最初の図表と一緒になる。

現在の悩みから解放されたい方は是非目線を変えた上で社員の発言や行動を観察していただきたい。

 

最後に、INDEE Japanでは、事業開発部門やスタートアップの人材成長や組織成長をプロデュースする取り組みも行っているので、もし解決が難しそうであれば、一度お問い合わせを。