新規事業スタートアップ組織のあるべき姿

Written by 津嶋 辰郎 on 2013-01-14

前回はSカーブから読み解く組織のあるべき姿として日本の製造業が必然的に陥ってしまった組織体制の課題とそれを克服している事例の一つをご紹介した。では今回はイノベーションを生み出す役割を担う、新規事業のスタートアップ部隊のあるべき姿について考えてみたい。

新規事業のスタートアップと言ってもすでにあるマーケットへの後発参入と、全く新しい価値を提供すると大きく2種類考えられる。今回のテーマは特に大企業内での新規事業に立ち上げにおいて様々なジレンマに陥る危険性の高い後者について考える。

新しい価値を世に出していく組織にとって最も重要な機能は、仮説検証サイクルを如何に早く回して提供価値とビジネスモデルを軌道に乗せるということついて以前ご紹介した。これらについては、日本ではほとんど注目されていないが米国の各種MBAでも教科書としても扱われている、スティーブン・G.ブランクの名著である「アントレプレナーの教科書」でも詳しく述べられているのでこちらも参考していただきたい。

この内容を要約して表現すると組織の初期の機能としては、下記の顧客開発プロセスを如何に素早く実行できるかにある。 

【顧客開発プロセス】 
  ①仮説構築:想定顧客の課題とそれを解決する提供価値・収益モデルを考える
  ②仮説試作:検証に必要なモノ・コトを形にする(資料、試作品など)
  ③仮説検証:想定顧客に仮説をぶつけ妥当性、実現性を評価する

Step①仮説構築 → Step② 仮説試作 → Step③仮説検証
  ↑                    ↓
 ← ← ← ← ← ← ← ← ← ←

まずStep①は、どこに課題を抱えている顧客がいて、何を提供すれば受け入れてもらえるかという仮説を構築する作業であり、技術シーズ、顧客ニーズの双方の専門情報が不可欠になる。既存事業を効率的にオペレーションすることを優先している既存企業の組織では、開発部門と営業部門に分かれて存在していることが多い。また担当者もそれは開発の仕事、これは営業の仕事と既存事業の枠組みの中で役割分担をするマインドセットが刷り込まれてしまっている。特に大企業内での新規事業部隊においては、この担当者の心の枠を越えられるかが実は最大の課題だと実感しています。

Step②は、仮説として構築した提供価値を顧客に理解してもらうために具体的に形にするプロセスである。ここでは品質重視の量産とは異なるスピード重視の試作・改良の作業が重要となる。ここでもそこそこの完成度に高めないと、お客様に見ていただくわけにはいかないという”プライド”が邪魔をして、不必要に完成度を高めてしまう。ここでの目的はあくまで仮説検証のための試作ということを忘れてはいけない。

そしてStep③は、直接顧客に仮説をぶつけその妥当性を評価し、精度を高めていく作業である。また単にユーザー候補といっても”誰に会うか”が重要になり、組織および個人のネットワークをフルに活用したKOL(Key Opinion Leader)の選定が重要になる。そこではユーザーとの直接的な接点が重要であり、単に接するだけではなくそのフィードバックから真のニーズを拾えるだけの専門知識も必要となる。

このようにスタートアップ組織の主要機能である、顧客開発プロセスは、

 ・営業・マーケ的な顧客の課題を抽出するコミュニケーション力と現場に足を運ぶ
  フットワーク  

 ・顧客の課題を解決するソリューションを構想できる専門知識と技術開発力

 ・KOLを発見できるネットワーク力と顧客に新たな気づきを与えられる(教育できる)
  ビジョナリーとしてのリーダーシップ(夢を共感させる力)

を複合した活動となる。このように書くと何でもできるスーパーマンが必要になるように思われる(実際ベンチャー企業では、一人のスーパーマンがこなしている場合も多いのでいるに越したことはないが)。なかなかこれを一人でこなせる人材を期待することは難しい。そうした理由で、企業内でに組織する場合は、図1に示す独立した専任部隊であり、かつ役割の壁を越えた部隊とするのが最も機能要件にマッチしている。さらにこのフェーズでは、ビジネスや提供価値の方向性に対して様々な判断・決断を適宜行っていかなければならない。その役割を担うリーダーの存在が重要になる。

スクリーンショット 2013-01-11 7.21.18.pngこのように新規事業スタートアップに必要なプロセスを明確にすることによって組織のあるべき姿が見えてくる。ただし前述のように”人の行動は組織に従う”と言っても、既存ビジネスを効率的にオペレーションさせる環境で育った人材のマインドセットには、その役割行動が深く刷り込まれてしまっている。これを取り除くためには、組織に染まっていない外部人材(特にベンチャー組織の経験者やアントレプレナーシップを持つ人材)の採用や外部組織とのコラボレーションが非常に有効になる。

今回は一般論としての話であるが、これをよりみなさまのプロジェクトの現在のフェーズおよび業界の特徴に当てはめてみていただければ、よりより組織の定義ができると確信している。

一年の計に習慣化を!

Written by 山田 竜也 on 2013-01-04
あけまして、おめでとうございます。
INDEE Japanも二期目を迎えました。
今年もより多くのスタートアップ支援に邁進し、
二年目のジンクスを吹き飛ばして行きます!
今年最初のコラムは、習慣化について考えて見ます。
一年の計は元旦にありと言う様に、何かを成し遂げようとする計画を立てるタイミングとして、元旦を動機付けに利用する方は多いでしょう。ここでいう計画は仕事におけるプロジェクト計画というよりも、個人の生活習慣の改善や、スキルアップというニュアンスのものが多いかと思います。元旦と言うのは、まさに新しい事に取組むための”きっかけ”です。しかし、一年に一度のチャンスを活かして、三日坊主に終わらせずに、きちんと改善やスキルアップまで繋げるには、誰もが苦労しているのではないでしょうか。
せっかくの”きっかけ”を活かして、習慣化し、改善やスキルアップまで繋げるにはどうすれば良いのでしょうか。
先ずは、習慣の定義から考えて見ましょう。ここでは習慣を以下の二つのアンドが取れた状態として定義します。
 1.自分が取組もうと選択した行動
 2.いつの間にか無意識で行っている行動
元旦という”きっかけ”は1.を促します。この機会に今年の取組を決める。ここまでは大丈夫。問題は次の”いつの間にか無意識で”が一朝一夕ではいかない所にあります。
無意識で行う所まで辿り着くには、二つのステップが必要です。
 2-1.実際に行動してみる
     (飴か鞭か、多少の強制力が必要)
 2-2.何らかのご褒美が得られる。
     (鞭だけでは習慣化はされずに、疲弊しながらの継続になってしまいます
      強制的に意識させられている状態で、無意識ではありません)
きっかけ→行動→ご褒美の6.jpg.png
この2-2.の部分での工夫が、習慣化するためのポイントになります。
最初の内は、ご褒美を得続ける事が必要ですが、強化サイクルが回る度に、ご褒美の必要性が薄れ、最後はご褒美無しでも行動が継続される様になります。習慣化を促すためには、この強化サイクルを回すための工夫が必要です。具体的には行動を促すためのどんなご褒美を設計するかという事です。

例えば、歯磨きの場合はどうでしょうか。きっかけは親から言われたり、歯医者さんに注意されたりという事かもしれませんが、爽快感もあるし、虫歯で痛い思いをしなくて済む。こういった事がご褒美になって、いつの間にか無意識で行う様になった方が多いのではないでしょうか。これがご褒美による強化サイクルです。
ついついいつも同じ店にランチに行ってしまう場合はどうでしょうか。これも最初は通りがかったり、友人に紹介されたり、クーポンをもらったりという事から始まり、美味しかった・値頃感があった・場所が便利という事から、いつの間にか行きつけになります。

これらの例は、結果的にご褒美があった場合ですが、改善やスキルアップのために自分が取組もうと選択した行動の場合は、意図的にご褒美を仕込んでおく必要があります。例えばダイエットならば新しい服、英会話ならば披露する場面を用意しておくといった事です。これだけでは成果を実感できるまで時間がかかるので、体重計の目盛を細かくする、ゲーム感覚で単語を覚えるといった工夫も必要です。

“1.きっかけ”だけでなく、”2-2.ご褒美”も合せて設計する。その通りなのですが、労力に見合った適切なご褒美が設定できないという事が難しさです。他に工夫のポイントは無いのでしょうか。

もう一度、歯磨きの場合を思い出してみてください。子供の頃、歯を磨いていた理由は、家族が磨いていたからではないでしょうか。人が持つ同調性は習慣化のためのもう一つのポイントになります。特にご褒美が得られにくい取組みの場合には、2-1.行動のステップでの工夫が有効です。一人でやる
より皆でやった方が長続きしますよね。

行動の結果としてのご褒美ではなく、行動そのものを継続し易い環境を造る工夫。
是非、習慣化を考える際に取り入れてみてください。

では、今年も宜しくお願いします。

31,536,000 How do you measure your life ?

Written by 山田 竜也 on 2012-12-31
今年最後のコラムは、幸せについて考えてみたいと思います。
ここ数年、幸福感をテーマとした議論が増えてきています。
右肩上がりの経済はもう望めない、画一的で分かり易い幸せのモデルが描けない今、
一人一人に自らの幸せのビジョンが求められているからでしょうか。
コップに半分残った水の話をご存知でしょうか?
コップの水.jpg
コップに半分残った水を見て、
「もう半分しかない・・・」と悲観的になる。
「まだ半分もある!」と楽観的になる。
もう半分しかない、どうしよう、足りないかもしれない・・・と悲観的になるよりも、
まだ半分もあるじゃん!大丈夫だよ、気楽に行こう!と楽観的でいる方が良い。
という話が良くあるポジティブ思考の例です。
ここで例えを変えて、コップの水では無くプロジェクトの運営予算だったらどうでしょう。
 「残り予算は半分だ。この予算の中で何を成し遂げるか?真摯に向き合って行こう」
 「予算はまだ半分残っている。大丈夫、必ず成果は出せる、ガンガン行こう」
こうなると、どちらの見方が良いとも言えないのではないでしょうか?
残ったものを見て、これからを悲観的にとらえる、楽観的にとらえる。
それよりも、もっと重要な事があると思います。
 それは、今、ここに、集中する事です。
 私たちは、直線的な将来が描けない、変化の激しい時代にいます。
  悲観的に考えて備えを厚くしても、
  楽観的に考えて前向きに進んでも、
 結局不安は尽きません。
 それよりも、今、この瞬間に集中すること。
 全ての出来事を味わい尽くすこと。
 日々の過ごし方に幸せは隠れています。
 365日×24時間×60分×60秒=31,536,000の瞬間の中で、
 自分が人生を十分に味わっていると感じた瞬間はどれぐらいあったか?
 今年ももう僅か、一年を振り返り、味わい直してみませんか。
コップの水を飲む.jpg
 コップに残った水の量を心配するよりも
 今そこに在る水を味わいたい。
一瞬、一瞬を大切に、生きて行きましょう!

エスキモーに冷蔵庫を売る?! ~仮説検証~

Written by 津田 真吾 on 2012-12-26

いつもお読みいただき有難うございます!

皆さまにとって2012年はどのような1年でしたか?
震災からもうすぐ2年が経とうとしています。
また、ノーベル賞の受賞という嬉しいニュースもありました。
私にとっては様々な事業開発に関わらせて頂き、力を総動員した一年であったとともに、縁に恵まれた感謝の深い一年でした。

良い年であったと感じた方は来年は次への躍進に向けた動きを、そうでなかった方も転換に向けた動きをとれるよう、お祈り申し上げます。

それでは、今年最後の記事です。

前回、事業開発には仮説検証サイクルが重要であることを説明した。
仮説を立て、その仮説を一つ一つ確認していくことが事業開発に重要なプロセスである。最初からすべてが分かっている訳ではないので、仮説検証の過程で観察と学習を続けることが事業開発の成否を決める。実際に、成功した企業の93%は創業当初に立てた戦略と異なった戦略を取っていることが、ハーバード大ビーディー教授(Amar Bhide)の研究を通じて知られている。また、「イノベーションのジレンマ」で有名なクリステンセン教授はこのデータを基に、企業が成功するのは最初の戦略が正しいからではなく、むしろ最初の戦略を取った後に方向性を変えるほどダメージを受けていないためだと、「イノベーション・オブ・ライフ」に記している。冷静に考えて、何もやる前に立てた戦略がうまく運ぶほど、人生は甘くはない。

では、どうやって行けば良いのか、この仮説検証プロセスを具体的に見ていきたいと思う。

エスキモー向けに冷蔵庫ビジネスを始めたとしよう。
冷蔵庫は一家に一台はある家電なのにも関わらず、エスキモーが住む村には普及していない。そこで、エスキモー集落向けに冷蔵庫を販売するビジネスは成功するのではないかとあなたは考えた。
「冷蔵庫を買いませんか?」このような売り込みに対して、エスキモーはまったく反応しない。食材を 保管するための倉庫、つまり天然の冷蔵庫はほどんどすべての家にすでにあったのです。気温も低いため、わざわざ冷やすような冷蔵庫には興味がなかった。エスキモーは「冷蔵庫」を必要としているのではないか、という仮説は間違っていることに気づく。

事業に必要な2つの視点

ここで、「事業とは」に立ち返ってみよう。すると、”価値”の提供側と需要側のどちらが欠けているのか、分析することが可能になる。この場合、売れなかった理由として大きく分けて二つの可能性が考えられる。一つは、冷蔵庫の性能が悪く、天然の冷蔵庫に負けていたという技術的な問題、つまり提供側の問題。もう一つは、冷やして保管したいというニーズがなかったという需要側の問題である。冷蔵庫の機能を満たしているとすると、今回仮説として立てた「冷やして保管する」という”価値”はエスキモーにとって需要のないものだったことがわかるだろう。

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Sカーブから読み解く組織のあるべき姿

Written by 津嶋 辰郎 on 2012-12-23

人の行動は組織に従う。これは逃れようのない真実である。特に企業や業界が成熟すればするほどその傾向は強くなる。
一方、業界および製品の成熟度によって組織のあるべき姿も変わっていく。この変化に追随できていない企業は衰退の流れから逃れることができない。今回はSカーブを基に変化する組織体制について考えてみたい。

私は2000年以降の変わろうとしているが、結果にあらわれない日本のメーカーの苦労する姿を目の当たりにしてきた。一方、置かれた状況は同じ製造業の中でも、十分な結果を出している会社もいくつかか存在する。分かりやすい例として「キーエンス」に着目してみたい。キーエンスは収益性の高いFA製品にフォーカスし、自社工場を持たないというファブレスを早くから導入したことでも注目されていた。私の就活の時代にもメーカー勤務の重鎮になぜキーエンスは儲かってるか?という純粋な問いを投げかけて回ったが、その答えを明確に答えてくれる人に出会うことはなかった。実は当時のキーエンスの人事責任者からも明確な答えをいただけなかった。阿漕なことは何もしていない。信じて欲しいという言葉を何度も言われたことを記憶している。今の私ならビジネスドメインとしての業界力に加え、当時からも日本のメーカーとしては先進的な組織体制に強さのヒントがあったと考えている。

まずご存じの通りイノベーション理論のSカーブにおける中間点である右肩上がりの成長市場での競争においては、効率的な事業オペレーションが重要になる。価値のあるものを他社よりいかに早く、安く提供できるか?という競争である。図1の組織図はみなさまの馴染み深いトップダウンの体制であり(ある意味組織の当たり前の姿として刷り込まれてもいる)、この体制でのパフォーマンスの高さが高度成長期における日本の強さの源泉である。しかし、モノがある程度普及し終わり、作ったら売れるという時代の終演、つまりSカーブの右側に進むにつれて顧客のニーズは複雑になり、競争の原理が変わってくる。いわゆる”付加価値”や”差別化”と言われるような他社とは異なる価値提供を実現しなければならない。

figure1.png

この局面はまさにバブル景気前後において日本の大手企業に突きつけられた課題であり、事業戦略として大きな分かれ道が生まれた。

①さらに効率化、コストダウンをすることで戦い続ける戦略

②コストダウン以外の方法で差別化する戦略

①の選択をするならば従来と同様の組織体制で追求すれば良いが、②を選択する場合はどうだろうか。セットメーカーと部品メーカーでは着手に5〜10年の時間差はあったが、結果的にこの②を実現できる体制への変革が、①で成功を収めてきた多くの製造業にとってのハードルになってしまった。

figure2.png

では何がハードルだったかというと、②に向けた第一弾の組織変革として多くの企業は図2の体制をとったのではないだろうか。つまり今まで開発部門主導で行っていた製品企画を企画およびマーケティング部門が担うという体制にした。そして製品開発のエースおよび営業のエースをこの部門に配属する。一見この流れは合理的な判断に思えるが、②の戦場で戦うためには決して十分ではない。②の戦いは複雑化、多様化する顧客ニーズを捉え、顧客に応じた製品・サービスを提供していく事が求められる。この図2の体制では何より重要な現場感と情報量が少なすぎるのである。多様化したニーズは間接的なマーケット調査や分析からは見えてこない。また図1の体制では営業として代理店を活用していることが多く、ここからの情報を拾い上げるのも容易ではない。では企画部門に配属された営業エースが現場にもっと行けば・・・ということになるのであるが、①において大量にものを動かすマネジメントが求められる営業エースのスキルセットと②における一つ一つに深く入り込む現場情報を収集するスキルセットは異なるため営業エースも苦悩する。ここも大きな盲点となる。

ではどういう形が理想になるかであるが、それはそうした個別対応のビジネスに早期に着手する必要があったITベンダー等の製品開発が必要なソリューションビジネスの体制にヒントを見ることができる。図3がその例である。これは顧客ニーズドリブンでマネジメントを行うときの一つの組織の姿である。営業こそが顧客の真のニーズを把握できるポジションにあり、モノを売るにも新しい製品・サービスを開発するためにも前線に立つ。営業担当者が拾ってきた顧客課題やニーズを開発にフィードバックする仕組みが重要になる。今やこの事実については、当たり前でありトップマネージメントは頭では理解できていることが殆どだと思う。しかし、問題は実態が伴っていないことにある。この組織では営業がリスペクトされていなければならないし、ユーザーニーズに触れる事ができる貴重な機会を持つ営業にこそ技術-営業のバランス感覚を持ったエース人材を投入しなければならない。しかし、日本のメーカーの多くは、頭では分かっていても過去の成功体験による数名のトップセールスおよび大本営的な本社経営体制から抜け出せていない。組織の変革には役割の変更だけでなく、社員のマインドセットから返るつもりで取り組まなければならない。この組織が中途半端な体制のままで、社員が悶々としてていることこそが現在の閉塞感の原因だと言っても過言ではない。

figure3.png

話をキーエンスに戻すと、顧客のニーズを捕らえ製品開発にフィードバックするというサイクルを高速に回すという現場主導型の経営スタイルが早い段階から実現できている。この体制を実現できたのは、後発参入としての創業期において理想な体制を構築し、旧体制に染まっていない新卒中心の社員に刷り込むことができたという点に理由はあるのは間違いない。
ものが溢れる時代の中でのBtoBビジネスにとって理想的な組織体制を他社に先駆けて実現できていることは間違いない。

次回は新規事業およびスタートアップにおける組織体制について考えてみたい。