新型コロナによるステイホーム生活を少しでも楽しむため、私のエンタメ習慣は大きく変わりました。どう変わったかというと、大きく2つあります。
一つは、NETFLIXとAmazon Primeなどのストリーミングサービスによって、映画や連続ドラマの消費が増えたことです。圧倒的に、増えました。減った通勤やその他の移動時間は「SUITS」や「愛の不時着」「クイーンズ・ギャンビット」が埋めた計算になります。ですが、ドラマの本数と時間を合計すると、かなり睡眠も削ってしまってる気がします……。映画も結構見ましたので、色々紹介したいのですが、また別の機会にさせてください。
もう一つは、ゲームです。ゲームと言っても、アナログなボードゲームです。このボードゲーム、通はボドゲと呼ぶそうですが、ボードがなく、カードだけとか、サイコロとカードといった組み合わせも、ボドゲです。
普段私はAI化とかDXとか言ってますがエンタメという「楽しみ」や「味わい」というジョブに関してはアナログは最高です。楽しみは非効率な方が良いんです。(感情的ジョブを効率的にという事業アイデアの相談を受けますが、この辺は別の機会に述べたいと思います。)そういう意味で、世界がどんどんデジタルになったとしても、遺産のようにボードゲームは残るのではないでしょうか?それはまるで、オンライン化が進んだ現代において世界の旅行市場が成長し続けているのと同じかもしれません。チェスもボードゲームの一種ですが、AIに人間がかなわなくなったとしても、根強いファンはいます。むしろ「クイーンズ・ギャンビット」によって世界的なチェスブームが再来したくらいです。
我が家でも新型コロナの流行とともに、家族全員が家にいる時間が増えました。うちは5人家族なのですが、週末も出かけなくなり、夫婦に加え、中学生と高校生と大学生の5人が一緒に楽しめるものを、ということでボドゲ、しかも世界的に人気の高い世界遺産級のものに手を出しました。いくつか紹介したいと思います。
モノポリー Monopoly

最初は元々家に会ったモノポリーから始めました。これは言わずと知れた不動産売買ゲームです。運の要素もありますが、有利な交渉をタイミングよく仕掛けることで不動産を独占し、多くの富を手に入れることがゴールです。中学生も十分に楽しめました。たぶん、小学校高学年から普通に遊べるのではないでしょうか。欠点としてはとてもゲーム時間が長くなることがあるのと、最後の最後はサイコロの目で大きく勝敗が決まる運ゲー感が残ることです。しかしボードゲーム界の殿堂入りをしているとも言えるモノポリーは何回やっても飽きることなく楽しめます。最初はルールを知らなかった子供たちも、ゲームの盤面に書かれている価格ではなく、自分にとっての価値を感じながら交渉をするほどゲームに熟達することができました。
カタン Catan
モノポリーが盛り上がったので、これもボードゲーム界の代表と言えるカタンもやってみることにしました。通常のカタンは最大4人までしかプレーできないので、最大6人まで同時に遊べるようになる拡張版という追加キットも入手。多くのボードゲームの定員は4人となっているため、こうした拡張キットは嬉しいですね。ゲームバランスが多少変わりますが、違いを味わうという楽しみ方もあるかもしれません。
さて、このカタンというゲームは、島の開拓者となってプレイヤーが資源を獲得しながら道や町をつくっていくゲームです。サイコロの目によって獲得する資源が決まります。なので「確率」についても一定の理解がないと勝てません。さらに獲得した資源の使い道には戦略性が求められます。家族5人でやると、この戦略性に面白いほど差が表れました。モノポリーでは、交渉の巧拙というのが勝敗を分けますが、カタンでは状況に応じた戦略を選択できるかどうかがカギになります。プレイヤーによっては、戦略の好き嫌いがあったり、盤面に応じた変化が取れなかったりします。私自身、このことに気づくのが遅く、ずいぶん子供たちに悔しい思いをさせられました。プレイスタイルも色々なパターンがあるので、子供たちの色んな頭の使い方に感心するという、子供の成長も楽しめる味わい深いゲームです。
カルカソンヌ Carcassonne

カタンを相当やり尽くすと、ちょっと毛色の違うゲームを探すことにしました。特に、カタンもモノポリーも最後までやると1時間を軽く超えてしまうので、ゲーム時間の短めのものを探し、約45分というカルカソンヌというゲームを買いました。これは、道や城や広場などが描かれたカードを繰り出しながら盤面を拡大していく「陣地拡大ゲーム」です。広い陣地を一気に囲うことで、大量得点を狙ったり、小さく堅実に得点を重ねたり、より細かい戦術が大事なゲームです。細かい戦術に加え戦略的に他のプレイヤーより多くの得点を獲得することで勝利できます。このゲームはやってみると、麻雀に似た感覚で、運よりも他者との駆け引きやリスクの取り方が大事な要因となっているようです。そのため、家族のなかではボロ勝ちしてしまい、評判悪かったです。ルールは簡単ではありますが、戦術と戦略がないと、上級者にはまったく歯が立たないため、相手を選ぶゲームと言えるかもしれません。
ワイナリーの四季 Viticulture

これまでの3つのゲームは、プレイヤー同士の戦いという側面が強く、場合によってはバチバチと喧嘩にも発展しかねません。子供によっては負けたことなどを根に持ち、相手が4人いるにも関わらず特定の相手に厳しく交渉したり、邪魔をしたりと個人攻撃的な行動を取ります。そうなると「仲良くみんなで楽しみたい」というジョブの不満点となり、せっかくのゲームが台無しになり得ます。そこで見つけたのがこの「ワイナリーの四季」というゲーム。このゲームは相手とは確かに競うのですが、それぞれのプレイヤーが、自分のワイナリーを開発し、価値の高いワインをつくっていくゲームで、相手の邪魔はほとんどできません。着々と、粛々と自分のワイナリーを経営するので、ゲームと言っても競うというより自分の趣味に打ち込めるような楽しみですね。有名なボードゲームではないですが、結構好きです。ワイン好きなら好きなワインをつくる感覚も得られてもっと楽しめるかもしれません。