STAYHOME後に描くコロナシナリオ

Written by 星野 雄一 on 2020-05-28



日本全国の緊急事態宣言が解除されました。街に出て見ると、少しずつ外出する人も増えているようです。(以前よりは大幅に少ないですが)

 

STAY HOMEの期間、色々な気付きがありましたが、一番大きな気付きは創造性の低下です。特に外部刺激による創造性の減少はかなり早い段階から感じました。自宅や特定の場所にずっといると、外部からの刺激をほとんど受けない状態になります。自分自身の思考や身体の変化、身近な人や物事の微細な変化には気づきやすくなる一方、驚きや発見、セレンビリティといったことは大幅に減ります。ネット情報というのは基本的に自ら意図的に取る情報なので驚きはあまりないわけです。そのせいなのか、なかなかコラムも進みませんでした。(笑)

 

人の創造性は外部刺激によって生み出されるもの、自らの内側から出てくるものがあります。考えを深めるにも、アイデアを生み出すにもインプットは不可欠ですので、偏った環境下のイノベーティブな発想というのはなかなか難しさを感じます。

 

WFH(Work From Home)による効能は多くの方が体験したことで、おそらくこの流れは進んでいくでしょう。一方でイノベーションを起こすためにはオンラインが解決してくれる機能的ジョブだけに傾倒するのは危険だと感じます。イノベーターDNAで定義されている発見力の一つであるネットワーク力では、いわゆる人脈ではなく、普段のプライベートや仕事とは関係のない場や人に触れることから発見を得るためのネットワークを指しています。もちろんオンラインによって新規コミュニティの参加ハードルは下がっているかもしれませんが、想定外の発見に遭遇するにはリアルな場によるFace to faceの出会いも意識的に取り組むべきでしょう。


ウィズ/ポストコロナについて様々なシナリオも考えられていますが、一歩外に出て、外部刺激を受けた後に再考するシナリオはまた違った景色が見られるのはないでしょうか。そこにこそ、真の未来へのヒントが落ちているような気がしてなりません。

 

とは言え、COVID-19との共存世界はしばらく続くとは思われますので、経済はもちろん身体と心のバランスも含め、節度ある外出・ネットワークをしていきましょう。

止められない暴走が止まる時

Written by 星野 雄一 on 2020-02-28

コロナウイルス問題によって、世界中で混乱が起きています。
中国の一都市で発生したことがあっという間に世界中に広がり、健康面のみならず、金融・経済までも影響を及ぼしています。リーマンショックの時を思い出し、世界はつながっていると改めて感じる日々です。

マスクはもちろん様々な日用品は品不足となり、生活にも混乱をきたしています。東日本大震災直後のことを思い起こさずにいられません。そして小学生の子供を持つ親としては、急遽2週間の対応方法を決めるなど、なかなかな事態だなと感じています。

 

色々と混乱は起きていますが、個人的に気になることとして、「なぜ今このウイルス問題が起きたのか」、その意味について考えています。


株価は1年以上前から下落すると言われながら、なかなか下落しませんでした。しかし今回、大幅に下落しました。

 

自民党、安倍政権を問題視する声は前々からネット上を中心に上がっていましたが、選挙をすると自民党が勝つという状況も変わりませんでした。しかし今回、分かりやすく政治のリーダーシップ問題が露呈しました。世代問わず多くの国民に失望を与えてしまったのかもしれません。現在有力な野党もいないので、次回の選挙で与党が変わることはないかもしれませんが、少なくとも構成は大きく変わるのでしょう。

  

リモートワークも時差出勤も前々から謳われていましたが、古く大きい日本企業はスピード感を持って変われませんでした。しかし今回、それがあっという間に実行できました。もう、できない理由はないでしょう。

  

このように多くの人の中で違和感を感じていたこと、でも人間の力で変えることができなかったことが、自然の力でこうも即座に変わってしまったということ。

これを目の当たりにすると、ジレンマに陥っている様々なシステムが変わる転換であり、その抜け方を示されているようにも感じます。

 

・イノベーションのジレンマを起こしているが、なぜか延命している大企業
・環境破壊していることを分かりながら売り続けられる商品、買い続ける消費者
・年金破綻はわかっているのに、手を打たない日本

様々なことが臨界点を超えそうです。

 

超えた瞬間は、一見すると混乱であり、問題であるかもしれません。ただ、ジレンマからの脱却が出来つつある現在の状況を見ると、次のステージへの光ではないかと思わずにいられません。

 

顧客インタビューで気をつけたいこと

Written by 星野 雄一 on 2020-01-31

新規事業を推進する上で欠かせないのが、顧客のことを知ることですね。その一環としてインタビューを行うケースも多いでしょう。でも、いざやってみると難しいことも多いですよね。ここではいくつかの気をつけたい事例を共有しつつ、どうすれば良いかを考えたいと思います。

 

「これってどうですか?」パターン

自分の仮説が当たっているかどうかを聞きにいってしまっています。特に既存事業でインタビューに慣れている方がハマりやすいです。具体的には「こんな課題ありませんか?」「例えばこういう商品だったらどうですか?」と、クローズドクエスチョンに持っていってしまいます。ジョブを”発見”しに言っているのに、”確認”ばかりではいけないですよね。

 

「ジョブがなかった、仮説が外れてた…」と嘆く気持ちになりますが、「No」から派生する会話の中ではヒントになる情報がたくさん隠れていますので、ここを掘りましょう。

 

「わかりますー」パターン

顧客の声をしっかりと傾聴しているのですが、ただ持論を聞いて終わっています。やっていることをひたすら聞いているうちに共感モードに入り、そうですよねーとなっていく。相手が何をしているかは拾えているのですが、なぜその行動を取っているかを拾えていません。

 

「元々考えていたジョブではなくて、共感できる違うジョブが発見できた!」と心躍る前に、もう少し深く聞いてはいかがでしょう。

なぜその行動を取っているの?どんな時に?今の方法とは違う手段はなぜ取らないの?

 

「なぜですか?」パターン

なぜ顧客がその行動を取っているのかを抑えようと努力しているが、答えを知りたいかのごとくストレートに聞いています。 顧客はすべて思考で論理的に行動をしているわけではありません。こう聞かれると多くの場合、頭で考えたそれっぽい返しが戻ってきます。

また事情聴取のような場になることもあるでしょう。

 

相手の言葉のみならず意図もしっかりと押さえるために、ぜひ”今やっていること”を拾い上げてみましょう。その後「なぜ?」を推察することをお勧めします。

 

ジョブ発見型のインタビューの場合は”なぜ”を直接的に拾うのではなく、現在の行動から”なぜ”を推察することが肝要です。JOBSのフレームワークを使いつつ、ぜひ意識して取り組んでみてください。

人材育成に悩めるマネージャーのために。「どうして成長しないんだ」というフラストレーションから解放される方法

Written by 星野 雄一 on 2019-12-23

長年、人に関わる支援をやる中で、人材育成に悩める多くのマネージャーにお会いする。 私も実務としても人材育成には長年携わってきたので、お気持ちはとてもわかる。

 

先日、研究畑で今は事業開発に取り組んでいるマネージャーの方とお話をした。

その方は事業がだんだん成長し、部下も増えてくる中で人材育成が自身の課題になっていた。 「本も色々と読み、部下のモチベーションを上げたり、フォローをしたりしているんですけどね。なかなか思うように伸びないです」と仰っていた。

これは、私もかつて思っていた考え方だ。

 

「人は努力すれば成長できる」と思う人は多いだろう。ましてやマネージャーになるような方、また起業家として困難を超え続けている方はその経験の裏付けもあり、信じて疑わない。だから、社員の育成でも「きっと努力をすれば自分のようなスキルまでたどり着ける。目標設定が低いからダメなんだ。モチベーションが上がってないから全力を尽くさないんだ、フォロー・指導すれば成長の速度が速くなるはずだ。」という意識の元で育成を始めてしまう。

もちろん、そのアプローチで伸びる人もいるだろう。一方で目論見通りに成長しない人も多い。いや、どちらかと言うと、かなりの確率で目論見通りに成長しないのではないだろうか。

この状況を図に示すと、こんな葛藤だろうか。

この概念で捉えているマネージャーは、人は誰もが同じような成長直線の傾きを持っており、ただ適切な指導がされてないから加速していないと考えているように見える。

 

本当にそうなのだろうか?

 

むしろそう思っているから指導はうまくいかないのではないだろうかと感じる。人には何か固定された成長直線というものがあるのではなく、その人それぞれの成長の仕方があるという立ち位置に立つと、こんな景色が見えてくる。

ある社員の能力1に関して持っている成長直線の傾きは上記の通り。マネージャーの期待値には達していないが、本人の伸び代からすれば適切に頑張っている。ちなみに縦軸はスキルで見れば、企画力、発想力、論理的思考力など。Excel使いこなし力といった形で噛み砕いても良いだろう。もう少し総合的に職種目線で置くのもよい。研究能力、事業開発能力、総務能力などが挙げられる。

一方で同じ社員の能力2はマネージャーの期待よりもはるかに高い。伸び代はもっとあるが、現在の職場・仕事で期待値以上に伸ばす機会がなく、発揮されていない。

 

このように、人、さらに能力の種類によって、持っている成長直線の傾きが違うと考える方が現実的ではないだろうか。向いている仕事というのは傾きが急だし、向いてない仕事は傾きが緩やかである。もともとの成長の傾きが緩やかなら、もしモチベーションを上げる関わりをしても、効果的な指導をしても、緩やかな坂を加速して進むだけで、いつまで経っても期待値には到達しないし、本人も辛い。逆に傾きが急な能力においては、こちらの指導が想像以上に効く。一方、今の仕事でその能力がそれほど必要なければ、本来の能力向上のスピードよりも鈍化した状態になっている。これは勿体ないことである。

 

これはマネージャー自身も同じことが言える。たまたまその会社・組織で求められている能力に関する自身の成長直線の傾きが期待通りかそれ以上だったと。

 

もし、自部門で求めている能力に対して、その人の傾きが緩やかであれば、本人の希望はあるにしても早いうちに部署異動した方が良いだろう。また、自社で求めている能力に対してその傾きであれば、残念かもしれないが、お互い別れた方が賢明だろうし。その方がお互い良い人生を歩めるだろう。

 

この見極めと、見極めた上での支援こそがマネージャーが本当にやるべきであろう。マネージャーは人材育成をするのではなく、人材成長をプロデュースするのだ。

 

そのためには、社員の考えを把握するためにコミュニケーションを取ったり、適切なテーマを与えてその時の反応や行動、アウトプットなどを細かく見ておく必要がある。その際に重要なことは「この人の輝く場所はどこだろうか?」という目線で見ることである。その上でうちの会社や部署で活躍できるのか?という見極めになる。順番は重要である。順番を間違えると最初の図表と一緒になる。

現在の悩みから解放されたい方は是非目線を変えた上で社員の発言や行動を観察していただきたい。

 

最後に、INDEE Japanでは、事業開発部門やスタートアップの人材成長や組織成長をプロデュースする取り組みも行っているので、もし解決が難しそうであれば、一度お問い合わせを。

宇宙誕生、最初の1秒の謎

Written by 星野 雄一 on 2019-11-15

先日、「宇宙誕生、最初の1秒の謎」という、何ともワクワクする話を聞きました。ややうろ覚えのところもあるが、その時の話を共有したいと思います。

皆さん、ビックバンという言葉は聞いたことがありますよね?

私はビックバンと言えば宇宙の始まり!というイメージで子供の頃から耳にしていました。ブラックホールと共に神秘的な言葉で、この単語を耳にするとワクッとします。

ちなみにビックバンとは宇宙開始時の爆発的膨張のことを指し、宇宙は非常に高温高密度の状態から始まり、それが大きく膨張することによって低温低密度になっていったとする理論の元に立ちます。

今回聞いた話ですと、現在の地球に届いた光の光度と周波数、それと光の速さと宇宙膨張の速さを加味することにより、X億年前は何度だった!と計算を行うそうです。現在では理論的に導き出した仮説と観測データは一致しているようで、この考え方によって、宇宙誕生後1秒後以降に何が起きたのかまでは解明されてきているようです。

 

そして、やはり気になるのは、最初の高温高密度状態はどこから始まったのか?というお話。

そこも徐々に解明されつつあり、現在有力な理論は日本の佐藤勝彦東大名誉教授らによって提唱されたインフレーション理論とのこと。インフレーション理論とは、最初は真空のエネルギーだけが存在し、それが相転移することで高温高密度の状態が発生したという考え方です。これも証拠がかなり揃ってきているようです。

 

だから、真空状態→インフレーション→爆発的膨張(ビックバン?)→今ここ、という部分は理論化されているようです。

 

今、ここで(ビックバン?)と書いたのですが、ここに面白い話がありました。

この絵を見てください。先ほどの膨張宇宙のイメージを描いている内容ですが、ビックバンは一番左の起点でその隣の膨張直前の状態にインフレーションの記載がありますね。NASAのホームページでも似たような絵で示されています。

 

当初、ビックバンは「宇宙の始まり」と「宇宙開始時の爆発的膨張」の2つの意味合いが入っていたのですが、その後にビックバン理論の未解明点を解決すべく様々な研究がなされて、あとからインフレーションの存在なども発見されてきたという歴史的背景があり、今も名残で「宇宙の始まり」的な意味合いとしてビックバンを起点として使われているのではないかという話でした。

 

言葉の定義は曖昧な事柄が実証データや多くの人の対話を通して行われるものですので、人類が進化を感じる瞬間であります。インフレーション理論がノーベル賞にでもなった時には言葉の再定義もされるのでしょうか。この前進している感じはワクワクします。

 

その他にも、宇宙誕生自体と同時に、暗黒エネルギーや暗黒物質の存在など、まだまだ未解明なものが多いとのことですが、生きているうちにどこまで解明されるのでしょう。このワクワクを提供してくださる研究者の皆さんには、ありがとう!と思わざるを得ません。