「INOVATA会議 #4」開催レポート
こんにちは!INDEE Japanの橋本です!
2025年12月9日、年の瀬の東京にて、新規事業の最前線で奮闘する担当者が集う「INOVATA会議 忘年会スペシャル」を開催しました。
インフラ、建設、製薬、IT、人材サービスなど、業界の垣根を越えた新規事業のリーダー・担当者が一堂に会し、日々の挑戦の裏側にあるリアルな課題や葛藤を共有。会場には、日本橋にあるオープンでクリエイティブな空間「+NARU NIHONBASHI」をお借りし、今にも新しい気づきやアイデアが生まれそうな雰囲気の中での開催となりました。
■ 新規事業アイデア、「量と質」の壁をどう超える?
今回のテーマは、「新規事業アイデアの量と質を高めるための取り組み」です。
交流会を円滑に、そして実りある時間にするため、まずは参加者同士がお互いの挑戦を知ることを目的に、自己紹介からスタートしました。単なる挨拶にとどまらず、それぞれが向き合っている課題や日々の工夫を共有することで、「この人の話をもっと深掘りしたい」と思える関心と熱量を生み出すための重要なプロセスです。
自己紹介では、ご自身に活動内容や担っている役割に加え、「アイデアを増やすための仕掛け」「質を高めるための工夫」「本日持ち帰りたいこと」といった視点から、それぞれの実践や問題意識が共有されました。序盤から具体的で率直な話が飛び交い、その後の議論への期待が自然と高まる時間となりました。
《参加者から挙がった主な意見・お悩み》
・初期段階からアイデアに伴走し、対話を重ねながら磨き上げていく寄り添った形を取っている。多くの相談やアイデアが集まる一方で、最終的に採択に至るものはごく一部に限られる。一定の時間と工数をかけて探索を行っているものの、アイデアの質をいかに高めていくかは、引き続き検討すべきテーマ。
・研究・開発部門発のアイデアを事業化につなげる過程において、技術的な新規性と、事業として求められる規模・戦略との間にギャップが生じやすい。現在は、より実装を意識したプロセスへ移行しているが、部門横断で関わるメンバー間の温度差や役割設計が今後の検討課題。
・アイデアの量を増やすため、チームメンバーや上司と壁打ちを重ねてきたが、現在は「量よりも、一つひとつのアイデアの質を育てる」方向へとシフトしつつある。
…etc
新しいことへの挑戦である以上、試行錯誤は避けられません。企業や組織文化によって進め方は異なりますが、いずれの参加者も、それぞれの現場で悩みながら工夫を重ね、前に進んでいる様子が印象的でした。

■ 「社外の目」を味方に――新規事業を前に進める実践知
今回は、社内で新規事業創出を積極的に推進されているSCREENホールディングスの村田さんに、現在進行形で取り組まれている新規事業創出活動についてお話を伺いました!
組織規模が大きくなるほど、既存事業領域の外にあるアイデアは、どうしても社内の評価軸や意思決定プロセスの中で前に進みにくくなる——こうした課題は、多くの新規事業担当者が直面する共通のテーマではないでしょうか。
そのような状況の中で村田さんは、社内に閉じた議論に偏らないよう、外部のビジネスコンテストや大学プログラムを活用。第三者の視点による評価を取り入れることで、既存事業領域にとらわれないアイデアの事業性を客観的に検証する取り組みを進めています。「社外の目」によって得られた評価を一つの根拠としながら、社内での議論を前進させ、新規事業を推し進めていく。
その姿勢は、同じ立場で奮闘する参加者にとっても、多くの示唆と刺激を与える内容となりました。

■ そして交流会へ
まずはその場で交流会がスタート。開始直後から、参加者同士で自然と会話が生まれ、すぐに活発な意見交換が始まりました。
今回は「忘年会スペシャル」ということもあり、途中からはお酒を片手に、軽食でお腹を満たしながらの進行に。とはいえ、主役はあくまで“ご飯”ではなく“会話”。知見をシェアし合う中でご自身の状況を整理し、次の方向性を確かめる方や、INDEEメンバーとの対話を通じて考えを深めていく方も多く見られました。会場のあちらこちらで議論が自然と深まり、場の熱量はむしろ時間とともに高まっていきました。
気づけば終了予定時刻を大きく超過。名残惜しさを感じつつ、最後は強制終了の合図を出すことに(笑)。それだけ、普段なかなか話せないテーマについて、腰を据えて語り合える時間になっていたのだと思います。
参加者の皆さんにとって、少しでも明日につながる気づきやヒントを持ち帰っていただけていれば幸いです。

■次回のINOVATA会議は?
2026年2月4日(水)に開催予定です。テーマは「オープンイノベーションについて考える」。
『オープンイノベーション』―――言葉としては広く知られるようになった一方で、「実際にはどこから手を付ければいいのか」「自社にとって本当に意味のある形とは何か」と悩まれている方も多いのではないでしょうか。
当日は、参加者それぞれが抱える悩みや取り組み、試行錯誤について、現場ならではの視点で踏み込んだ意見交換が行われています。同じ立場で新規事業に向き合うからこそ得られる気づきも多く、毎回学びの深い時間となっています。ぜひリアルな場で、その空気感や議論を体感していただければ嬉しいです。お気軽にご参加ください。
詳細・申込みはこちら
■INOVATA会議とは
INOVATA会議は、企業の中で新規事業を進めているリーダー・担当者が集まり、互いの課題や工夫について意見交換することで業務につながるヒントを得る交流の場です。
「INOVATA会議がなぜ立ち上がったのか?」についてはこちらをぜひご覧ください。
・第2回開催レポート『顧客インタビューをどう乗り越える』
・第3回開催レポート『新規事業は誰が向いてる?』