イノベーションという言葉の響きなのか、破壊という言葉なのか、最近は大きな価値を生むことが何か簡単になったという雰囲気が漂っているような気がします。
顧客の欲しがっているものを理解して、それを上手に造るという過程には変わりがないはずです。
顧客の理解に必要な時間や情報、信頼関係。優れたソリューションをデザインするのに必要な時間や、気の遠くなるようなデバッグをやり切るのに必要な忍耐、それらそのものは省くことができません。
リーンスタートアップや、ビジネスモデルキャンバスが効果的なのは、むしろ必要なこと以外に時間やお金をかけないことにあると思っています。例えば、製品をつくる前にたくさんインタビューをするのは、作ってしまってから不満の声を聞いて対処する時間を省いてくれます。また、単純な試作品やMVPをお客さんに試してもらうことで10個の機能に散らばった1000個のバグを1つの機能の100個のバグへと絞ってくれるんです。最初から複雑なシステムをデバッグしようとすると、機能間の依存関係を紐解いて原因分析をしないといけないので、かかる労力は10倍ではすみません。部分的に機能や顧客の反応を検証すると全体の労力が減らせるのは、余計なノイズをカットしているためで、つくり込みに必要なエネルギーは変わらないように感じます。
スタートアップに向いたさまざまな手法を取り入れても結果が出ていないように感じるようでしたら、余計な作業が減って、必要な作業に時間をかけられているかどうか検証してみてはどうでしょうか。
さまざまな手法に取り組み、作業が疎かになったり、耳年増になり余計な作業をしてしまったり、新規事業をかえって難しくしちゃっているケースが見受けられます。会議室で悶々とする時間が減り、売れない機能を作り込むことが減っているか、測るのです。持っているエネルギーをはすべて意味ある活動に向けたいものです。Y Combinatorを設立したことで有名なPaul Grahamは起業家にこのように伝えるようです。
さまざまな手法に取り組み、作業が疎かになったり、耳年増になり余計な作業をしてしまったり、新規事業をかえって難しくしちゃっているケースが見受けられます。会議室で悶々とする時間が減り、売れない機能を作り込むことが減っているか、測るのです。持っているエネルギーをはすべて意味ある活動に向けたいものです。Y Combinatorを設立したことで有名なPaul Grahamは起業家にこのように伝えるようです。
If you’re ever unsure if you should be doing what you’re doing during YC, ask yourself this question: ‘Am I building our product? Am I talking to users? Am I exercising?’. if you’re not doing one of these things, you’re doing the wrong thing.
《訳》Y Combinatorで何をするべきか不安に感じることがあったら、次のことを自問してほしい:ものをつくっているか?お客さんに会っているか?運動をしているか?これらのことを行っていないなら間違ったことをしている。