https://virtualconference.td.org/

 

6月第1週に atd VIRTUAL CONFERENCE 初のオンラインでのカンファレンスが開催されました。元々は5月の中旬にアメリカのデンバーで予定されていましたので、開催中止決定から比較的短期間でのオンライン開催決定だった印象です。

私個人は、元々現地での参加を予定し、デンバーの街並みと大好きなBlue Moon(全米No1クラフトビール)を本場で味わう事を諦めた所に、オンラインでの開催案内。オンラインとはいえ、5日間のフルスケジュール、時差13時間のシフトワークで最後まで参加できるか!?、色々悩みましましたが、オンラインを体験するのは、今回だけのチャンスかもしれないと思い最後はRegistrationしました。90日間は視聴可能と言うのも後押しになりました。

 

Keith Ferrazzi 氏の Co-Elevation Kickoff : Going Higher Together

初日の基調講演はニューヨークタイムズのベストセラー『Never Eat Alone』の著者である Keith Ferrazzi 氏の Co-Elevation Kickoff : Going Higher Together でした。内容は「オフィスや正式な肩書き、あるいは物理的な職場を必要としない、根本的な新しいワークプレイス・オペレーティング・システムにおけるリーダーシップ、コラボレーションを再定義する。」と言うもので、コロナ下の状況での働き方にもマッチするものでした。

本来リアルでの基調講演であれば、講演前のBGMが会場を盛り上げ、数千人が入る会場で、豆粒の様なスピーカーを見ながらのセッションだったのでしょうが、小さな画面、普段着のスピーカー、静かな語りかけで、深夜の時間帯でこちらも自宅と言うことがあり、とてもウェットに染み入る様に参加することができました。

スピーカーも参加者も、お互い普段の空間で、とてもリラックスして参加できる。これは不思議な学習体験でした。講演なんだけど、本を読んでいる様な感覚です。チャットラインにコメントは流れていくので自分一人ではないのはわかるのですが、リアルでの参加と違い会場の雰囲気や熱気は感じられません。

以前、同様に中止でオンライン開催でなったカンファレンスの動画を見ましたが、これは壇上でスピーカーが話すのを記録しただけのものでしたので、リアル開催の劣化版と言う印象だったのですが、スピーカーも参加者も普段の空間で#Stay Homeで、と言うのは、オンラインならではの良さを活かしていると感じました。

 

Marcus Buckingham 氏の StandOut Teams – How to Build Strong Teams Through Strengths

マーカス・バッキンガム氏の講演は2018に会場で聞きましたが、今回はより自然体で等身大の彼を感じることができ、ステージ上でのロックスターの様な姿より、個人的にはとても好印象でした。
レジェンドと呼ばれるスピーカーの語りを近くで、よりパーソナルに聞けるのもオンラインの良さと感じました。

 

ジョブ理論で考えてみるとオンラインがより上手に解決できるジョブは、以下の様な感じでしょうか。
 機能的な目的
  ・移動せずに、コストをかけずに、参加したい
  ・好きな時間に、隙間時間で参加したい
  ・理解できない部分があったら、もう一度見直したい
  ・寒すぎる会場ではなく、自宅で快適に参加したい
 感情的な目的
  ・会場の熱気を感じたい、参加者からの刺激を得たい
  ・レジェンドの語りをより近くで、パーソナルに感じたい

オンラインと言うと機能的な目的ばかりが頭に浮かびますが、感情的な目的にも目を向けると、より体験価値を高めるオンラインセッションのデザインが出来そうです。

 

さて、今回のオンラインカンファレンスの参加者は、世界で4,000名以上、日本からは約200名だった様です。2018年のサンディエゴでは世界で13,000名、日本から269名、2019年のワシントンD.C.では世界で13,500名、日本から227名でした。
移動の費用と手間がなくなり、参加費が1/3程度になり、手軽さは増しましたが、リアルでの体験価値は圧倒的に減りましたし、同時開催の展示会もないので、魅力が減るのは致し方ないかと、その中で、タイムゾーンの違いを乗り越えて日本からの参加がそれ程減っていないのは、国民性なのでしょうか。

 

オンラインの価値は?

個人的には、欲しい知識のインプットと言う意味では、オンラインは非常に有効だったと思います。一方で物足りなかったのは、偶発的な出会い・発見です。出会った人から得られる記憶に残るエピソード、歩き回っている中で発見した情報、こうしたものはリアルな場があってこそ担保されると思います。オンラインのコミュニティの中でリアルの様に歩き回るスキルが必要なのかもしれません。

 

オンライン版でも価値を出せるかは、リアルでの形式に拘らずに、オンラインならではの良さを出していけるかにかかっています。
私自身、色々な形式のセッションに参加してみて、オンラインでもオンデマンドの動画、同時刻で行うライブセッション、ライブセッションの録画の配信、チャットでの会話等、ツールやプロセスの選択肢は広がっているので、目的に応じたプログラムの設計が重要だと言う事を再確認しました。
そして、これは対面で集合の場合でも一緒、あまり、”オンライン”と言う言葉に振り回されずに、かつ、これまでの提供方法の固定観念は外して、目的からデザインする基本に立ち返るのが大切ですね。

 

 

最後に、これは私自身の実験でもありますが、オンラインでの手軽さを活かした、「かんたんに学べるシリーズ」を紹介させて頂きます。テーマに合わせてランディングページのテイストも変えました。

 「かんたんに学べるシリーズ」とは、ちょっと難しそうな題材を「かんたんに」学んでいただく短編セミナーシリーズです。 第一弾(7/20(月)13:30〜16:30)は、多くの方が経験されている「リモートワーク」を事例として、「ビジネスチャンスの探し方」を学びながら、「イノベーションの基礎」をオンラインで習得いただきます。

https://school.jma.or.jp/products/detail.php?product_id=151390

他にもオンラインでのセミナーを企画しておりますので、ご期待ください!


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