深化するディープテックの熱源地の画像

〜初期から伴走し続けた「NEP-Lab 2026」で見えた、イノベーターの真髄と成長の軌跡〜

2026年3月10日、春の兆しを感じる六本木・東京ミッドタウンホールは、日本のディープテックの未来を担う起業家たちと、彼らを支える熱い志を持った人々で溢れかえりました。私は、NEDO Entrepreneurs Program(NEP)が現在の形にリニューアルされた第1回から、今回の第4回となる「NEP-Lab 2026」まで、伴走者としてスタートアップの支援を続けてきました。
振り返れば、昨年は約150名規模だった来場者数も、今年は250名を超えるまでに拡大しました。会場には終始熱気が漂い、エコシステムが着実に、そして力強く成長していることを肌で感じる一日となりました。

1. 「伴走者」として見守った、起業家の成長と挑戦の循環

今回のイベントでは、起業前フェーズを対象とした「開拓コース(58名)」と、起業直後で事業化を加速させる「躍進コース(30社)」の2会場で、同時にピッチが行われました。NEPの特徴は、こうしたステージごとに支援を用意し、技術シーズを段階的に事業化へ導く仕組みにあります。

昨年度、私が伴走していたフロントランナーが「審査員特別賞」を受賞し、今年は一つ上のステップである「躍進コース」に採択されて、中間発表の舞台に立っていたのです。1年間のメンタリングを経て、彼らは単に事業計画を磨いただけではありません。起業家としての覚悟や意思決定の力など、人としての成長を感じさせる姿に変わっていました。伴走者の役割は、ビジネスの助言にとどまりません。時には人生のメンターとして向き合いながら、挑戦する覚悟そのものを支えていきます。

NEPは単なる一過性の支援プログラムではありません。技術シーズを事業化へと繋げ、着実にステップアップさせていく「成長の階段」として機能していることを、フロントランナー達の姿が改めて証明してくれました。

2. 「行動量」こそがイノベーターの正体:世界標準の視点から

では、こうした成長の差はどこから生まれるのでしょうか。

私たちが提供している「イノベーターDNA診断」は、クレイトン・クリステンセン教授らの研究に基づき、イノベーターの特性を「発見力」「実行力」「勇気」という3つの観点から評価するものです。

この診断やこれまでの支援を通じて、私たちが一貫して感じていることがあります。それは、イノベーターかどうかは才能ではなく「行動特性」で決まるということです。

今回のフロントランナーたちを見ていても、その傾向は明確でした。受賞した方々は、例外なく圧倒的な行動量で際立っていたのです。仮説を立て、検証し、修正する。そのサイクルを誰よりも多く回していました。スティーブン・R・コヴィー氏が「成功する人には共通の習慣がある」と述べたように、イノベーターにもまた共通の行動習慣があります。その日々の積み重ねが、やがて確信に満ちたピッチとして現れていたのだと思います。

3. 圧倒的なレベルアップを遂げたピッチの舞台

ここ数年、ピッチのレベルは年々向上していますが、今年はまさに「粒揃い」でした。内容の深さはもちろん、聴衆を惹きつけるストーリーテリングの腕も格段に上がっていました。

今回は全フロントランナーが登壇できるように、7分間ピッチに選ばれなかった人にも2分間ピッチの場が得られるという方法だったのですが、47名から復活ピッチのメンバーを選ぶのにも非常に苦心しました。

最終的に選ばれた6名による7分間の本気ピッチは、どれも非の打ち所がない素晴らしさでした。起業の動機、顧客課題の生々しさ、事業アイデアの構成、そのすべてがオール満点と言える出来栄えで、甲乙つけ難く、オーディエンス賞の選定には、会場中が頭を悩ませるほどでした。

4. 「リユニオン」が生む新たな出会いと、未来への決意

交流エリアで開催されたパネル展示では、現役の採択者30社に加え、開拓コースの事業者や卒業生など、計約60ものブースが並びました。そこはまさに「リユニオン(再会)」の場であり、かつての教え子たちが成長した姿を見せ、新たな採択者たちと刺激し合う、温かくもエネルギッシュな空間となっていました。夕方の交流タイムには、VCやCVC、事業会社の担当者と熱心に商談を行う姿が随所で見られ、ここから次なるインパクトが生まれる瞬間を何度も目撃しました。

さいごに

このような質の高いコミュニティを育み続けているNEDOスタートアップ支援部の活動に深く感謝すると共に、私自身もエコシステムの一員として、さらなる「インパクトのある成果」の創出に向け、全力で伴走し続ける決意を新たにしました。日本のディープテックが世界を驚かせる日は、すぐそこまで来ている。そう確信させてくれる一日でした。

【イノベーターDNA診断】
INDEE Japanが提供する「イノベーターDNA診断」は、個人の診断に留まらず、組織全体の分析も可能です。イノベーティブな組織作りや、社員の適正に応じた支援策の検討にぜひご活用ください。診断後には、向上させるための具体的な行動指針もお伝えします。ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。

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