INDEE Japanを設立してもうすぐ2年目の締めを迎える。多くのみなさまから素晴らしいご縁やチャレンジの機会をいただき、弊社も無事3年目を迎えることが出来そうである。本当にありがとうございます。
会社を設立してからの2年間を振り返ってみて印象的な事の一つとして、仕事としていただいたセミナー、講演および自主的に参加した交流会の場で何度も下記の質問をいただいた。
・この不景気なご時世によく起業を決断されましたね?
・ご家族には心配されませんでした?どう説得されましたか?
これらは確かに起業を目指す多くの人にとっては重要な質問のように思われる。しかし失礼ながらこの質問をしている、あなたはまだまだ起業するには早いと考えた方が良いかもしれない。
1つ目の理由は、この問い対してどんなに明確で納得感の高い回答が得られたとしても、残念ながら聞き手が学べることは殆どない。こうした決断の裏にある心理は究めて個人的な特性に依存しており、家族の同意や理解という外部環境もある意味多くの人にとってコントロールできない要因であることが多いからである。
そして2つ目の理由は、こうした質問が真っ先に思い浮かぶあなた自身の中に、起業に対するイメージがまだ明確でないことが伺われるからである。
では、実際のアントレプレナーシップと言われる志向を持つ人が弊社のような何をしているか分かりにくいベンチャー企業を見ると何を考えるか?何を知りたいと思うか?恐らく下記のような問いをしたくなるのではないかと思う。
・そもそも何をするために起業されたんですか?
・モチベーションの源泉はなんですか?
・提供価値とビジネスモデルはなんですか?
・なにが切っ掛けでそのビジネスモデルに気づきました?
・なぜそのビジネスモデルが実現可能だと思いました?
根っからのビジネス志向がある人種の興味は、重みは違えど起業家であるその”人物”と”提供価値”そして儲けの仕組みである”ビジネスモデル”にあると思う。そしてその領域における自分自身の仮説と他人の考え方とを比較検証して戦わせることを楽しいと感じる人達だと思う。そして自らが正しいと思う価値を世の中にぶつけてみてその反応を伺いながら試行錯誤することにワクワクする人達である。
そう考えると起業を決断した裏には、景気がどうこうとか、家族の説得の不安がどうこう以上に、自ら提供したい価値が具体化しており、それを世に問うてみることにやれそう感を感じているのは間違いないと考えた方が妥当であろう。
つまり、起業というチャレンジは、起業家本人の思考や心理に共感できない他人にとっては無謀のように見受けられるが、彼ら本人の中ではやりたい事が具体的であり、強い”やれそう感”を感じているものである。もし、そうでなければ、恐らくその企業は来年にはないかもしれないし、結果が出るまでには間違いなく相応な遠回りをすることになるであろう。
あなたの中で具体的な提供価値とそしてあなたの中でそれをビジネスとして回せているイメージを構築することが出来たら、それは起業の準備ができた時である。そしてそのイメージは事実かもしれないし、単なる勘違いかもしれない。でもそこへ向かうチャレンジを語るあなたにワクワクしてくれる人がいれば仲間が増えるし、それにお金を払ってくれるお客さんが現れそうだと思う人がいればお金も集まる。こうした人、モノ、金の流れは外から見ると偶然のように見えるが、中にいると結構必然の世界なのである。
そう世界はいつでもあなたの準備を待っている。