今年最後のコラムは、幸せについて考えてみたいと思います。
ここ数年、幸福感をテーマとした議論が増えてきています。
右肩上がりの経済はもう望めない、画一的で分かり易い幸せのモデルが描けない今、
一人一人に自らの幸せのビジョンが求められているからでしょうか。
コップに半分残った水の話をご存知でしょうか?
コップに半分残った水を見て、
「もう半分しかない・・・」と悲観的になる。
「まだ半分もある!」と楽観的になる。
もう半分しかない、どうしよう、足りないかもしれない・・・と悲観的になるよりも、
まだ半分もあるじゃん!大丈夫だよ、気楽に行こう!と楽観的でいる方が良い。
という話が良くあるポジティブ思考の例です。
ここで例えを変えて、コップの水では無くプロジェクトの運営予算だったらどうでしょう。
「残り予算は半分だ。この予算の中で何を成し遂げるか?真摯に向き合って行こう」
「予算はまだ半分残っている。大丈夫、必ず成果は出せる、ガンガン行こう」
こうなると、どちらの見方が良いとも言えないのではないでしょうか?
残ったものを見て、これからを悲観的にとらえる、楽観的にとらえる。
それよりも、もっと重要な事があると思います。
それは、今、ここに、集中する事です。
私たちは、直線的な将来が描けない、変化の激しい時代にいます。
悲観的に考えて備えを厚くしても、
楽観的に考えて前向きに進んでも、
結局不安は尽きません。
それよりも、今、この瞬間に集中すること。
全ての出来事を味わい尽くすこと。
日々の過ごし方に幸せは隠れています。
365日×24時間×60分×60秒=31,536,000の瞬間の中で、
自分が人生を十分に味わっていると感じた瞬間はどれぐらいあったか?
今年ももう僅か、一年を振り返り、味わい直してみませんか。
コップに残った水の量を心配するよりも
今そこに在る水を味わいたい。
一瞬、一瞬を大切に、生きて行きましょう!