昨日に引き続き、Innosightワークショップに関連して書きます。
クリステンセンが命名した「破壊的イノベーション」というのはドラッカーが定義した企業の目的と非常に深い関係があります。
ドラッカーは企業の目的は「顧客の創造」しかない、と断言しました。
このことをつい、私たちは忘れてしまいます。なぜなら、一般の企業活動は「顧客の維持」に向けられていることが多いからです。それは、既存顧客に対する営業が新規顧客に対する営業と比べるとはるかにコストが掛からないためであり、顧客を創造しなければ、維持する顧客がいないことを忘れてしまうからでもあります。
既存の顧客の中でも要求が厳しい顧客を維持するために、オーバースペックな製品やサービスになってしまう場合、破壊的イノベーションが生じると、クリステンセンは説いています。要求がさほど厳しくない新しい顧客が、スペックでは劣るが十分な機能の製品に出会うと、一気にこの安い製品が普及します。
映画製作用ビデオカメラが家庭用ビデオカメラに駆逐される経緯を例に考えてみます。従来のスペックとして劣るビデオカメラであっても、顧客を創造することができる様子を簡単に示しました。
この経緯をグラフにすると、有名なイノジレのグラフになります。