木を見て森を見ず
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いわゆる細部にこだわり過ぎて、全体を見失うということわざであり、ビジネスの世界での戒めとしてよく引用される言葉である。一方、

魂は細部に宿る
と芸術の世界では細部までこだわることの重要性を意味する名言もあります。つまり物事の本質を捉えるためには、細部もそして全体も両方重要ということになるわけですが、とりわけこの後者の全体を捉えるといはどうゆうことか?を理解することが非常に難しいものである。そしてこの全体を捉えられるという能力こそが何かを極めるという意味において、目指すべき頂きであり、どんな分野においても一流である人の共通項であることを確信している。つまり、一流になるためにはこの能力を見つけるというとニアリーイコールであると言い換えても過言でない。
最近は技術系の分野でもシステムズエンジニアリングやシステム思考という言葉が一般的になり、健康、医療分野などではホーリスティックという表現が使われたりと物事を部分ではなく全体で捕らえるという考えが一つのトレンドになってきている。
しかしこうした言葉は普及したとしても”全体観”を捉える概念は非常につかみどころのないもので、座学で全体を見ろ!とか視座を上げて考えろ!言われても一朝一夕でできるようになるものではなない。特に経験や知識の少ない若い人達には実感として理解しにくいものである。じゃぁ何から取り組めば良いのか?そのヒントを与えてくれる言葉は、宮大工の西岡常一氏のこの一言である。
一芸に秀でるものは多芸に通ず
一芸に秀でることができて初めて多芸に携わる基盤ができる。つまり、まずつべこべ言わず一つの事を必死に極めて見ろ!ということである。この言葉にピンとこない方はホントですか?!と言いたくなるかもしれないが、これは私の実体験からも間違いないと確信していることであるし、世の中の一流と言われている人達でこの事を否定する人にもお目に掛かったことがない。一芸を極めるプロセスにおいて、実は世の中に共通する原理原則多くを学ぶことができるようになる。それによって、この経験のアナロジーを通して多くのことが見えてくるのである。
最近はなんでもできる多能工化が求められ、様々な知識やスキルを身につけなければ生きていけない風潮がある。そして成果や結果を急ぐあまり、少し取り組んでうまくいかないと向いてない?!と諦めてしまいがちである。しかし、子供達や若者にこれだけははっきり伝えたい。
20代までにやると決めたことを一つやりぬいてみろ
ということである。テーマはスポーツでも趣味でも仕事でも何でも良い。何か一つでもNo.1を目指してがむしゃらになってやり、ある域に到達すると、必ず今まで見えなかった世界が見えてくる(見えてこないならばそれはまだまだ止めるには早い)。そしてこの経験があなたの未来の可能性を広げることになる。
これは最近多くの若者から相談を受けると必ず言いたくなるメッセージである・・・いやこれはホントに心からのアドバイスです。

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