トランプ当選の影響なんて〇〇!

アメリカの大統領選挙はトランプ氏が勝ち、多くの人の予想と期待(自分も含め)を裏切った結果となりました。

FacebookやTwitterのタイムラインには、結果を受け入れらない人たちの絶望的なコメントが流れます。越境してカナダに住むことを真剣に考える人も激増したようで、トランプ政権下でどのような国になるのか、不安が渦巻いています。

日本でも、TPPや在日米軍の件など、人々は不安を抱え、メディアが増長しているように感じます。

 そんなとき、スタートアップ情報配信を行なっているCB Insights(自身もスタートアップである)のCEOが配信したブログが素晴らしかったので、共有しておきたいと思います。スタートアップ経営者ならではの視点ですが、誰にとっても何が大事なのかシンプルに書かれています。 ブログ原文はこちらです(許諾を得て訳しています)

タイトル:Memo: What Does The Election Mean For Us? (社員向けメモ:我々にとって選挙はどのような意味を持つのか?)



答え:雑音は無視しましょう 



CB Insights社では、月次のミーティングを開催し、財務業績や他の重要な指標を全社で共有しています。この全社ミーティングの最後には質疑を交換します。
今月は木曜日でした。ちょうど、選挙の後です。「我々にとって選挙はどのような意味を持つのですか?」という質問が何度か挙がりました。
下記がCB Insightsの共同創業者であり、CEOのアナンド(@asanwal)が送ったメモです。


皆さん、

月次ミーティングでは上手に答えることができなかったので、もう一度この場でトライさせてください。 

多くの皆さんが結果に驚き、またおそらく落胆していることを知っています。移民の息子であり、小さな娘を持つ父として、正直言うと、個人的な理由から違う結果を望んでいました。しかし、現実には制度があり、結果が出た以上は好きか嫌いかにかかわらず生きて行くしかありません。それがこの国の良いところでもあります。

もちろん、市民として政治にかかわることで変化を生み出すことはできます。しかし、それは個人としての判断であり、今回は違う観点で話をします。

これまでの話で私がどちらに投票したかはお分かりだと思います。しかし皆さんの投票活動は自由ですし、私は関与しません。

皆さんがヤルことをヤって、ヤルことが優れていて、つつましく、周囲を尊重する良きチームメイトであること以外はまったく関係のないことです。

政治批判をしたいわけではありません。

質問はCB Insightsに対する影響についてですので、本質的には政治的なテーマから、政治的な側面をなるべく取り除いて答えていきたいと思います。

端的に答えるなら何の影響もありません。 

我々の領域にVCから多額の資金を集めたスタートアップが登場したり、類似企業が買収されたりした場合とそれほど変わりません。エグジットについて人から聞かれても同じようなものです。
どれも関係ありません。
単なる雑音です。
雑音は無視しましょう。
不況の中この会社を始め、生き抜いたことを覚えていてください。
我々はゴキブリです。
市場が不確実なときにもっとも予想しやすい戦略は、利益もキャッシュフローも黒字であることです。我々は今までずっと黒字です。選挙の直後、スタートアップ界隈では、資金調達を早く済ませろ、多めに集めろ、出費を抑えろ、といったツイートや投稿が目立ちました。我々は生存のためにVCパパを頼ったことはなく、常に自立していました。
経営理念は常に本当の企業を創造することにあり、変わることはありません。誰が大統領になっても。
雑音は無視しましょう。
 
火曜日の午前中、選挙前にCB Insights を創造する一員であることに喜びを感じていたなら、今日も何ら変わりないはずです。
我々は現在もっとも成長している(誰も噂をしない)SaaS企業の一つを創造しています。それを金を無駄にせずにやってきました。このまま我々のチーム、つまりメンバーとお客さんを大切にしつづければ良いコトがおきます。 
雑音は無視しましょう。
もちろん、用心深さは必要です。もしビジネス環境に不確実性が高まることがあれば、顧客(B2Bしかやりません)も不安になるかもしれません。しかし、まだそれはおきていません。もし状況が変われば対処します。今は、コントロール可能なことに集中します(どのように社内や顧客、メディア、等々と協力するか、何に時間をかけるか)。また、顧客にとって不可欠なプロダクトをつくることにも集中するべきです。 
もし、何らかの不況になり(まったく予知できないが)顧客が不安になったとすると、誰もが苦しむことになります。私たちは蓄積がある上、本当の会社なので大丈夫です。競合各社がビジネスを何とかしようとしている間にシェアを取れるはずです。
そうなったときは、クソを捏造したり、何も知らない業界アナリストや経営コンサルタント(政治専門家みたいに)に大金を払っていることに顧客も気づくときであり、攻めるときです。
もしこの選挙が何かの教訓を与えてくれているとすると、それは、専門家は何も知らないということです。業界の複雑性に対する我々の攻撃は市場環境と無関係であり続けますが、もちろんその環境を敏感に捉え続けます。今後しっかり評価していく点は:

  • 保険への影響 ーー 健康保険の観点からどのような影響があるかを取引先と一緒に見ていきます。 
  • 資金の保管先 ーー 昨年得た資金には手をつけていないので、安全な運用先に預けています。そこから少しの利益を得ていますが、もちろん注意します。 
  • 税率 ーー 税率が下がることが考えられるので、その影響は明らかです。

これらについてはどれも監視しつづけます。

さらに高次元のことですが、我々が考えていること、知っておいてもらいたいことがいくつかあります。

ベストな人を雇う ーーこのチームの3分の1が女性であること、大きなIT企業よりも多様なエンジニアがいることを誇りに思っています。引き続き最高の能力を持つ人たちがCB Insightsに魅力を感じてもらえるように頑張ります。ダイバーシティそのものが目的であったことは特にありません。

我々は最高の人たちを雇いたい。それだけです。だから採用者は応募者の1%未満となっています。しかし、一つだけ注意しているのは、ある特定のバイアスを持った人や特定のタイプの人間ばかりを採用しないことです。なので、「その人とビールを一杯やりたいか?」もしくは「その人と大陸を横断するフライトを一緒にしたいか?」といった基準で企業文化とのマッチングもしません。最高の人たちを雇い続けるというコミットメントがそれよりも重要だからです。

クソでかい会社をつくる ーー始めた頃は3人だった会社が今は100人以上を雇用しています。そして多くの人たちにとっては最初か2番目の会社です。このように雇用機会をつくることを重視していますし、社会にとっても大切なことです。最高の社会貢献です。

マーク・キューバンは『最も愛国心ある行動』というエッセイで語っています。

Bust your ass and get rich. ケツ動かして金持ちになれ。
船から溢れるくらいのカネを持て。税金を払え。たくさん払え。人を雇え。人を教育しろ。人にカネを払え。家賃、設備、サービスにカネを使え。もっと税金を払え。

未来の産業に光を照らす ーーこの選挙で「解明」したことの一つは多くの人が抱えている経済的な不満です。政策の話をあまりしなくても一部取り残された人がいることは明らかです。製造業や炭鉱や他の斜陽産業に雇用を増やすことが万能薬のように語られますが、実現性はありません(私の意見なので、反論のある人は言ってください)。

言い換えると空想なのです。

しかし、これから起きることは新しいセクターの成長です。ハードウェア、ソフトウェア、運輸、エネルギー、その他の産業で未来の仕事を爆発的に増やす可能性を秘めた会社をいくつも見ています。今後もデータを根拠に、それらの新興領域に光を照らし、資本と資源の配分を促していきます。

我々の影響力に疑いがあるなら、保険系のベンチャー投資家を誰か見つけて尋ねてください。最近開催した会議では、数人の投資家からCB Insightsのデータによって、投資家が集中してやりにくくなっていることを言われました。つまり、もう一度言いますが、今やっていることをやり続けましょう。

雑音を無視しましょう。

レイ・アレンの若かった頃の自分への手紙を読んでいないなら、読んでみることをお勧めします。この2行でその手紙は終わります。

若造、仕事をしろ。

ほとんどの人は本当のお前を理解しないが、お前のやった仕事は理解する。

究極はそのことしかコントロールできません。チームの知能、謙虚さ、勤勉さ、が良い結果を生むのです。

オバマ大統領は我々のために契約を取ってきたり、コードを書いたりしたことはないし、ドナルド・トランプもそんなことはやってくれません。

大統領によって我々は成功(もしくは失敗)するのではありません。

我々にかかっているのです。

雑音は無視しましょう。

Love,

A

Written by Shingo Tsuda on 2016-11-23