関東の方は同じに思えるかも知れないが、岡山と大阪の文化圏、言語圏は全く異なる。岡山県民は関西人ほどのノリもなくむしろ排他的。言葉のイントネーションにはあまり抑揚が無くむしろ関東に近い。そういう自分にとって大阪の初対面からフレンドリーで、とにかく何か話をするときには常に”ぼけ”なければ場に入っていけないように感じる文化はかなり新鮮だった。
ただ個人的にはこの関西文化と出会えたことが、”津嶋くんはハードボイルド?!”というレッテルを貼られて、渋めなキャラ?!を演じてた中高時代に押さえていた本当のキャラを徐々にデビューさせていくことになる(笑)
話を本題に戻すとおっちゃん達は、そういう大阪の中でも岸和田の”だんじり祭り”でも有名な河内エリアに近い、堺市の中小企業の経営者と商工会議所の面々。そしてそのおっちゃんの中での中心人物である、中野さん(仮称)は見た目はゴルゴ13ばりの眼球するどい目つきと眉毛の濃さ・・・さらに加えてドスの効いた低い声。
これからの活動拠点になる運送会社の倉庫を学生数名で初めて訪れた時も、毎年新人への恒例となる儀式の洗礼をあびることになった。
学生:「こんにちは〜、初めまして今日は見学させてください」
という挨拶に対して初対面など関係なく、いきなり突っ込みが山のように帰ってくる。
中野:「おまえは誰や?まず名を名乗れ」
津嶋:「津嶋です」
中野:「ここに何しにきたんや?」
津嶋:「え・・・今日は飛行機製作を見学させていただこうかと・・・」
中野:「そんなんわかっとるわ。おまえは何がやりたいんか?ときいとるんや」
津嶋:「鳥コンに出たいと思ってまして・・・」
中野:「それは本気なんか?どこまで本気かここで見せてみろ」
津嶋:「本気さを見せる?・・・ですか??」「え〜っと・・・」
中野:「ちゃんと見せられんのか?おまえ見とったら全然本気さが伝わってこんわ。そんなやつはいらんわ」
中野:「それからおまえなにへらへらしとるんや、冗談は顔だけにしろよ」
津嶋:「・・・」
<静かな時間が経過>
中野:「おまえ今日は手伝いにきたんとちゃうんか?そんなところでボーッとつったっとらんとこっち来てこれもっとけ」
津嶋:「あ・・・はい」
という支離滅裂?!にも思えるコミュニケーション。
実はこれから様々な場面で何度も繰り返されるこれらのつっこみは、
“自分自身の本心と向き合うきっかけとなる問い”
になっていった。
繰り返し自分の心と向き合う事で、津嶋自身も自分の強さと弱さを知り自分の思いと力を解放できるようになっていくことになる。
つづく・・・