初めて参加した第18回鳥人間コンテスト
サポーターとして立候補してくれた友人達には「もちろん飛ぶから応援に来てね・・・TVに出れるかもしれへんし・・・」なんていわゆる典型的な集客コメントを振りまいていた。
もちろんこれらの効果はてきめんで、大学から応援バスのチャーターが必要なほど多くの友人や大学の近所の方々応援に来てくれたのだ。その辺りがさすが関西だと知らない人がいない人気番組?!お祭り好きの関西人にとっては、知り合いが出るというだけでのすさまじいインパクトである。
がしかし正直に白状すると大会前からまともなフライトができる可能性はないと思っていた。ただ心の中ではほんの僅かながらもしかしたら・・・奇跡がおこって少しは飛べるかも??という下心としての期待もあった。
ただ自分達としては、中尾は機体押し、そして津嶋は翼持ちとしてプラットフォームに上がることができただけでも一般視聴者からすると大変贅沢な経験ではあった。
ただ10mの高さから真っ逆さまに落下する機体を目の当たりにすると、何物にも代えがたいくやしさがこみ上げてきた。
それは結果にというより、こんな大舞台に来ているにもかかわらず、何もできていない・・・そしてやろうとしてもできない自分に対しての憤りだった。
そして100%当事者でないと、いくらお祭りであっても全く楽しめないという自分の性格を改めて再認識した。
やっぱり本気じゃないと全然楽しくない・・・。当然の結果だとはいえ、プラットフォームを意気消沈してトボトボ下りながら、例年は必ず良い機体を持ってきてやる・・・なんて大会前には全く考えられないぐらいの熱い思いがこみ上げてきていた。
琵琶湖には・・・あのプラットフォームには、一度上がると誰もが引き込まれてしまう魔力があったのである。
これがいわゆる大舞台が人の心を揺さぶるというエモーショナルな魔力である。
この1年目のプラットフォームでのできごとがあったからこそ、
学生生活すべてをこの鳥人間に掛けてもいいという気持ちが決まった。
といっても過言ではない。単なるノリだけではその後の
というまで第一回大会終了時までの補足も含めた振り返り・・・。
そして大会終了後の今後どうするか学生メンバーそれぞれの思いを共有することになった。みんなもちろん鳥人間は好きだ・・・だからこそここにいる。でも学生生活すべてをコミットできるか??と問われると他のサークル活動、恋愛、バイトなどなど楽しそうな誘惑が一杯の中、簡単に決められるものではない。しかも
おっちゃん達は本気でやることを約束しないかぎり支援してくれそうにない
これはメンバーで合意していたかどうかは忘れてたが、いくつかのポリシーをおっちゃん達にコミットすることになった。
・ボチャンはしない
(初出場の時やってしまった離陸後即墜落はしない・・・
つまり、航空宇宙工学科の恥さらしはしないということ。
残念ながらこの段階ではまさか優勝を目標にすべきだなんて夢にも思っていなかった)
(初出場の時やってしまった離陸後即墜落はしない・・・
つまり、航空宇宙工学科の恥さらしはしないということ。
残念ながらこの段階ではまさか優勝を目標にすべきだなんて夢にも思っていなかった)
・留年しない
(留年したら即退部)
(留年したら即退部)
これは裏返せば、入学時に大学教授に言われた鳥人間コンテスト出場を勧めない理由そのものである。今思うとおっちゃん達もこの辺りは大学と自分達のことも考えてくれた上での決めごとにしてくれたんだと思う。ただ、この手のコミットは今後毎年増えていくことになるのだが・・・。
そんな中で大会に初出場を手伝っていた6名のメンバーの中で、本気でやろうと決めたメンバーは結局3名。後はサポーターとして間接的な支援をしてくれることになった。
個人的にはもう一人どうしても口説きたい仲間がおり、熱烈アプローチをしたが、こういうのは片思いでは成立しない。こういうのはいわゆる恋愛と同じである。口説いてどうにかなるものでもないというのも改めて感じた苦い経験でもあった。
チームの名前は”風車の会”をそのまま英語にし大学名を加えた
“大阪府立大学WindMill Club”
当時大学名でエントリーすることは大学側から認めれていなかった。しかし、いつか”大阪府立大学”という名前を自信を持ってテレビに出したい・・・自分としてはそれに非常にこだわっていた。このように無条件で母校を愛してしまうのも日本人ならではの忠誠心だったのかもしれない。 そしてそれはその2年後、大会新記録で総合優勝という結果を残した後に初めて実現することになる。
WindMill ClubのMが大文字なのがチーム名としての重要なポイントであるが、これはデザイン上のバランスといいつつ、WCだとトイレになるので、略語をWMCとするためもものである(笑)
機体のコンセプトとしてはとりあえず確実かつ無難に飛ぶこと・・・人力プロペラ機としては定番のレイアウト(トラクタータイプ)機体サイズでいくことを決定
そしてパイロットは元水泳部の「中尾 誠」・・・この能力は未定?!
こうして我々の2年目のチャレンジがスタートすることになる。