FACILITATION as a tool for INNOVATION
今回は会議決行というプロセスを紹介する。
会議決行
これは会議を進行する上での4つの基本的なステップを示している。
会して
議して
決して
行す
そして、成果を得る。
会して
初めが肝心の必須ステップ。日々の会議の場であれば、挨拶。おはようございます!、こんにちは!、こんばんは!。こんばんは!はちょっと違和感あるかもしれないが、とにかく最初にここから始めますという切替のステップを踏む事は、想像以上に効果がある。そして、何のコストも時間もかからない。ちょっと気恥ずかしいかもしれないが、慣れてしまえば当たり前の事になる。是非習慣化して欲しい。
議して
会議でもっとも時間を占めるステップ。大切なのは相手の意見をきちんと聴く事と自分の意見をしっかりと伝える事。相手の発言中に自分の発言ネタを考えている様ではダメだ。しっかりと聴く、それを受けてしっかりと伝える、これを相互に繰り返していく事で、初めて会って議論する意味がある。当然議論に入るにはそのための準備が必要となる。議してを有効に行うには、会しての前も大切だ。
決して
どんなに、仲良くなって、活発な議論を交わしても、何も決めなければただの茶話会になってしまう。もちろん計画的に今日はここまでという場合もあるし、想像以上に会して、議してのステップに時間がかかってしまい時間切れというパターンはある。例えその場合でも何が決まって何が決まってないかを明確にしておく必要がある。「あれ?これって前回決まったんじゃなかったっけ?」という人が出る様では決まってはいない。合意できたことを明確にすることがポイントだ。
行す
これは、会議の中の話ではないが、3つのステップをきちんと踏めたかどうかで、行動の質は大きく左右される。最ももったいないのが、取敢えず行動しているという状態だ。多くのリソースは行動のステップで投入される、無駄に消費する位ならやらない良い。もしこのステップに進んだものの、どうも身が入っていないという場合は、3つのステップを見直して欲しい。何処かに不十分な部分があるはずだ。
会議決行、イメージは掴めただろうか?会議のステップは他にもあるが、この良い所は覚え易い事だ。ツールは必要な時にいつでも引き出せてこそ意味がある。使いこなせるツールをいくつ持っているかはファシリテーターの腕の一つである。覚えやすく使い易くするために、こうした四文字熟語にする事も一つのテクニックとご理解いただきたい。
是非、日々の会議やチーム活動の場で、この4つのステップを踏めているか?改めて考えてみて欲しい。チ ェックポイントを明確にするために敢えてネガティブバージョンを書くとこうなる。 To Do list と合せて Not To Do List を使うことで発見は増えるはずだ。
会せず
時間通りに集まらず、挨拶も無く、ダラダラと始まる・・・
議せず
議論はさっぱり盛り上がらない、そもそも議題を理解していないし、貢献しようという意識が無い。
決せず
議論は上滑り、自分の立場しか考えずパワーゲームで妥協点探しで堂々巡り。
行せず
取敢えずは決まっても何の共感も無い、やらされ感満載で進めたとしても成果が出る事は無い。
さて、お気づきの様に、この4つは掛け算で効いてくる。
会 × 議 × 決 × 行 = 成果
どのステップが欠けても成果は得られないが、ステップと言う以上、やはり最初からきちんと踏むことが重要である。会うステップが不十分であれば、議論が浅くなり、妥協による決定になり、やらされ感満載の行動になり、成果は得られない。しっかりと会うステップを踏めれば、議論が活性化し、決定が真剣なものになり、行動へのコミットが生まれる。もちろんそれでも行動が続けられない事はあるかもしれないが、ういう厳しい状況でこそ、会うステップでどれだけチームのゴールを共有できているか、チームとしてお互いを理解しあえているかが継続への鍵となる。
会議決行は1回の会議というよりもプロジェクト等のチームでの活動で成果を挙げる為のステップでもある。チームビルディングにおけるステップとしてはタックマンモデルが有名だ。
Forming 目標がセットされメンバーが集められチームが形成される
Storming それぞれの価値観や経験の差や、目標への意識の差から混乱が生じる
Norming チームとしての規範、価値観が醸成されてくる
Performing チームとしてのパフォーマンスが発揮されてくる
このモデルと会議決行を組合せると、
Forming
←チームになるために、先ずはしっかりと会う事が大切である。
Storming
←お互いの意見をぶつけ合う、きちんと聴く事は大事だが、先ずは自身をぶつける事から始めよう。
Norming
←議論し尽した後は、そこで握れたものを統一見解・規範として明確に決定しよう。
Performing
←チームとしての統一見解・規範に基づき行動する事でパフォーマンスを最大化しよう。
タックマンモデルで示されたチームの変遷プロセスを理解し、何をしていけば良いかのツールとして会議決行ステップを活用する。この様に複数の考え方を組合せる事で、理解が深まり新たな考え方も見えて来る。
ツールの新結合でツールを生み出す、これも一つのイノベーションだ!