今回は少し商品の歴史を紐解きながらイノベーションの視点を整理しようと思ったが、
昨晩、とても良い場に参加できたのでテーマを変えた。
対話
対話という言葉は大分浸透してきたと思うが、その理解は人により微妙に違う。
日本語で考えるならば、”対”から来る相手ときちんと向き合うというニュアンスが重要だろう。
単なる会話、おしゃべりではなく、相手という個人の理解を重視した場となる。
しかし、これでは、複数での対話というのがピンと来ない。
そこでDialogという言葉で考えて見る。
Dialogの語源はギリシャ語のdialogosである。
この言葉は2つに分かれる。
diaは~を通して、英語のthroughであり、logosは言葉、ロジック、意味である。
つまり、
その場にいる参加者の言葉やそこから発する意味を通して、
参加者全体の中に現れる何かを共有する事が対話である。
この対話は企業研修の中でも一つのスキルとしてとらえられている。
そして、対話を通して企業のビジョンを構築・共有したり、
チームビルディングを図るといった現場でも活用されている。
が、これが一筋縄ではいかない。
そもそも対話を出来る様な関係性が持てれば苦労しない!
この関係性が造れずに苦労している場合がほとんどではないだろうか。
何が一番の阻害要因か?
私は互いに相手に貼りあっているレッテルだと感じている。
見た目、話し方、年齢等、いろいろな属性情報で私たちは人を判断する。
これそのものは現実社会の中において必要なものであるが、
一度貼ったレッテルが固定化してしまうのが良くない。
合目的な場(その人に期待される役割が事前に明確になっている場)では、
レッテルを貼る事によって、役割・責任の明確化を図りチーム運営の円滑化を図る事が
必要である(この場合はレッテルという言葉は使わないが・・・)
しかし、目的を定める前のお互いの共有、全体の中に現れる何かを共有するには、
こびり付いたレッテルはが邪魔になる。
さて、冒頭で述べたとても良い場だが、
ダイアログ・イン・ザ・ダーク をご存じだろうか?
いろいろな意味を持つ場なので、詳細は是非リンク先の内容を見て欲しいが、
一言で言うと、「暗闇エンターテイメント」である。
「真っ暗闇の中、8人の団体が視覚障害者に導かれ様々な体験をし、
普段自分達が感じていない世界を体験し、お互いの共感を高め合う」
個人的には最もショックを受けた場の一つである。
昨晩はDIALOG IM DUNKELNの発案者であるハイネッケ氏と
DIALOG IN THE DARK JAPAN CEOの金井真介氏の対話の場に参加した。
そこで、改めて気付いたのは、
暗闇に入る事でレッテルが見えなくなる効果である。
ダイアログ・イン・ザ・ダーク では健常者と視覚障碍者の関係性が狙いになっているが、
同じ暗闇を利用する事で、健常者同士のレッテルをも見えなくする事ができる。
既に知り合った仲間同士で合っても、全く見えないという事、
普段とは違う不安な場に投げ込まれることでレッテルを見えにくくする事は可能だ。
相手の世界を理解し、多様性を受け入れ、受容性を高める場として、
是非、もっと拡がって欲しい!!