プロブレム・ソリューション・フィット(PSF)というのは、思いついたアイデアが、解決策として顧客の解決したいことにマッチしているかどうかを確認した状態のことを指します。ですが、「顧客が解決したいこと」は曖昧ですし、「アイデア」も初期の段階では曖昧で顧客に尋ねても明確な反応が得られにくいものです。さらに、「マッチ」というのも、主観的で何をもってマッチしているのか判断に迷うかもしれません。
また、PSFを目指したインタビューでは、顧客が「いいね!」という反応をすることをゴールにしてしまい、インタビューではなく誘導してしまいます。この段階では顧客を誘導するのではなく、解決策を顧客の困りごとにフィットするように誘導したいものです。
PSFは、顧客インタビューを通して到達する状態とされているので、顧客が解決したいこと、解決策、マッチという3つの点についてどのような状態にあるとよいのかもう少し詳しく説明しましょう。
顧客が以下のような反応を示したらPSFと見なして大丈夫です。
目次
顧客が解決したいこと
ジョブが存在している場合、その顧客は何らかの行動を取っています。解決したいと思うだけではなく、実際に取っている行動の目的がジョブになります。その行動が、面倒であったりコストのかかることであったり、困難であればあるほど、切実に解決したいことを表しています。
解決策
PSFしていれば、アイデアを顧客に示したときに最低限達成したいことを口にします。具体的な使い方がイメージでき、解決策に期待する性能と、自らが使い手として求められる役割に納得していると言えます。
マッチ
顧客の置かれた状況に解決策が溶け込むイメージやストーリーが描けるようになります。顧客の口から解決策が存在する前後の違い、つまり「使用前・使用後」のイメージが持てていれば理想的です。つまり、顧客の現状に極力自然な形で提供され、解決されるシナリオがPSFになります。
例えば、成人式向けに着物写真をAIで自動生成するスマホアプリという想像上のアイデアがあったとします。このアイデアがPSFした際には、次のような状態へと進化していることになります。
顧客が解決したいこと=ジョブが明確
1枚の着物写真をフォトショップで加工し、たくさんの着物画像にしている実際の女性に出会うことができました。着付けの窮屈さや面倒を苦痛に思いながらも、さまざまな色や模様の着物を着た自分の姿を撮っておくためには、1着当たりフォトショップ加工に1時間かけても強く解決したいジョブだということをインタビューを通じて確認しました。
解決策=ジョブをシンプルに解決する工夫
非常に伝統的で高級な着物を一度は着てみたいものの、何が伝統的なのか勧められたら嬉しいという意見がインタビューで得られました。さらに、メイクも柄に合わせて変えてみたいという希望も得られたため、アプリは一枚写真を撮るだけで、自動的に基本の伝統柄とマッチするメイクが10種類生成される設計へと進化しました。
マッチ=顧客の生活動線に解決策を置くことができる
顧客インタビューや業界の調査より、成人式を控えた女性は、複数のウェブサイトを比較しながらスタジオ、衣装、カメラマン、撮影場所などを選ぶことがわかりました。したがって、ウェブやアプリでのサービス提供はマッチしていそうです。実際に顧客に届けるには検索サイトで目立つことが重要だということもわかりました。