最近はベンチャー企業でなくとも、中小、大企業内でもビジネスアイデアコンテストなどを通して新規事業のアイデアが求められる機会が増えてきているのではないだろうか。
今回はこうした事業アイデアを考える時にアイデアを考えるヒントをご紹介したい。まず今まで経験から見るありがちないけてない3つのパターンから考えてみる。
これは特にお客様と接点が少ない現場担当者がやってしまう傾向にある。役割の関係上、普段の業務ではビジネスという視点であまり物事を考えていないため、無理矢理社長の視座やベンチャー起業家の気持ちになってみてはまってしまうパターンである。普段考えたことに事を急に考えてみても、誰でも考えるような浅いアイデアしか出るはずはない。これは当然の結果である。
世の中を見ると流行の情報が氾濫している。これからはこれが儲かるとか**ビジネスの時代だ!という話題に引っ張られてしまう。特にお勉強好き、分析好きの担当者に良くあるパターンである。これもネットを通した様々な予測や最新情報で固めることができるため、一見耳障りの良いビジネスプランを描けているように見えるが、想像以上にメディアは現場の表層しか見えていない事を肝に銘じておかなければならない。
これはこの3つの中では比較的悪くないパターンかもしれないが、実は最も内容が詰められていない事が多い。特に保守的で失敗を恐れているビビりの担当者が選びやすい傾向がある。提案者の性格上、アイデアは良くとも実行の時点で頓挫することが多い。また後発という性質上、スピードが求められ、小規模でニッチな戦略でないかぎり、結局はコスト競争というあまりおいしくない戦いに疲弊していくことになる。
上記3点はどれも自分には関係ないと思いつつも、”あるあるネタ”として誰もが心当たりがある内容ではないだろうか?
では、こうしたアイデアの種を考える時どうすれば良いか?
私はずばりあなたご自身が深く洞察できる領域に限定して思考してみることと言い切ることができる。つまりご自身の30年、40年の人生経験の中にこそヒントがある。
そのために重要な問いは2つである。
・その領域においてお客様が困っていることは何でしょうか?
あなたがよく知っている現場にこそ、新規事業のヒントが隠されています。あなたの当たり前は、他人の当たり前ではない。あなたの人生経験は他人にとって宝になる可能性がある。その宝を探してみることです。恐らく多くの人は、そんな自分の身近の環境におけるビジネスの可能性について考えたことがないのではないでしょうか。そう考えたことがないから、見えていないだけなんです。
一度、本気で自分の仕事だけでなく、趣味やプライベートな世界も含めて見直してみてください。そこで見つける切り口は、”Jobs to be done” これは弊社のパートナーである、クリステンセン教授のInnosight社の考え方になりますが、この言葉には新たな価値を発見するための深いインサイトを促すヒントが隠されています。
Jobs to be doneとは、図にあるようにやるべきこともしくはやりたい事であり、かつ客観的に見て実際手間が掛かっているという事象です。本人には気づいていないかもしれないこの解決策こそが、新しい価値になるのです。
世の中にはまだまだ解決を求められているJobs to be doneが沢山眠っています。そしてそれはあなたの知らない世界ではなく、あなたが知っている世界にあるはずです。