CBInsightsのAnand Sanwal氏が「SaaS企業としてやってはいけない68のこと」という内容を発表していて、SaaS以外のスタートアップにもあるあるな間違いなので、シェアしたいと思います。今のご時世、DeepLなんかを使えば?みたいな話もありますが、Anandさんは微妙に口が悪いので自動翻訳は難しいのではないかと思います。なので、敢えてニュアンスもお伝えするとともに、個人的な意訳たっぷりな表現もご紹介します。(ちなみに、個人的なお気に入りは #1 #22 #25 #29 #34 #40 #44 #68)
- 顧客以外のアドバイスは聞くな(意訳:無責任なアドバイスは多いから気をつけろ)
アドバイスの結果が跳ね返ってくるような人からのアドバイスだけ聞け - 成果を挙げる嫌な奴とは付き合うな(意訳:嫌な奴がいたら優秀でもクビにした方がいい)
短期的にメリットがあっても、長期的には癌になり得る - 経歴に惚れるな(意訳:経歴が良いからといって雇うな)
グーグルやスタンフォード出身者でなくても充分賢い人はいる(意訳:経歴とスタートアップでの優秀さは無関係) - 新メンバーの生半可なオンボーディングはするな
そのメンバーが続けたいかどうかは短期間で見極められてしまう。第一印象は大事 - VCから資金調達しないといけないと思うな
そのストーリーはVC目線から最高だが嘘だ。一番良い資金調達は売上だ。 - VC調達のプレッシャーを感じないようにしよう
競合が調達したというのは理由にならない - 自営業だと呼ばせない
巨大企業を売上だけで作り出すことはできる(MailchimpやAtlassianのように) - 顧客獲得を広報に依存するな
特に初期では自ら手掛けて広報の限界を知っておくとよい - 目立つけれど無関係なメディアを追いかけるな
ニッチで有益なメディアを追いかける方が簡単 - 自社への反響を過信しない(意訳:いいね!や噂は1円にもならない)
会社が褒められたら喜んで忘れよう。パラノイアでい続ける方がマシ。
#11~20
- 失敗を引きずるな
ちゃんとやっていれば失敗も多いはず。辛いけどなるべく忘れよう。 - 初日からユーザー市場を知っていると思うな(意訳:顧客について知らないことも多いし、意外な市場が開けるかもしれないよ)
最初は無差別に対応しよう。意外なお客さんが登場するかも。 - いつまでも無差別な対応はするな
どこかでデータが集まるだろうから、1つ選んで攻めよう - 賢い人を雇ってから「何とかなる」と思うな
特に最初は具体的なゴールや優先順位が決まっている方が人は活躍する - 焦って雇うな
急いで採用したときは必ず後悔した - じっくりとクビ切るな
正直、行うより言うが易しだが、企業カルチャーは雇う人とクビにする人で決まる - 肩書を過大にするな
スタートアップがスケールするにつれて、大きな肩書の人たちが降格になる。これは良くない。(補足:組織が成長すると機能部門が専門化するものなので、そのときの肩書に困らないようにしたい) - 専門家やアドバイザーを雇うのを恐れるな
創業当初は自前で本業以外のことをやりすぎてしまった。間違いだった。 - 専門家やアドバイザーを切るのを恐れるな
時々、人や企業は安心して手を抜く。そんなときは手を引こう。 - SLACK, Dropbox, Evernote がやっていることをやるな(意訳:成功してキラキラしている会社を真似しても上手くいかない)
誰もがスマートでなくなるまでしかスマートではない。あなたに合うやり方を
#21~30
- 人気だけで簡単にスケールするというのはウソだ。信じるな
売上$100Mというのはグロースハックでは到達できない - 資金調達で負けても関係ない。気にするな
資金は時間を買うようなものだ。実行を買うことはできない(意訳:資金調達とは関係なく結局は何を成し遂げるかだ) - 大きな契約や大きな成果だけを祝福しない
小さなマイルストーンから大きなものまでを祝って、裏方を褒めよう - スタートアップに売るな
お金もなく、チャーンもする。文字通りSaaS地獄 - 市場で一番安いプロダクトになるな
その道筋は辛い。信じてくれ(意訳:安さしかウリがないと後がなくなる) - 小賢しい価格設定はやめておけ
混乱するし、価格設定のために買うお客さんはいない - 製品アイデアについての欠点を聞くことを恐れるな
お金を払っているお客さんは教えてくれるし、応援してくれる - (ネット上の)「釣り」には反応するな
当たり前かもしれないけど、しない方が良い(ぶっちゃけ、時々悪ふざけで反応してるけど) - 焦って完成度を早く高めなくていい(意訳:売れないものの完成度を高めても仕方がない)
売上>技術的負債。スケールすれにしたがってこの関係は変わる - 退屈になるな
ソフトウェアのマーケティングはあまりに退屈なものが多い。言いたいことを言い、興味を引け
#31~40
- スタートアップのお祭り騒ぎに関わるな
賞状、AI、ビッグデータ。顧客には無価値なのでは? - やりながらBizDevやカスタマーサクセスが学ぶと思うな
スケールする際、教育に投資しなければ痛い目にある - カスタマーサクセスを早めに雇え
チャーンが低くても、カスタマーサクセスを雇って会社が間違いなく愛されるようにしよう - 一人採用すれば救世主、ということはない
問題があるなら、誰かが解決してくれるかもしれないが、それに頼り切るな - 中途半端なレファレンスチェックはするな
新規採用であろうが、投資家やアドバイザーであろうが、しっかり見極めよう - 調達する準備ができるまでVCには会うな
カジュアルなミーティングでもピッチになる - 競合比較で価格設定するな
競合と違いがない時点で問題だ - チャネルパートナーが助けてくれると思うな
誰かに製品を売ってくれることを期待するな - 顧客とのミーティングを支配するな(意訳:しゃべりすぎるな)
顧客側がしゃべればしゃべるほどよい - プロダクトマネージャーを早くから移譲すべきではない
初期では創業者とエンジニアがプロダクトマネージャーである
#21~30
- 買ってもらうことをためらわない
素早く売れることは素晴らしい。すぐに断られることも悪くない。引きずらない - 「連携」したいけれどお金を持っていない人は無視
99%の場合、膨大な時間の無駄になる。まず金を見せろ - スケールしない仕事を恐れるな(意訳:泥臭くやれ。Do things that don’t scaleってこと)
美しい解決策は、努力に見合うようなものでないことも多い。苦労を愛せよ - 競合を気にするな
朝から晩まで顧客のことだけを考えろ(ヒント:ジェフ・ベゾスがこのことを書いているので読め) - ハッカーニュースのことは糞ほども気にするな
あぁ、ハッカーニュースのトップページに載せてもらおうとして相当な時間を無駄にしてしまった - 人材管理でのイノベーションは不要(意訳:人の管理でリスクを冒すな)
イノベーションは製品に集中 - 永遠に出し続けられない「おまけ」は出すな
市場が悪化しておまけを出せなくなるなら、やめておけ - 自分でも売れるようになるまで営業マンは雇うな
あなたが創業者としてめちゃめちゃ売ることができないなら、誰もできない - 全リードは平等ではない
良いリードに集中しよう。絶対に買わないリードもあるので忘れよう - 全員を満足させようとしない(意訳:尖っている製品をつくれ)
誰も興奮しないようなクソな製品をつくってしまうことになる
#51~60
- 個人のブランドは気にするな(意訳:プライドや自意識過剰は邪魔)
採用や営業に役立たないなら気にする理由はない - いかにも「営業マン」のように振る舞うな
売り方は一つではない。馴染めるものをやれ - 営業アドバイスは無視するな
色んな知恵はあるものだ。使おう - 「デモ」をやるな。会話をしよう(意訳:顧客は説明を聞きたいわけでも、操作法を知りたいわけでもない。自分達にどう役に立つのかを知りたいのだ)
あなたはボタンや機能のある人ではない。もっとできる人として位置づけよう - 最初の会話の後に怠けるな
人は忙しいし、あなたの製品のことばかりを考えているわけではない。興味を持ち続けるよう働きかけよう - ”鶏口となるも牛後となるなかれ”みたいな物語を信じるな
自分に合った物語を追求しよう。押し付けられたものではなく - メディアやVCの生存者バイアスを信じるな
エグジットの79%は200Mドル未満である。グーグルやフェイスブックは狂ってる - 新しいチャネルを探し続けるな
いくつかのチャネルで優秀になったほうが、たくさんのチャネルでイマイチなよりマシ - 無目的にネットワーキングするな
人からアイデアや知恵をもらうためにメールを打ってるならやめておけ - イベントマニアになるな
一つ前のネットワーキングを参照。活動と進歩を間違えるな
#61~68
- 「溢れんばかり」に領域を攻めることを恐れるな
上手くいくことが見つかったら、エグいほどに絞り出せ(意訳:PMFしたら何も考えずに攻めまくれ) - 市場規模について自分自身を騙すな
市場を念頭に入れて製品と価格を決めよう(意訳:市場がこうなるはず、という希望で始めると痛い目にあう) - 失敗に執着するな
失敗はあるものだ。何とかなるさ、いい経験だったと流してはいけない。 - 社名やロゴにこだわりすぎるな
ウチよりも酷いのはない。CB Insightsは最初チャビーブレインだった(意訳:CB Insightsは社名を変えた。後から変えられるし、最初は誰も注目していない。注目されていない時期はブランドに時間を使うのは無駄) - 顧客に次の製品のアイデアをもらおうとするな
第一に、それは顧客の仕事ではない。第二に、改善的な要望しか出ない。 - 機能デモは行うな
機能に関心を持つ人はいない。顧客が関心を持っているのはどのように人生が変わるのかということだ(意訳:顧客は顧客のジョブを解決したいだけ) - WIIFMを絶対に忘れるな
お前の商品なんて誰も気にしていない。「俺にとってどんな得があるのか (What’s In It For Me)」しか気にしていないだ - このアドバイスを闇雲に信じるな
成功法なんてない。成功法があるというような人は馬鹿か詐欺師だ(意訳:概ね正しいアドバイスをしていると思うけど、自分で考えないと失敗するよ)