ピッチとは異種格闘技戦

Written by 津田 真吾 on 2019-02-23

最近は「~ピッチ」といったイベントも多く、「ピッチ」という言葉が一般的になってきました。

でも、ピッチとプレゼンの差って????

はっきりと答えられる方はとっても少ないのではないでしょうか?

野球において、ピッチ (Pitch) とは、ピッチャー (Pitcher) がバッター (Batter) に投げる球、のことです。ピッチャーは三振を取りたい。バッターはホームランを打ちたい。そういう違う立場です。ピッチャーもバッターも存在しないと野球は始まりませんから、敵対しているわけではありませんが、立場は逆です。

ビジネスにおいても、「ピッチ」は異なる立場の人に投げる提案となります。「プレゼン」は事前にアジェンダがあり、組織内で頻繁に行われます。一方の「ピッチ」は仲間内ではなく異なる立場にいる人にしか使わない言葉です。日本ではスタートアップのピッチという文脈が強いですが、英語圏ではセールスピッチという言葉があるように、売り込みの時の方が「ピッチ」は行われています。

つまり、心がけとして3つ大事なことがあります。
(1)相手がわからなくて当たり前、見送って当たり前。相手は何も前提知識がないという想定をした方が良いです。言葉は易しく、新しい概念は簡単に説明できるように、一度に伝えるメッセージは少なめに、などとシンプルでイージーに仕立てる必要があります。難しいことをやっている、と自らのアイデアを難しく伝えたくなる欲望に駆られますが、グッとこらえましょう。
(2)相手との利害は一致していない。売り手と買い手のように、ピッチの受け手はあなたの味方ではありません。少なくとも最初は疑心暗鬼に聞いているはずです。買い手は、買うかどうかを見極めてから欲しくなったら交渉を始め、条件に合えば最後に買うのです。ピッチの目的は、相手に欲しいと思わせることです。相手が欲しいと感じてくれれば、“プレゼン”へと進み、条件の交渉や、細かい説明を求められることにもなるでしょう。
(3)売り込むのはアイデアだけではない。技術だけでもありません。自分が発見したマーケット、自分が考え出した解決策、そして自分自身を売り込み、今後応援するのに値する人だということを伝えることが大事です。

で、具体的にどうしたらいいの?ってことについては、『巻き込む力』のテンプレートに従っておいて問題ありません。特に基本の10スライドに敢えて自分のストーリーを当てはめてみることをお勧めします。たった10枚、各メッセージを1枚ずつに絞り込むプロセスによってスタートアップ創業者としての「捨てる力」が生まれるはずです。

つまり、「概要」「機会」「問題」「解決策」「トラクション」「顧客または市場」「競合」「ビジネスモデル」「チーム」「調達資金の用途」という10個の要素について簡潔に語れるように絞るのです。

巻き込む力

最後に注意したいのは、コンテストの「ピッチ」です。多くのピッチコンテストでは、その場のピッチパフォーマンスが評価されることになります。素晴らしいステージマンシップを発揮すること自体は悪いことではありません。ですが、ビジネスとして立ち上げていく能力とはあまり関係がないことに注意してください。コンテストで勝てなくても、スタートアップできないわけでも、調達ができないわけでも、顧客に愛されるプロダクトを作れないわけでもないのですから。

組織は“イノベーション”戦略に従う

Written by 山田 竜也 on 2019-02-18

先日、イノベーティブな組織への変革をテーマにしたセミナーを行った際、終了後に参加者から「もっと組織変革の話を聞きたかった」というコメントをもらった。イノベーティブな組織であるための要素を理解し、それへ向けてのイノベーション戦略を描くという内容だったのだが、いわゆる組織風土改革に関する内容をより期待されていたと気付いた。

なぜこのギャップが生まれたのか?

イノベーティブな組織になるためには、組織風土ではなく、イノベーション戦略の策定から始める必要があるというのが基本コンセプトなのだが、組織そのものへ直接働きかける事でも変革できると言う前提に立つと、その必要性がピンとこないのかもしれない。組織が先か?戦略が先か?どこかで聞いた様なテーマだが、有名なのは「組織は戦略に従う」だ。

「組織は戦略に従う」はアルフレッド・D・チャンドラーJr.の経営学の古典的名著で、1920年代に、GM、デュポン、シアーズなど当時の大企業が市場環境の変化に対応するために挙って採用した事業部制はどのような経緯で生まれたのかが描かれたものである。時代は違えど、市場の変化についていくためには先ず戦略ありきという点は共通である。そして、今、イノベーションを起こし続けられる組織になるために、イノベーション戦略が求められている。

 

戦略を描く → 組織に落とし込む → 具体的な行動を定義する

確かに戦略を描いても、それを組織に落とし込めなければ機能しない。明確な戦略、もっと噛み砕くと、何を目的・目標と定め、どのようなKPIを設定し、日々どのような行動を取るべきかが無いと、具体的なアクションには繋がらない。組織風土のような目に見えないものを日々の行動に落とし込むには、その風土を生み出すための具体的な行動が不可欠となる。

 

既存事業の中で根本にしている理念から行動を定義し浸透していく場合には、戦略そのものを変えるわけでは無いので、組織内の人の関係性にアプローチする組織開発的なアプローチも有効だが、新規事業を創出し続けられる組織になるには、既存事業とは異なる取るべき行動を示すために、イノベーション戦略を立てることから始める必要がある。

 

組織変革というテーマでも、既存事業を維持するためか、新規事業を生み出すためかでアプローチは大きく異なると言う事だ。

 既存事業? vs 新規事業?

では、新規事業を、それもイノベーティブな新規事業を生み出して行くためには何をすれば良いのか?

 

組織の枠を超えて考えさせるために、個人を解放させても、組織の関係性を変えても、不十分である。Unstructure, Unlearningはステップとして必要だが、その上で、新規事業を生み出す組織を運営する新しいプロセスと新規事業のネタを探索し仮説検証していくプロセスをRestructure, Learningしていく必要がある。

 

マッキンゼー・アンド・カンパニーが提唱した7S Modelで考えてみよう。このモデルは企業戦略の要素がそれぞれ関係しあっている事を示している。そして、成熟した既存事業を持つ企業はこれらが整合している。
問題は、一度は整合した要素をイノベーティブな組織を生み出し続けられる形に変化させるために、どう変えていけば良いか?と言うことだ。

多くの企業で取り組まれている活動は、ここの要素が整合しなければ機能しないものであることを無視して(もしくは、気付きながらもできずに)部分的な一点突破を行なっている様に見える。

一点突破の例

・組織構造
  新しい組織を新設して飛び地の新規事業に特化させるが、
  全体に何の影響も与えることができずに大きな変化に繋がらない。
・人材
  内部人材に組織の枠を超えた活動を期待し育成するが、
  組織の壁を超える人材は生まれてこない(もしくは出て行ってしまう)
・組織風土
  働き方に自由度を与え組織全体から湧き出すものに期待するが、
  ガス抜き的なアイデアしか出てこない。
・スキル
  選抜人材にビジネスモデルやデザインに関する教育を行うが、
  ビジネスの現場に置いては何も新しいアイデアが得られない。
・システム、制度
  ビジネスプランやアイデアを公募するが、
  現業の改善か個人の夢のようなアイデアしか出てこない。

こうした施策が機能しない原因は、既に整合している7つの要素の1つ(ないし2つ)から、全体をひっくり返そうとすることに無理があるからだ。

 

既存事業を守りつつ、新規事業も、イノベーションも起こせる組織になるには、既存事業と新規事業の戦略を分けるしかない。1つの企業に敢えてダブルスタンダードを許すのだ。

その上で、イノベーション戦略の下に
・組織構造をUnstructureし、新たな組織を新設する
・これまでの人材像を横に置き、新しい種類の人材を登用する
・既存事業を支えていた組織風土と異なる風土を認める
・これまで重視していたスキルをUnlearningし、新しいスキルを習得する
・新しいプロセスを定義する

 

ダブルスタンダードを許す事は、1つにまとまった組織では抵抗感があるかもしれない。その時は、7つの要素を全て持った特区的な組織を作ると言う手もある。何れにせよ機能する最少単位を作らなければ成果は得られない。

1920年代、「組織は戦略に従う」の中で、アルフレッド・D・チャンドラーJr.は市場の変化に合わせて企業が事業部制へと移行していく姿を描いた。それから100年過ぎた今、変化が加速する時代に、既存事業と新規事業を両輪とする組織への移行が求められている。

ティール組織と育てるジョブ

Written by 星野 雄一 on 2019-02-07

人材育成という経営課題は以前から変わらず存在しますが、昨今の人手不足に伴い、さらに加速しているように感じます。事実、人を育てられる部課長層の転職市場は活況のようです。ところで、その市場評価の高い!?実際に人を育てている人はどんな目的のために取り組んでいるのでしょうか?


そこには大きく3つの目的があるように見受けられます。


1つ目は会社方針である現有勢力で数多くの仕事をこなすことを達成するため人を育てるパターン。

これは義務だから致し方なくとか、自分が楽したいからという欲求に従って行動している状態です。マネージャー研修だとここにフォーカスを当てている方によく出会います。


2つ目は自らの承認欲求を満たすために人を育てるパターン。

具体的には、相手が知らない知識を伝えて「すごい」と言われたい、もしくは教えて凄さを見せつけることで囲い込んで集団のボスになりたいという欲求に従って行動しているような状態です。よく企業の中で見るパターンで、出世頭の人がよく取るスタイルです。コンサルティングファームのパートナーモデルなんかはとても分かりやすいです。


そして3つ目は相手のキャリア成長のために貢献したいので、人を育てるパターン。

これは純粋なる貢献心からの行動なので、もはや育てる立場の本人は、育てるという感覚とは違うのでしょう。ティール組織で語られている文脈はこれに近いですね。囲い込みの不毛さを感じて進化版のスタイルとして取り組んでいる人もいますが、一方で1つ目も2つ目も取り組めずにここに行き着いている人もいるようです。


結果的に伝えている知識やスキルなどは同じかもしれませんが、育てた相手が転職や抜擢されて別部署に異動するといった成長のチャンスを迎えた時にその本質が垣間見えます。人材育成の目的が義務感や囲い込みだと、今までの取り込みが無駄になったと思い、貢献心ならば素直に良かったと思えるのでしょう。


社員個々の潜在能力発揮を目指す企業が増えていくことによって、人材育成の主人公は会社ではなく、本人という本来の姿になるのでしょう。その中では「育てる」というよりは、結果的に「育つ」状態にすることが必要になっています。今後は人を育ててきた人ではなく、育つ仕組みを作り上げてきた人が重宝されるのでしょう。

余談ですが、現場のスタイルがどんどん進化を遂げる未来において、人事が研修の場を準備して、一生懸命集客に走るという姿はなくなっていくのでしょうね。

ディスラプトされる「管理」

Written by 津田 真吾 on 2019-01-20

AIに代表される新しい技術には、流行りも廃りもある。

AIがとりわけ流行っている(バズワード化していることも含め)背景には私たちの恐怖心がある。人間は未知のものを怖いと思うし、仕事を取られる、と報道されると私たちを不幸のどん底に陥れる見えない権化のように感じるかもしれない。しかも、このAIという化け物は「中間層」と呼ばれる普通の人たちに大きな影響を与えるという。

もちろん、こうした漠然とした恐怖はあまりタメにならないので、しっかり理解して怖がらないことは精神衛生上、良いことだろう。しかし、大変なことに我々はコンピュータやインターネットをそこまで理解していないのだ。インターネットの黎明期にインターネットとは何かを説明する機会が何度もあったが、今から思うと拙いし、その可能性の100分の1も語っていなかったのではないだろうか。言い訳も兼ねて説明すると、インターネットという概念は、通信を行うためのプロトコルと、プロトコルを利用してつながっているネットワーク、そのネットワークでやり取りされる情報を含むので、果てしなく成長しているのだ。この類の技術をしっかりと理解して・・・と腰を据えてやろうとすると、キリがない。結局のところ、わからなくて怖くなってしまう人もいるだろう。

忘れてはいけないのは、私たちはわからないままインターネットを使っているということである。飛行機がなぜ飛ぶのかわからないまま乗るし、インターネットを理解した上で使っている人も、薬のことは理解せずに飲んでいるかもしれない。逆にスマホを分解して完全に理解してから使うのはナンセンスだと感じるはずだ。

流行り廃りについて話を戻そう。
これは単なる現象のようにも見えるが、恐怖を乗り越えて使っている人に注目したい(実際のところ、初期のユーザーは怖いどころか好奇心満々でワクワクしながら人柱になっているのだが、どうなるかわからないという意味では似たようなものかもしれない)。産業革命によって機械化が進み、筋肉を要する重労働がたくさんの機械によってなされるようになったように、AIを使用し始めているのは、脳を酷使するような労働のサポートに対してである。

さらに、「多くの人がやっていることをやってくれる」「比較的つくりやすい」アプリケーションは、作り手の論理としても取り組みやすい。なぜなら簡単に作れて、めっちゃ儲かるからだ。多くの人がやっていて、頭を使っている割に、それほど複雑ではないこと、にAIを応用すると儲かるはずだ、ということで投資家もここに重点的に投資する。投資が集まると、エンジニアもたくさん採用でき、技術の完成度も高まり、プレスリリースもたくさん打てる、ということで流行る。

多くの人がやっていて、頭を使っている割に、それほど複雑ではないこと」がAIがもっとも伸び伸びと仕事ができることなのだ。その標的は「管理」をする仕事にほかならない。大きな会社になればなるほど管理の仕事が増える。現場の管理をする管理者を、管理する事業部長が、取締役に管理され、株主に報告する形 (少なくとも建前上は) をとっているのが一般的な会社である。もっと卑近な例では、会議室の使用も管理されているし、複写機の使用頻度も管理されているし、顧客の来店も管理されている。こうした会議室の予約管理や顧客情報管理は、どの会社でもITシステムを使うのが常識になっているのは、どの会社にも必要でありながら、AIとは呼べないようなローテクなITシステムで作れるからだ。会議室よりかは随分と複雑な人材を管理するAIサービスも出つつように、より複雑な管理をやってくれるAIは順々に登場するだろう。

こうなると別の恐怖が生まれる。仕事がなくなるかもしれない、と。特に中間層の管理職が減るのではないかと、言うのである。そうした管理は自動化されポストは減る方向性にあると私も信じている。前述した作り手の経済的な論理からもきっと優れた管理AIが増えるだろうと予測するが、そこには恐怖は感じない。なぜなら、減っているのは「労働」であって、「仕事」ではないからだ。産業革命によってなくなった「労働」は、みんなやりたくなかったような3Kの仕事ばかりだ。トラクターを使わずに畑を耕すことを考えてほしい。あるいは人力車で移動するのではなく、人力車を引っ張ることを想像してみるといいだろう。農作物がたくさん出来ることの方が、耕す作業そのものよりも大事だ。補足すると、ジョブ理論の観点からも「管理したい」というジョブよりも成し遂げたい仕事=ジョブに注目するべきだ。

AIが伸び伸びと仕事がする領域、つまり「多くの人が携やっていて、頭を使っている割に、それほど複雑ではないこと」 は、「一般的な業務」「デスクワーク」「創造性が低い」ということになる。 実は、そんな「労働」に私たちは恐怖を感じているということはないだろうか? 考えてみると、どこにでもあるクリエイティブではないデスクワークをやり続けることの方が怖いのではないかと思えてくる。「みんながやっている、ちょっとしか頭使わないこと」を離れ、身体が動いてしまうこと、考えたくてしかたないこと、思い描くのが楽しくてやめられないこと、を始める。そういう仕事はディスラプトされないだけではない。

ジョブ理論で読み解くGAFA

Written by 山田 竜也 on 2019-01-15

 スコット・ギャロウェイ著『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』は昨年2018年7月に発売され、ここ半年であっという間にビジネスパーソンの新常識として認知されました。流行語対象にノミネートされるなどビジネスだけでなく社会現象としても認識されているのは、四騎士(Google Apple Facebook Amazon )の提供するプロダクトやサービスが我々の生活にも深く根ざしていることの証明です。

クレイトン・M・クリステンセン著『ジョブ理論』は、GAFAの一年前2017年8月に発売され、ジョブという概念は新規事業開発や新商品・サービス開発に携わる人に、顧客を理解するための新たな視点を提供しました。INDEE Japanが提供するJOBSメソッド(ジョブ理論に基づく顧客理解と事業機会発見の実践的手法)の受講者は年間1,000名を超え、実践者は増え続けています。

 

今回は四騎士がなぜ顧客に雇われているかをジョブ理論で解き明かしてみます。GAFAの中で描かれている四騎士が顧客を虜にしている理由は人間の身体を使ったとてもイメージしやすいフレームワークで整理されています。「顧客を虜にするには、身体の上から順に、脳に働きかける、心に働きかける、性器に働きかける」というものです。実はこの3つはジョブ理論における「人が製品やサービスを雇う目的は機能的、感情的、社会的の3種類である」と符合します。

 

脳を虜にするGoogle, amazon

顧客が解決したいことが、機能的なもの、論理的にどちらが得か判断できるものであれば、働きかける対象は脳です。


我々が暮らす現代社会は、情報が溢れる世の中で、全てを記憶することはできない。必要な情報にたどり着くことすらできない。苦労してスクラップブックを作ってタグ付けしても、あっという間に陳腐化してしまいますよね。
記憶力の代わりにインターネットに繋がる外部記憶装置を、タグ付けの代わりに検索エンジンを提供することでGoogleは我々のいつでも必要な情報にアクセスしたいというジョブを解決しました。
心は外部に頼るのを嫌がるかもしれませんが、脳に「こっちの方が便利でしょ!」といえば即、導入してもらえます。

欲しいものが直ぐに手に入る現代社会は持続可能性という点では問題を孕んでいますが、一生活者としては、欲しいものが直ぐ手に入るのはとても便利ですよね。
自身を振り返っても、昔は空気を運んでいるかのようなamazonの箱に勿体無いな〜と違和感がありましたが、最近はなくなってしまいました。マンションの1階にコンビニがあることでお菓子や炭酸の消費は明らかに増えました。
amazonはその圧倒的な便利さ(検索、ワンクリック、物流)により欲しいものを直ぐに手に入れたいという機能的なジョブを解決しました。定期便により買い忘れを無くしたいを、リコメンドやタイムセールによりとにかく買いものを楽しみたいという感情的なジョブも解決しています。この辺りのサービスは心も掴みにきている気がします。

 

心を虜にするfacebook

誰かに認められたい、一人ではないことを確認したい。それをしたからといってお金がもらえる訳でもなく、何か得する訳でもない。脳で考えれば実名登録のリスクも分かるのにやめられない。それは心を虜にされているからです。


ここにも我々が暮らす現代社会の問題が内包されているかもしれません。身近な少数との深いつながりよりも、より多くの人からの日々のいいね!やコメントが欲しい。コミュニティから自分が外されないことを確認して安心したい。facebookはオンラインで簡単に承認欲求を満たすことで、忙しい中でも面倒くさい人間関係に煩わせずに自分の存在を確認したいアピールしたいという感情的なジョブを解決しています。
最近はメッセンジャーで業務連絡を行ったり、facebook広告で集客したりと機能的なジョブの解決にも使われています。facebookは心を虜にすることを足がかりに脳への侵食を開始してきています。グループ傘下のinstagramは自分自身をよく見せたいというジョブを解決し性器にもアプローチしています。

 

性器、異性にモテたい!ならばApple

脳や心を凌駕する人間のもっとも根源的な欲求に働きかける。論理や感情を超えたところで強烈な信者を獲得するには性器に働きかけます。 


Appleも当初はコンピューター会社でした。それもオタクの。カラフルなiMACが出た頃からイメージが変わってきて今やすっかり高級ブランドです。自分も含めですが、Apple製品を使っている人のジョブは、自身は最先端やオシャレに疎くてもスマートで行けてる人に見られたいという社会的ジョブだと思います(笑)脳で冷静に考えると値段ほどの機能はないですよね。もちろん機能を素晴らしいUXに翻訳する能力は素晴らしいですが。スペック以上の価値をUXとして届けられるApple、GAFAの中でマーケットシェアではなく、利益シェアでダントツというのも頷けます。

 

Google, Amazon, Facebook, Appleの四騎士はそれぞれ機能的、感情的、社会的でコアなジョブを解決することで顧客を獲得しています。現在はお互いのコアから浸食し合い、何かを買うならGoogleよりもamazonで検索するといった状況も出てきています。根っこにある各社のビジョンは揺らいでいません。

大きな市場を狙うには、より本質的なジョブを捉える必要があります。年の初め今年のビジネスを考える際に、自社の掲げるビジョンと顧客のジョブとのフィットを妄想してみてはいかがでしょうか。きっと新たな取り組み目標が見つけられます。