マイジョブ

Written by 星野 雄一 on 2019-01-05

2019年もスタートしました。昨年は、今年の漢字「災」に代表されるように、自然災害や暴力事件、また世界情勢も不安定となった年でしたが、今年は元号も変わることで、色々と心気一転したいところですね。環境変化の時こそイノベーションが求められる時です。今年もどうぞ宜しくお願いいたします。

 

今回は年始ですので、自分のジョブを考える機会としてブログを使ってもらえればと考えています。

 

ジョブ理論では、顧客のジョブを捉える際に、J-O-B-Sのフレームワークで特定します。


J:ジョブ(人が本質的にやりたいこと)
O:目的(ジョブの解決を通して得たいこと)
B:障害(ジョブの解決を妨げている要因)
S:代替解決策(障害がある中でジョブの解決に向けてやりくりしていること)

 

これを使って、今年の目標をクリアにしてみましょう。

 

すでに目標を立てている方も多いでしょう。「今年こそは起業するぞ!」とか「なかなかモノにできていない研究テーマをカタチにする!」でも、「早起き習慣を身につける!」でもなんでもよいです。(年始に立てた目標や初詣で絵馬に書いたことなど、ありますよね)
これを一旦、ジョブとおきましょう。

*まだ目標を立てていない人は、今考えてみてくださいね。

 

終わったら、その目的を考えてみてください。なんで、そのジョブを解決したいんだっけ?
収入アップとか、目立ちたいとか、既得権益に一矢報いたいとか、なるべく綺麗事はなくして”ぶっちゃけ”がオススメです。

 

目的をクリアにし、ジョブを、より自分に”刺さる”言葉に書きかえましょう。

 

次に障害。そんなにやりたいならさっさとやれば良いのにやれない理由ですね。
障害は何でしょう?スキル不足?お金?アクセスが悪い?時間がない?
どれもあなたにとっては深刻な障害だと思います。

 

でも、本当にやりたい事であれば、障害がありながらも何らか足掻いているはずです。それはなんでしょうか。ジョブの解決に向けて少しでも近づくようにやっていること。これが代替解決策です。

 

事業機会発見の際は、このようにJ-O-B-Sを念頭に置きながら、観察したり、インタビューをして顧客の現状を捉え、そして代替解決策をやっているような強いジョブ(=事業機会)を見つけています。

 

ところで、あなたのジョブやブレーキの原因はクリアになりましたか?
現状が明らかになったところで、達成に向けた次の行動を設定し、実行しましょう。
まずは1週間以内でできる小さな行動から

 

Enjoy your life!

ぶっちゃけ、イノベーションの推進にコンサルタントは必要なんです?

Written by 加藤 寛士 on 2018-12-24

こんにちは。
イノベーション支援のINDEE Japanで、デジタル領域を担当している加藤です。
 
本日はコンサルタントを使ってイノベーションの推進に取り組むメリット・デメリットを整理し、成果を残すためにはどんなコンサルタントに依頼すべきなのか?について考えてみます。
 


 

コンサルタントを使うメリットとデメリット

取り組みたい内容が、組織の活性化・制度設計なのか、アイディアに対する需要・技術の調査・評価なのか、サービス・プロダクトの開発なのかによっても異なりますが、イノベーションに取り組む際にコンサルタントを使うメリット・デメリットは以下のように整理できると思います。
 

  •  メリット
    • イノベーションへの取り組みに不慣れなため、効果的な施策が打てなかったり、調査や開発が遅延して市場から遅れを取ってしまうリスクを軽減できる
    • 外部の視点を加えることで、コアとなるアイデアから、さらなるビジネスの可能性を引き出すことができる
    • サービス・プロダクト開発の現場にコンサルタントをコーチとしてつけることで、幹部候補人材に実践を基礎とした高い教育効果を与えることができる
  • デメリット
    • 相手をよく知らないまま高額なフィーを支払った末、むしろコンサルタント側の事情で対外的なパフォーマンスにつき合わされてしまい、本質的ではない作業や面倒と付き合うことになってしまうリスクがある
    • ワークショップ実施などの施策により”イノベーティブな空気感”は醸成されるものの実績につながらず、「イノベーションの推進活動」そのものに社内で否定的な感情を生んでしまい、社員の士気が低下するリスクがある
    • イノベーションの推進を支援すると銘はうっているものの、外部のベンチャー企業に対する出資活動を支援しているだけのコンサルタントと付き合ってしまい、肝心の社内には意味のある変化を起こせないリスクがある

 
メリットに興味がある」 or 「コンサルタントに依頼したいけどデメリットは回避したい」という方は、少し長くなってしまうのですが、本記事の内容が参考になると思います。
 


どんなコンサルタントが実戦で役に立つのか?

有望な社内チームが形成されているに看板だけのコンサルタント未熟なコンサルタント足を引っ張っていて、うまくいかない例も数多く見てきました。
とくに、取り組んでいるサービス・プロダクトが、私個人も消費者として期待しているものであった場合、そのような光景を目にするとなかなか腹も立つものです。
 
そうした事案が少しでも少なくなることを願って、本記事ではイノベーションの推進に携わるコンサルタントの選定する際に重視したい点を3つお伝えしていきます。
コンサルタントの性格や得意/苦手はそれぞれですが、ご紹介する3点を高い水準で満たしていれば「こんなはずではなかった」ということはまず起こらないはずです。
 
 

視点1: いわゆる経営のエキスパートは、あまり役に立たない

 
「世界中で知られている大企業の経営にすら、コンサルティング経験があるのだから、1部門の社内風土改革ぐらいは…」
 
と思われるかもしれませんが、イノベーションへの取り組みと大企業の経営とは全く世界観が異なることには注意すべきです。
両者は言ってみれば、野球とレスリングほどに世界観が異なります。
両方を高いレベルでこなせてしまう、ジャイアント馬場のようなコンサルタントもいるのかもませんが、彼のような10年に1度の逸材にもどちらかと言えばレスリング向きというのはありましたしね…
 
大企業経営の仕事は一言で言えば、正確に判断を下すことです。
資本があり、顧客があり、顧客があり、人材があり、技術があり、協力者があり、市場があるという前提に立って、各要素の状態を的確に把握し、会社を機能させるために正確に判断することが、大企業経営で取り組むテーゼとなります。
 
一方で、イノベーションへの取り組みでは、何も存在しない状態が前提です。しかも、大企業経営のように「存在しないので買ってくる」という手法は通用しません。
なぜなら”存在しない”という言葉の次元も、大企業経営とは異なるからです。
 
イノベーションへの取り組みにおける”存在しない”とは、世界のどこにもない状態のことです。したがって「どんなものを作るのか」そのレシピすらも自分達で作り出す必要があります。
 
日本でいちばん美味しいケーキを買ってくる能力と、市場を観察して皆に愛されるケーキを作る能力は全く異なるのと同じことです。
 


 
ところで、最近はMBAのコースなどでも『イノベーションへの取り組み方』を教える講義が増えてきたようで、知識は備えているコンサルタントも増えてきました。
もちろん知識があることはとても大切なことですし、良い風潮であると思います。
 
しかしいわゆる知識だけの、お菓子をつまみながらワイワイガヤガヤするワークショップを開催するだけのコンサルタントや、秘密の特製フォーム(笑)を埋めるだけで”イノベーションな雰囲気(笑)”を提供するだけのコンサルタントも、業界には多数存在しています。
また、コーチングと称して、場当たり的で衒学的な、マウンティングトークを繰り返すしか能がないのコンサルタントも残念ながら存在しています。
 
あなたが依頼しようとしてるコンサルタントは、「実践フェイズが具体的に支援できる実力」と「豊富な知識」の両面で本当に頼りになりますか? 依頼の前に、もう一度見直してみてください。
 
 

視点2: 戦士・魔法使いタイプよりも、勇者タイプを

 
「特定の領域で世界の頂点を極めたエクスパートなら、思いもよらない解決策を授けてくれるに違いない…」
 
と思われるかもしれませんがコンサルタントにもそれぞれ、向き不向きがあります。
 


 
コンピューターゲームには、その黎明期から人気が高く定番となっているRPGと呼ばれるジャンルがあります。
RPGは複数のキャラクターが自身の得意とする能力を発揮できる戦略を作り、強力な敵を倒すことを楽しむゲームなので、キャラクターごとの得意と苦手が明確に味付けされている事がほとんどです。
しかし戦闘が得意な戦士や魔法が得意な魔法使いなどと比較して、得意苦手があまりなく、総合力や状況適応力に優れた勇者と呼ばれるキャラクターもよく登場します。
実は、イノベーションに取り組む場合は、特定の業務・業界・オペレーションレイヤーに精通しているエクスパートよりも、状況適応力に優れた勇者タイプのコンサルタントのほうがうまく立ち回れることが多いのです。
 
例えば、エンジニアとしての実力は折り紙つきの世界的第一人者でもあっても、コンサルタントとしては、むしろ足を引っ張ってしまうということは多々起こります。
もちろんコンサルタント個人の性格や資質、視野の広さによってもその度合いは異なりますが、そうしたバックグラウンドがあると技術側面からしかイノベーションの構造を捉えられなくなる傾向があるからです。
 


  • 余談ですが、技術で突っ走って数々の変態的性能を誇るデバイスを開発したものの、買い手が全くつかないという経験を何度しても全く懲りる気配がない国を、私はよく知っています。
  • 消費者の立場からすれば、私もその国のことが大好きで「どんどんやれ」と応援しているのですが、生産者の側からしたら正直なかなかしんどいものもあることでしょう。

 
では、ここにマーケティングの実力が折り紙つきの人物も加わったら、ようやくイノベーションが実現するのでしょうか?
 
たしかに、2人の第一人者の能力を共に引き出して融合させることができれば、唯一無二の方法でイノベーションが促進できるかもしれませしれません。
しかし、あなたの会社にも世界一とはいかなくても世界で戦えるエクスパートが各分野で揃っているのではないでしょうか? とくに「現場は世界一優秀」と言われている日本企業にはそのような会社は多いはずです。
ではなぜ、あなたの会社であなたが今期待したような自然発生的にイノベーションが起こらないのでしょうか?
 


 
技術的なバックグラウンド持ち、ビジネス全般に十分な経験があるコンサルタントが、課題を的確に把握し、適宜不足している部分を補うことができればイノベーションは急速に進みます。
 
しかし、そのような働き方が得意な勇者タイプのユーティリティプレイヤーは、事業部制やセクション制で運用されている組織の中では真価を発揮できない傾向にあります。
 
そこで、組織の枠組みの外にある勇者タイプのコンサルタントは、その理想的な立場を活用してクライアントの利益に最大限の貢献することができるのです。
 
 

視点3: 「素質のある若手に自由にやらせる!」…だけでは足りません

 
「若手に自由にやらせる用意はできている。多少の失敗はフォローしてやる準備もある。」
 
という覚悟は素晴らしい(し、不可欠なも)ですが、その心意気だけではイノベーションへの取り組みは進まないこともあります。
 
イノベーティブな事業への取り組みでは、構造的に既存のビジネスと利害が対立が起こることが知られています。(イノベーションのジレンマ)
 
企画や調査の段階ではこの問題は顕在化しにくいのですが、実践フェイズに入ると壁として立ちはだかります。
社内のメンバーだけで進めようとすると、どうしても感情的にもビジネス的にも社内協力が得られなということが起こるのです。
 
「みんな薄々感じていたけれど…」 という状況で、ひとりひとりキーパーソンの意見を確認し、チームの背中を押してやる。それもよくあるコンサルタントの仕事の一つです。
 
世代・職位・立場超えた調整力が発揮できるか?も、コンサルタントに必要な素養として確認してみてください。
 


 
今回はイノベーションに取り組むにあたって、コンサルタントとの関係性について注意すべき点をまとめてみました。
 
次回は『オレたちはコンサルタント無しでやる』と決めた方向けに、最低限知っておいた方が良いことをまとめるつもりです。
それでは。良い年末をお過ごしください。

起業家の前職は何をしてたのか?

Written by 津田 真吾 on 2018-12-10

ZENTECH DOJOというシードアクセラレーターを始めて、2年以上が過ぎました。振り返ると、10人以上の色々な起業家や起業予備軍とご縁を頂いたなぁと思います。
また、先日採択チームが発表されたKawasaki ZENTECH Accelerator では10社の若きハードウェアスタートアップの創業者をサポートしています。
こうした起業家って、一般には学生が多いというイメージかもしれませんが、案外、社会経験を経てから起業する割合はかなり多く、8割以上の方が何らかの社会経験をお持ちです。
だからと言って、社会人起業が良いと言いたいわけではありません。むしろ、起業は「資格」や「経歴」から一番遠い仕事です。
学生時代に起業して大成功した人の方が印象的かもしれません。例えば、マイクロソフトのビル・ゲーツは在学中に起業しましたし、ザッカーバーグも在学中にフェイスブックを作りました。
しかし一方で、アップルのスティーブ・ジョブズ(アタリ)、スティーブ・ウォズニアック(HP)は一度エンジニアとして就職しています。アマゾンのジェフ・ベゾスは投資銀行で30歳まで働き、かなり出世していました。さらにウォルマートを創業したウォルトンは40を過ぎて起業しています。
このような例からも、学生起業が良いのか?社会人経験があった方が良いのか?という議論は不毛だということはご理解頂けたと思います。
 
企業で勤めたことがマイナスに働くこともあります。(例:「営業」は営業担当者の仕事だと思ってしまうなど、変な癖がつく)。
一方で、会社での経験が役立っているケースもたくさんあります。
前職の経歴として多いものから順に、その経験のどういった部分が起業後も活かせているのか、述べてみたいと思います。
 
エンジニア

エンジニア出身の起業家が多いのは、誰もが認めるところだと思います。それは技術を扱いなれていて、ゼロから何かを作る感覚を持っているからだと思います。

対象がプロダクトであろうが、ビジネス全般であろうが、実験や試行錯誤から学び、修正していくプロセスは、さほど変わらないのではないかと感じます。もちろん、対象領域に対する知識も必要ですが、不確実性の高いスタートアップにおいては、事前の知識よりも学ぶスピード(ラーニングカーブ)が遥かに効いてきます。

例外:「エンジニア」という肩書きはついていても仕様書や設計書を書くばかりの仕事もあります。(エンジニアを採用するスタートアップもこういうエンジニアには注意しましょう。有名なプロダクトに関わっていたというエンジニアも要注意です。売れている製品にはリソースが沢山割り当てられるため、一人の業務範囲は小さくなりがちです。)

 
研究職

意外に思われるかもしれませんが、エンジニアと同じ理由で研究職も向いています。実験と試行錯誤を信条とする研究者は仮説を立てて、検証することにあまり抵抗がないようです。

一方で「専門領域」や象牙の塔のヒエラルキーに慣れ親しんでしまっていると、チャレンジをする力が削がれてしまうかもしれません。

研究者も、ある研究領域における知識を重視しているような方はあまり向きませんが、そういう方はあまり起業しないので問題ないと思います。

 
コンサルタント

DeNAの南部さんのように、M社やB社出身のコンサルタントが起業するのもよく見かけます。ある程度コンサルをやってしまうと、起業するのが割に合わなく感じられるようですが、そんなこと考えずにやっちゃう人は向いていると思います。

特にB2B系のビジネスであれば、色々な企業の組織力学を知っていることは固有知識としても役立ちます。文書作成能力が高いと提案書は通りやすくなりますし、ビジネス上の振る舞いが板についていると、他の企業と付き合いやすいはずです。基本的な取引を成立させ、ビジネスを軌道に載せる上でCOO的なスキルをコンサルタント時代に身につけているのだと思います。

 
マーケター

企業のマーケティングを経験してから起業される方もいます。このような方は、サービスの見せ方から入るので、とにかくキャッチーです。「つかみ」が上手でコミュニケーションに長けているので、スタートアップ初期のスピード感をどんどん出せるのではないでしょうか。

一方で、スタートアップの内部はさほどシンプルなコミュニケーションだけでは済まず、エンジニアとのコミュニケーションや様々な試行錯誤にフラストレーションを感じるようです。

 
セールス

わずかですが、営業マンから起業された方もいます。営業現場で顧客の状況を深く知り、深いインサイトと原体験をお持ちです。原体験がきっかけとなり、営業を超えて製品開発や研究へと守備範囲を広げる情熱は、周囲を巻き込みます。また、エンジニアと比べ、「個」で動くことに慣れているように感じます。つまり、一人で色々な問題解決をしながら事業を立ち上げるときのパワーが出やすいように見受けられ、「営業」というイメージに合わず万能な仕事ぶりを感じさせます。

 
色々と職種別にスタートアップで役立つスキルを挙げましたが、企業でどんな経験するかはその人次第なところ相当あるので、あてはまらない人も多いかもしれません。ですが一つ共通して言えるのは、「濃い」経験をして、会社での一つの職種を務めるだけでは解決できない問題に出会っているということくらいです。
解決したい問題を目の当たりにし、取り組んでみるものの会社や事業の限界を感じ、会社を起こす、という流れは一つのステレオタイプなパターンなのかもしれません。さらに、上手くいっている起業家はその「職種」ではなく、「課題領域」においての専門家となっている、というパターンがあるのも必然なのだと思います。

ジョブ理論、ジョブの発見と表現のコツ

Written by 山田 竜也 on 2018-12-03

昨年、2017年の夏に「ジョブ理論」が出版されてから1年以上経ちました。
ジョブ(Jobs to be done)という言葉の認知度はジワジワと上がり、新規事業開発だけでなく、マーケティング、営業とジョブが語られる文脈も広がっています。我々は独自に開発した「JOBSメソッド」という形でジョブ理論を公開セミナー、企業研修、メンタリングの場で伝えてきました。セッションの参加者も3,000人を超え、さらに参加者の伸びは加速しています。
伝え方そのものも大分見直し、トレーニングセッションのクオリティも大分上がってきたと自負していますが、受講者が考え方を理解しても、理論を使いこなすには、訓練が必要です。特にジョブ理論はイノベーションを起こす方法とも繋がっているので、これまでの思考の仕方を変える必要があります。これこそが、ジョブ理論の価値であり、逆に実践する際の難しさとなっています。
ジョブ理論を実践する際の典型的なハードルが二つあります。一つはジョブを発見する際のハードル。もう一つは発見したジョブを表現する際のハードル。実践にてこずっている方へ、ハードルの超え方のコツをお伝えします。
 
ジョブの発見のコツ
ジョブは人間が特定の状況下でやりたい事/やらなければならない事。ソリューションはその事を実現したり/解決したりする。つまり、ジョブはソリューションに関係なく存在しているのですが、どうしても既存のソリューションの枠に嵌ってしまいジョブが見えなくなってしまう事があります。
例えば、自動車というソリューションが実現/解決するジョブは何か?を考えてみましょう。好きな時に好きな場所へ自由に移動する(機能的な目的)、ストレスを発散のために運転を楽しむ(感情的な目的)は直ぐに思い浮かぶと思います。では、エコ意識をアピールしたい(社会的な目的)はどうでしょうか?ここで「自動車は本来乗り物だしエコ意識をアピールするものではない、エコ意識をアピールするなら、そもそも自動車を使わない方がよい」と考える方は、枠に嵌っている懸念があります。
自動車を使わざるを得ない状況でもエコ意識をアピールしたいという状況はあります。例えば、運送会社の経営者が自社の環境への意識をアピールするために、ハイブリッド車を導入するという場合です。
ジョブを発見する際には、既存のソリューションの枠にとらわれずに、顧客の状況を想像し発想を広げるのがコツです。
 
ジョブの表現のコツ
ジョブを発見することはできても、頭にぼんやりとイメージは浮かんでいても、上手く表現できない。表現したときにニュアンスが抜け落ちてしまうという場面をよく目にします。
例えば、テレビが解決しているジョブを考えるとき、知識を得たい(情報番組)、映像を楽しみたい(映画)、リラックスしたい(バラエティ)等は比較的簡単に浮かんでくると思います。では、暇つぶしをしたいというジョブはどうでしょうか。そんな事言ったらテレビや番組を制作している方に申し訳ない気もしますが、娯楽があふれる今の時代には、暇つぶしの手段の一つとして雇われている/もしくは雇われていないというのが実態ではないでしょうか。
通常そのソリューションに対して使われていない様な表現にこそ、人間が本当にやりたい事が隠れていたりします。
ジョブを表現する際には、ソリューションの枠から外して、顧客の本音を表現するのがコツです。
 
発見と表現の二つのコツを紹介しました。そもそもジョブを発見するためには、ターゲット顧客の候補を探し現場で一次情報を得ることが不可欠です。貴重な一次情報からの洞察を活かすためにもこのコツを活用してください。
「ジョブ理論」を理解するところから始めたいという方には、定期的に公開セミナーを開催しておりますので、ご参加を検討ください。
直近の開催は以下です。
事業開発に役立つ「JOBSメソッド」基礎講座
2018年12月7日(金)10:00〜18:00
https://event.shoeisha.jp/bizgenews/20181207/

組織開発、その前に

Written by 星野 雄一 on 2018-11-21

近年の事業環境の変化や働き方改革の流れを受け、企業の組織開発はホットな取り組みの一つです。
 
労働人口が減っていく中で、働きやすさは採用の面でもエンゲージメントの面でも大切な要素ですし、さらに人材成長・組織成長へと繋げるために、企業側もあの手この手で手を打とうと考えます。企業側のニーズがあるので、自然と各種の研修やワークショップ、HRTechサービスも多数生まれています(ラベル違いの同じようなものも多数ありますが・・・)。人材開発や組織開発の主管部門の担当者は、数あるコンテンツの中から目新しい、有効そうなものをやってみるという姿勢になっているようにも見受けられます。
 
ただ、組織開発は7Sモデルに代表されるように、事業戦略と当然ながら密接な関係を持っており、人や組織という立ち位置から見つつも、会社全体の状況を捉え、ストーリーを持って一手を打たないと有効打にはなりにくいものです。ビジネスモデルを成立させるために構造上ブラックに働かざるを得ない状況だと、やはり業務環境はブラック寄りになっていきます。
 
例えば、利ざやが少なくかつ、仕事がマニュアル化・型化されていて、かつ会社の屋台骨の事業であれば、上長からの細かな指摘の方が多くなるのは構造上起こりやすくなります。少しのミスが利益に影響を及ぼすし、この事業の数字が直接経営へのインパクトに繋がりますので。その上、人の採用が困難な昨今、更に競争が激しくなれば残業が増えるのは構造的に起こり得ることです。このビジネス環境の議論を棚に置き、組織活性化ワークショップをやっても、効果を実感するところまで到達するのはなかなかハードな道のりです
 
また、既存事業での輝かしい経験を持ち、初めて新規事業のトップについた方が、メンバーの士気を上げるためにアイデア発想ワークショップをやっても、事業化まで至らず頓挫し、かつ士気が下がるいうケースも見受けられます。この場合は、ワークショップ後のアイデア選定の段階で、トップが「で、いくら儲かるの?」と既存事業の商品開発のノリで関わってしまったことが原因です。この振る舞いにより、世の中に類似商品・サービスがあって数字を作りやすい、既存事業の派生のようなアイデアしか残らなくなり、アイデアとしては有望だが世の中に類似サービスがなく、長期的な収益計画が立てづらいアイデアは通りづらくなってしまいました。結果、提案もされなくなり、却って温度を下げる結果となりました
 
一方で競合優位性のある技術で高利益を出している会社であれば、その上に乗っている組織活性化の施策は効果的に働くでしょうし、研究開発スパンが長い業界だと、ノー残業などの取り組みも有効に働く可能性が高いです。
 
組織開発は事業環境に大きな影響を受けますから、本当に組織の成長を得たいならば、事業の状況を鑑みながら、事業開発から入った方がよい、業務プロセスから入った方がよい、いやいや今こそまさに人と人との対話だ、といった作戦・ストーリーが必要です。
 
組織開発の取り組みを行う前に、一度自社の事業構造を捉えて、その取り組みは有効打になり得るかを考えてみては如何でしょうか。