数日前に『数学者、ついにイノベーションを数理モデル化』という記事がMIT Technology Reviewに掲載されました。

(日本語版は有料なので、無料で読みたい方はこちらの英語版をご参考に)
そんな。。。
確かに、イノベーションの研究は進み、さまざまな法則は見つかっています。
例えば、クリステンセンらが書いた『イノベーションのDNA』には、イノベーションを起こす人が持つ行動特性を分析し、重要な5つのスキルを導きました。
しかし、イノベーションそのものをモデル化となると話は別です。人だけでなく、アイデアや資金力、運や偶然も必要とするものだと思っていたからです。
それが新しいアイデアが誕生する”方程式”が存在するとなると大ごとです。いずれはAIで自動的に出せるようにできるわけですから、これは大発見!?それとも大ウソ?! なのでどっちかだろうと、半信半疑で記事を読んだわけです。(釣られたとも言いますが。)
記事を読むと、「近接領域の可能性」が「新しいアイデア」というものの正体だと書いてあります。易しくいうと、すでに存在するものに「可能性のあるもの」をくっつけることでイノベーションが生まれるということです。
一例として新語、新しい言葉が挙げられています。すでに存在する言葉から少しモジって、
気持ち悪い → キモい
じわーっとくる → じわる
みたいな感じですね。何が新しいんだ?と思いました。相当思いました。そんなのが、MITの論文になるわけないですよね。
(もっと読まされ、オリジナルの論文を読みました)
結局今回の「モデル」の何が新しいかというと、新しいアイデアが登場したときの、全体の変化が大切だということ。新たな可能性に触れた時の変わり方が良くないと、イノベーションは起きないことを計算で出したということだと理解しました(厳密には世の中のイノベーションのパターンに合致しない)
誰かがウケ狙いで「キモい」って言った時に、仲間が「乗っかる」必要があるということです。
そんなこともう知ってるよ、って感じたなら、私もそうです。著者も自虐的に「この研究そのものも過去の研究の近接であり、後知恵だ」と認めています。しかしながら、そんな研究も未来のイノベーションに向けた1歩となる可能性も秘めているわけなのですね。

In a somewhat humorously self-referring sense, each proposed model has been
in the adjacent possible of the models prior to it. But of course this is only an a
posteriori consideration.


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